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白と悪魔と  作者: りあん
第三部 繋がる命と共存の悪魔

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125/276

ep113.絶氷を救出するために

 ――それから、ホワイトとミカが吹雪の中を歩いて数分後…


「…!」


 ホワイトがロキの魔力を感じる。


「こっち…!」


 ホワイトが走り出す。


「こっちにロキ君がいる…こっちに――あれ…?」


 ホワイトの言う通り…

 目の前にはロキが立っていた。


「…ロキ…君…?」

「…ん」


 ホワイトがロキを見つけて首を傾げていた。


「どうしたホワイト?」

「あ…いや…えっと…」

「ロキ…ここにいたのね」

「あぁ。吹雪を起こした犯人を追って、ヒョウガイ山を歩いてみたが…手掛かりなしだ」

「手掛かりなし…か」


 ミカが腕を組む。


「あぁ…ただ…吹雪が強くなっている気がする」

「そうね、心成しか、少し吹雪が強くなったようにも感じるわ」


 ミカが辺りを見渡す。

 吹雪は街の所よりもかなり強くなっていた。


「もしかしたらこの山の山頂の方かもしれない」

「山頂…」

「吹雪を起こすにはもってこいの場所だろう?」

「確かに…一理あるわね」

「あぁ…この先は俺一人じゃ探索が厳しい。ホワイトも来てくれないか?」

「あ…うん…勿論…」


 ホワイトがロキの方へ歩き出す。

 ミカがロキの言葉に疑問を持つ。


「ちょっと待って、あたしは?」

「…別にお前は寒さを凌げたり回復できたりはしないだろ。街に帰れ」

「っ…カイロとか防寒具を魔力で作れるくらいなら…」

「作れる…か」


 ロキがニヤリと笑う。


「…?」


 ホワイトがロキの笑みを見て首を傾げる。


「…なるほど。じゃあお前も来い」

「ん。あたし無しじゃ、アンタも大変でしょ?」

「そうだな、そういえばそうだったわ、ははっ」

「何笑ってんのよ、状況は街の電気が通らなかったり通信機が壊れたりで最悪なのに…」

「…そうか、大変だったな…」


 ロキが目を逸らす。


「その原因を叩けば…きっとその電気の通らない状態や吹雪も治るだろう。俺達は一刻も早く原因を叩きに行こう」

「ん」

「…うん」


 ホワイトが不安そうな顔をする。


「なんか………おかしい………」





 ――一方ゼッヒョウの地の街の方では…


「はぁ…はぁ…」


 街の中…ジンが息切れする。


「魔力を出すのも疲れるようになってきた…」


 ジンが山の方を見る。


「…ホワイト達…大丈夫かな…」

「…大変そうだね、君」

「…!」


 ジンが声の方向へ振り向くと、そこには謎の男が立っていた。

 ジンよりも背の高い男。少し黒が強めの金髪で短髪の男だった。


「えっと…あんたは…?」

「俺はリクト。嫁の心配をして来たんだが…そう言ってる場合でもないみたいだ…」

「嫁の心配…?」


 ジンがリクトの左手を見る。

 リクトの左手薬指には指輪が付いていた。

 そしてその指輪には見覚えがあった。


「…指輪…その指輪…確かホワイトの先生も付けていた…」

「あ?あぁ、ホワイトって名前は…嫁がよく気にかけていた生徒だったな」

「…つまりあんたはホワイトの先生の…旦那さんか」

「あぁ…」


 リクトがジンの傍に寄る。

 ジンがリクトの顔に付いている傷を見る。


「…あんた、厳つい顔をしてるな」

「酷いな君。俺を何だと思ってるんだ…」

「…あんた、奥さんの傍にいなくていいのか?」

「嫁の方なら大丈夫だ」

「…そうか」

「俺に何か手伝えることはあるか…?」

「…俺の魔力も少しずつ切れてきた…炎の魔力を出したり戻したりするとすぐに魔力がなくなってしまう。何かいい方法があれば…」

「ふむ」


 リクトがそう言うと、魔力で何かを作り出そうとする。


「…ん、あんた…創造できる感じの魔力か?」

「…まぁ一応できなくはないと言った所だ。ただ…素材は土や泥…岩と言った自然物限定だ」


 リクトが岩でできたストーブを作る。


