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白と悪魔と  作者: りあん
第二部 可能と不可能の根源
63/271

ep61.再開と波乱と


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ――もしも…あの時…ホワイトちゃんが…私を庇ってくれなかったら…






「ナギサさん…ナギサさん…!!」


 (誰かが私を呼んでいる…)

 (…だけど、身体が動かない)

 (…身体から、血の毛が引いてきてる)


 (水分が…なくなってきてる…)


 倒れているナギサを泣きながらも必死で揺すり、回復魔法をかけるホワイト。


「そんな…死んじゃダメ…お願い…!!」


 ホワイトの涙がナギサの血だらけの胸にかかる。

 ナギサの身体中には大量のナイフが突き刺さっていた。

 もしもあの時ホワイトが庇わなかったら。

 スピアによってナギサの身体中にナイフが突き刺さっていたのだった。


 これは悪い夢か、現実か。


「…ホワ…イト…ちゃ……ん…」


 ナギサの意識が薄れる。


「まだ…生きれる…お願い…!意識を強く保って!ねぇ…!ナギサさん…!!――」


 ホワイトがナギサに回復魔法をかけ続ける。


「ゴホッ…」


 ナギサが吐血する。

 ホワイトの手にナギサの吐血した血が付着する。


「っ…!?」


 ナギサの身体の出血は止まらず、ナギサの息が浅くなる。


「っ…そん…な…嘘…」

「…ごめ…ん………ホワイト…ちゃん………ラン…ス………」


 ナギサが目を閉じてしまう。


「いや…いやだ…」


 ホワイトの涙が溢れる。


「いやああああああああああああああああ!!」


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「っ…!」


 ラッシュ師団の基地の医療室…

 ナギサが目を覚ます。

 自身の死は、夢だった。


「医療室…!」


 ナギサが起き上がり、すぐさま自分の身体中を確認する。

 スピアとの戦闘でできた傷口はだいぶ塞がっていた。


「…血は出てない……そっか…あの時ホワイトちゃんが庇ってくれてなかったら…」


 ナギサが天井を見上げる。


「今頃…死んでたのか…」


 ナギサが起き上がる。


「…よくない夢。あれが…有り得たかもしれない未来の…私…」


 ナギサが窓の方を見る。


「…明るい。でもかなり静か…」


 ナギサがベッドから出る。


「…うん、動いても大丈夫…かな」


 ナギサが歩き出す。

 ナギサが手首に巻いてる通信機を使う。


「ランス…」


 ナギサがランスに通信を繋げようとする。


「…いや、辞めよ」


 ナギサが首を振り、ルドに通信を繋げる。


「…もしもし、ルド?」

「ナギサ?もう動けるのか…?」

「…うん」

「そうか良かった。お前の要望通り、今ラッシュ師団とカルム師団はスピア討伐のために手を組んでる。んで、今はこっちが得た魔力の根源に関する情報をラッシュ師団に教え、ラッシュ師団には戦闘に関して教えて貰ってる」

「…うん、ありがとう」


 ナギサが通信機を下ろす。


「…何かあったか?」

「…ううん、なんでもない。ちょっと嫌な夢を見ただけ」

「そうか。まぁでも、体調が悪い時はよく悪夢を見ると言うよな。あんまり無理するなよ」

「…ありがとう」


 ナギサが少し微笑む。


 数秒の沈黙ができる。


「…どうした?」

「…私、行かなきゃ行けない場所がある」

「…は?」

「そこに…」

「ちょっと待て。いくらお前でも病み上がりに危険な行動は止せ。今はお前の身体を休ませるのが大事だ」

「…大丈夫、私の身体は超丈夫だし、皆ができないような柔軟運動もできるくらい柔らかいから」

「何も大丈夫じゃねぇよ」

「ふふっ、いつもの冗談に乗ってくれてありがとう、ルド」

「冗談じゃねぇ」

「……」


 ルドの言葉にナギサが黙る。


「こういう時のお前の冗談は本当に困る。何処へ行く気だ、俺も行く」

「…大丈夫、カルム師団の基地に一旦戻るだけ。やってた事いっぱい残ってるし、皆に怒られちゃう」

「だからって今の状況下で一人は危険だ…もしかしたらスピアに…」

「…ごめんね、ルド」


 ナギサが通信を切る。


「…さてと」


 ナギサが歩き出す。


「っ…」


 ナギサが自身の腹を押さえる。

 まだ傷は痛んでいた。


「……大丈夫。これくらい…毒も抜いてもらってるし…大…丈夫…」


 ナギサがゆっくりと歩き、窓から出る。


「…団長の私が…しっかりしなきゃ…」






 ――一方…団長室では…


「団長、団長に会いたいという客が来ています」

「客?」


 ランスが首を傾げる。


「名前は?」

「名前は名乗らなかったのですが…白いローブのような物を着た者で…」

「白いローブ…もしや…」


 ランスが団長室を出る。




 ランスが座っている男に話しかける。


「待たせましたねお客さん。…いや、待たせたなフェクト」

「…ご無沙汰してるよ」


 ランスがフェクトを見下ろす。

 フェクトはローブで隠していた頭を出す。


「それで、元ネオカオスのお前が何の用だ?解放してやったというのにまた自首しに来たのか?」

「そんな馬鹿な真似はしないよ。この前、僕らの下っ端がスピアマウンテンのあたりでルキを見たという情報を得たんだ。もしかしたら君達も何か知ってるかと思ってね」

「…ルキか」


 ランスが腕を組む。


「心当たりがありそうな顔だね。ルキに関して何か知ってるかい?」

「お前のその口振り的に…予想は付いてるのか?」

「あぁ。魔力の感じ方的にルキの中に謎の人格が憑依したって思ってる。けれど、推測であるから確信には至れなかった。そこで確信を得るためにラッシュ師団に来たって訳だよ」

「なるほどな。その推測…正解だ。奴の中に…スピアという人格が乗り移っている」

「…そうかい」

「カルム師団の情報によると、奴に乗り移ったのは太古の時代に生まれし人間…『可能の災いディ・スピア』という存在…奴こそが魔力の根源そのものだ」

「可能の災い…それこそが魔力の根源…か。でも何で今はジハさんではなく、ルキに乗り移っているんだ?」

「さぁな。これに関しては俺も検討が付かない。何故あいつに憑依しているのか…そもそも何故あいつは生きているのか…」


 ランスが腕を組む。

 フェクトが頭の中を整理し、話し始める。


「…僕の推測だけど、ジハさんは本当は死んでなかったんじゃないのかな」

「…なんだと?」

「世間的にジハさんは死亡って事になっていたけど、もしかしたら生きてたのかもね。だけど恐らくジハさんは致命傷を負っていて殆ど動けない状態…そこをルキがトドメを刺し、ルキがジハさんの魔力を吸収しようとした…だけど、吸収したせいでその可能の災いとやらが乗り移った…そういう事なんじゃないかい?」

「なるほどな、一理ある」


 実際…フェクトの推理は現実に起こっていた。


「ジハさんの身体を使わなかった理由は…そうだな、ジハさんの身体の自由が利かなかったから…かな。回収したジハさんの遺体は…足を失っていたり腕を失っていたりしていた。流石の可能の災いも腕や足を再生させるにはコストがかかる…だからルキの身体にせざるを得なかった…という感じかな」

「まるで探偵みたいだな、フェクト」

「これは本当に推測でしかないけどね。身体の一部を失ってしまえばいくらジハさんの身体と言えど満足に戦えない。それどころか満足に動けやしないだろう」

「…そうだな」


 ランスが目を逸らす。


「何かあったかい?」

「…いや、昔…ネオカオスとの戦いで腕を失って苦労した奴が頭に浮かんでな…」

「…その節は本当に…僕らの団員がすまなかった…」

「過ぎた事ではあるが…あいつがお前達を一生恨むのは変わらないだろうな…」

「…そうだね」


 フェクトがフードを被る。

 まるで後悔があったかのように…


「それでフェクト…俺はお前の疑問を晴らせるような事を言ったが…お前は何をしてくれるんだ?」

「…見返りを求めるタイプか、性格悪いねランス」


 フェクトがため息をつく。


「まぁ、見返りなしにこの話を聞きに来た訳じゃないからね。僕は…君達に協力したい」

「…協力したいだと?」

「勿論、ただでとは言わない。けれど…戦力は多いに越した事はないだろう?僕の魔力があれば君達の足りない部分も補完できるかもしれない。それに…僕は元ネオカオス四天王としてルキを助けないと行けない気がしてさ」

「ルキを助ける…か」


 ランスが腕を組む。


「お前の実力はジン達がよく理解していたな。その願い…聞いてやらんでもない」

「本当かい?助かるよ」

「ただ条件がある。全てが終わったら、場合によってはお前が匿っているネオカオスの残党を確保する」

「…いいよ。彼らももうジハさん亡き今なら口を割ってくれるはずだ。それに…彼らも概ね覚悟はしているはずだ」

「…それと、スピアが憑依している以上ルキは殺しと言う選択も取る可能性がある」

「殺し…か」


 フェクトが上を向く。

 フェクトはかつての仲間を手にかけるのは嫌ではあった。

 だが…決断はできていた。


「…僕はいいよ。ルキには寧ろ殺しが救いになるかもしれないからね」

「案外酷いんだな、フェクト」

「お互い様だよ、ランス」


 フェクトとランスがお互いを見て微笑する。


「一応言うけど、僕はいいって言っただけだからね。君達のメンバーには殺ししか救いがないような奴を助けようとするようなお人好しがいる事を忘れないでくれよ?」

「…?そんな奴…」


 ランスが少し考え、ホワイトの顔を思い浮かべる。


「…いたな」

「まぁ彼女がルキを救いたいと言うかは別だけどね。一度殺されている訳なんだし」

「…そうだな」


 ランスが目線を上に向ける。

 そして、思い出したかのように喋り出す。


「そうだ、お前に会わせたい奴がいる」

「…僕にかい?」

「あぁ。お前もよく知っている奴…かもな」

「かもって…どういう事だい?と言っても…僕が会いたいと思える人…ジハさん…?いや、違うな。ジハさんがここにいたら魔力で分かるはずだ。そうなると…いや、メタリーはもう死んでるし、ルキは憑依されてて…デストは人造人間だし…うーん…」

「まぁ、来いよ。案内してやる。今は医療室で休ませているから静かにな」


 ランスがフェクトに手招きする。


「…まさか団員かい?」

「さぁな」

「さぁなって…」


 フェクトがランスについていく。





 ――医療室に入るランスとフェクト。


「着いた…ぞ…!」


 ランスが驚いた表情をする。

 医療室にはシェールがいた。


「…!ランス…君。と…ネオカオスの…!」

「…どうも。ってまさかこの人が?確かに別嬪さんだけど僕には釣り合わないよ」

「いたなら教えてくれ、シェール」

「来るなら教えてよ、ランス君…」


 シェールとランスが気まずそうにする。


「…この人ではなさそうだね」

「…ゴホン。そこに寝てる奴だ」

「寝てる奴…」


 フェクトがベッドの方を見る。


「…!」


 ベッドには殺戮のデストのベースとなった豪剣のデストがいた。


「デス…ト…?」

「…あなたは…もしや…ネオカオスの…」


 デストがフェクトの方を見て喋る。


「…もしかして、会わせたい人って…」

「あぁ。お前もよく知ってる奴…だろ?」

「デストの…元の人間の…」

「もしや、フェクト…?」

「…!」


 デストの言葉を聞いたフェクトは目から涙が出る。


「そっか…あなたが…あの時僕に近接戦の一部を教えてくれた…あの…」

「別名豪剣のデストと呼ばれたそうだな。今は訳あってこの医療室にいる」

「…あなたがいなかったら、今の僕はいなかった…本当に…会いたかった…」

「フェクト…」


 フェクトが涙を堪える。


「あなたを模造して作られた人造人間は…あなたに似てとても優しかった…殺戮という名を冠してても…例え人造人間だったとしても…心があった。ネオカオスの皆には優しかった…今はもう…ラッシュ師団との戦いでもう壊れてしまいましたが…」

「そうか…」


 デストはそう言うと、フェクトの手を掴む。


「…殺戮の方の俺も…大切にしてくれて…ありがとう…」


 デストの目から涙が出る。


「…はい」

「どうだフェクト」

「…ありがとう、ランス。少し後悔していた事があったけど…漸く解決した…」

「それなら何よりだ」


 ランスが腕を組む。


「…ランス君」

「どうした、シェール?」

「…ごめんなさい」

「…気にするな。俺も…お前に酷い事を言ってすまなかった」

「っ…そんなの…ナギサちゃんは…嘘を吐いてなかったけど…それ以上に…あの子が思っている事が…あまりにも……うぅっ…」


 シェールが涙を流す。


「ちょっ…泣くなシェール…」

「…あれ、そこのお二人、喧嘩中だったのかい?で、今仲直りした感じかい?」

「フェクト、部屋出ろ。今は俺とシェールの二人にさせてくれ」

「いや、僕出てもデストそこにいるけど」

「そうだった…」


 ランスがそう言うと、フェクトが苦笑いする。


「何があったかは問わないけど、ラッシュ師団でも喧嘩みたいなのあるもんなんだね。当時のネオカオスでは喧嘩しているメンバーなんて…メンバーなんて…」


 フェクトの頭の中にルキとメタリーの顔が思い浮かぶ。


「…いや、何でもない。君達は…仲良くしてくれよ?」

「言われなくてもそのつもりだ。ところでシェール…さっきのナギサが思っていた事って…何の話だ…?」

「あっ…それは…また今度言うね。今はデストさんの体調の方が心配…だったけど、フェクトが来てから元気になっているみたいね。良くなる気配がなかったデストさんだったけど、もう大丈夫みたい」

「そうか。まぁそうだな」

「となると…次はホワイトちゃん…か」

「ホワイト?」


 フェクトが首を傾げる。


「ホワイトに…何かあったのかい?」

「…あぁ。ここ数日…目を覚まさないんだ…」

「目を覚まさない?」

「あぁ…可能の災いに襲われて…意識不明の重傷だ」

「意識不明の…そんなに可能の災いとやらは強いのかい?」

「…あぁ。ミカですら、相手にできなかった相手だ…」

「ミカ…研究所の件でルキにノーダメージで勝利したという報告は聞いていたけど…そんな彼女も無理なのか…」

「あぁ…あいつでも無理となると…俺達が強くならないと行けない」

「なるほど。…おっと」


 フェクトの持っている通信機が鳴る。


「ごめん、マナーモードになってなかったね。ちょっと失礼するよ」

「あぁ」


 フェクトが通信機を持って医療室を出て、廊下で通信する。


「こちらフェクト。どうしたんだい?」

「フェクト様、御報告が」


 フェクトの通信相手はスピアマウンテンの辺りを見ている元ネオカオスの下っ端だった。


「君か。どうしたんだい?」

「ルキ様を再度発見しました」

「ほう。やっぱりスピアマウンテンに…」

「それがですね…スピアマウンテンから出ようとしていて…謎の男二人と行動していました」

「…謎の男二人と?」

「はい…元ネオカオスの一員でもないようで…しかもその二人からかなりの魔力の気配を感じました」

「…なるほど。スキャンダル…って訳でもなさそうだな。そうなると…ルキ…いや、ルキに憑依した奴の手下…と言ったところか」


 フェクトが通信機を握る。


「…!ルキ様に…何者かが憑依されていると…!?」

「ラッシュ師団団長のランスから聞いたよ。奴は今ルキであってルキにあらず…あいつは…可能の災いと呼ばれし存在…」

「可能の災い…それがルキ様を蝕む存在…」

「引き続きルキの動向を追ってくれ。二人組の方もお願いだ」

「承知致しました」


 フェクトが通信を切る。


「何を話してた?」


 ランスが後ろからフェクトに話しかける。


「僕の下っ端が報告してくれたんだ。ルキを見つけたって。そして…謎の男二人組とも行動しているってさ」

「謎の男?」

「推測だけど、手下なんじゃないかな。まぁ、可能の災いって言うくらいだし…手下を作るの造作もない事だろうけど…」

「手下…か」


 ランスが考え始める。


「引き続き動向を見て貰ってるけど…もしバレたら彼女を危険な目に合わせてしまう。彼女が心配だし、僕は一旦おいとまさせて頂くよ。デストとはもっと話していたいけど…全て終わってからでも遅くはないだろう」

「分かった。何かあったら連絡をくれ」


 ランスがそう言うと、フェクトは基地の入口の方まで歩き出す。


「さてと…他の団員の方も…仕上がってきてるな」


 ランスが左手首に付けている通信機を見る。


「ネオカオスの件と言い…可能の災いと言い…俺達はいつまで戦い続けなければいけないんだろうか」


 ランスがため息をつく。


「…まぁいいか。この件が終われば…今度こそ大きな休暇を…」


 ランスの通信機が鳴る。


「…ランスだ。どうした?」

「ランス…!」


 ランスの通信機からルドの声が聞こえる。


「その声…ルドか。焦ってそうだがどうした?」

「ナギサが…!」

「…!」




 ナギサの医療室へ入るランスとシェール。


「ルド…!」

「ルド君…!」

「…二人とも」


 ルドがベッドの前で待っていた。

 だがベッドにはナギサの姿はなかった。

 ベッドの上にはナギサが付けていた通信機だけが置いてあった。


「なっ…これは…どういう事だ…?」

「…俺が戻った頃には…既にここには誰もいなかった…」

「っ…!」

「…他の団員も見てないって事だ…そうなると…皆が鍛錬に励んでいる間に隙を付いて…外に出たという可能性が…」

「あの馬鹿(ナギサ)がそんな事…」


 ランスがそう言うと、シェールが窓が開いている事に気付く。

 微かに吹く風…そして、いかにもここから出たような開き方…


「ランス君…そこの窓…」

「…!開いてる…!」

「きっとそこから出て…でも…何で…?」

「…俺のせい…かもしれない」


 ルドが下を向きながら話す。


「ルド、どういう事だ…?」

「…俺が…ナギサを止めることができなかった…あの時…あの時の連絡で俺がすぐに向かっていれば…!」

「っ…」


 シェールがランスとルドを見る。


「…ルド君、一旦冷静になって…。ナギサちゃんの行く先は…聞いてる…?」

「確かあの時…カルム師団の基地に一旦戻るだけって言ってた…やってた事いっぱい残ってるとも言ってたな…」

「カルム師団の基地…やってた事…」

「魔力の根源の研究…か?」

「…俺もそうだと踏んでた…でも…ラッシュ師団の基地からカルム師団の基地まで…電車でも2時間は有する。それにあのナギサの怪我の具合的に…まだ素早く動けないだろう…。今なら…間に合う…!」


 ルドが医療室を出て廊下を走り出す。


「っ…!待て、俺も行く…!」

「私も…!」


 突如いなくなったナギサを探すため、ランスとシェールがルドに付いていく。


後書き~世界観とキャラの設定~


『デストとフェクトの関係』

…殺戮のデストのベースとなった本来のデストと、完璧のフェクトは友人関係にある。

この二人の年齢はそこそこ離れており、フェクトがデストに「近接戦の一部を教えてくれた」と言っているため、師匠と弟子の関係にも窺える。

人造人間であった殺戮のデストもまた、フェクトと良き関係だったのだろう。

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本編のスピンオフである
悪魔に堕ちて悪魔と結婚した太陽
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