「岩の…暖房器具か?」

「ストーブって言う。知らないのか?変わった奴だな」

「…知ってる。だが、こんな素材でできた暖房器具は初めて見た」

「これに君の魔力を足してくれ。そうすれば暫くは使えるだろう」

「…なるほど?」


 ジンが魔力でストーブに火を付ける。


「…お」

「付いたね」

「…あんた、厳つい顔してるのに魔力は結構器用なんだな」

「ははっ、これでも…嫁の尻に敷かれているんだけどな」

「…なんかそんな感じする。あんたが弱いと言うより…あの人が強すぎるって感じするけど」

「正解だ」


 リクトが少し微笑む。


「…自然物限定って言ってたけど…魔力は自然に関する物なのか?」

「まぁそんなところだ。主に大地に関係する感じの」

「大地…」


 ジンがリクトの目を見る。


「ん、俺の顔に何か付いてるか?」

「…いや…別に。ただ…最近の人って凄いなって」

「そうだな。…君は人じゃないみたいだけどな」

「は…?」


 ジンがリクトを睨む。


「俺が…人じゃない…?」

「その炎の魔力…まるで…人間界の物とは思えなくてな」

「っ…」

「なんてな、軽い冗談だ。君のその魔力は戦える魔力でもあり、きっと人を救える魔力だ」

「…救える魔力…か」

「期待してるよ、悪魔のような人」

「…あぁ」






 ――一方…ヒョウガイ山にて…


「もうすぐ山頂だ」

「山頂…」


 ミカが辺りを見渡す。

 吹雪の強さはあまり変わっていなかった。


「吹雪の強さはあまり変わらないわね」

「そうだな」

「ホワイトはどう思…あれ?」


 ミカが振り向くと、ホワイトは二人から距離を取っていた。


「…ホワイト?」

「…ミカ、ちょっとこっちに」

「?」


 ホワイトがミカに手招きをする。


「どうした、ホワイト?」

「あ…ロキ君はそのままで…」

「あぁ…?分かった」


 ロキが立ち止まり、ミカがホワイトの方へ歩き出す。


「…どうしたのホワイト?」

「…ミカ、ロキ君に聞こえないように喋って」

「え…あ…うん」


 ミカがホワイトの方に耳を寄せる。


「…それで、どうしたの?」

「えっと…ロキ君の事…なんだけどさ…」

「…ん」

「私の繋命の魔力で…ロキ君の魔力を追えるんだけど…ちょっとおかしい事があって…」

「おかしい事…?」

「えっと…」


 ホワイトがコソコソ喋る――


 ……………


「…え?」

「おかしいでしょ…?」

「…確かに」

「それでさ………」


 ホワイトの話を聞き、ミカがロキの方をチラッと見る。


「…分かったわ、あなたの言う事…信じる」

「うん…ありがと…」


 ミカとホワイトがロキの方に向かって歩く。


「ん、話は終わったか?」

「…うん」

「…ん」

「そうか」


 ロキが辺りを見渡す。


「山頂に近付いたはいいが、犯人らしき人物はいないな」

「…そうね」


 ミカが銃剣を構える。


「ミカ?武器なんて持って、どうした?」

「…ネオカオスの下っ端を警戒しているだけ」

「…ほう?」

「さっき…ホワイトを見つけた時にいた…何やらネオカオスはホワイトを狙っているみたい。ホワイトの魔力目当てだろうけど…」

「…なるほど」

「だから…もしかしたらネオカオスが周りに潜んでいてもおかしくないはず。だから…いつでも撃てるように構えてる」

「そうか」


 ロキが背中を見せてホワイトの方へ手招きする。


「ホワイト、こっち来い」

「え…?」

「俺が傍でお前を守ってやる」

「っ…」

「俺じゃ不服か?」

「不服じゃない…けど………」

「傍にいるの、あたしでいいでしょ」


 ミカがロキを睨む。


「アンタは副団長って言うけど…あたしの方が強いから。あたしの方が絶対守れる」

「じゃあ、お前もついでに守ってやる」

「っ…」


 ロキの言葉にミカが少しだけ顔を赤くする。

 流石のミカもロキの男らしい一面を見ると少し驚いていた。


「俺がお前達を守るからお前も俺達を守れ、それでいいか?」

「…ロキの癖に…かっこつけすぎ」

「いいだろかっこつけるくらい」

「…はぁ」


 ミカがため息をつく。


「ミカ、身体の方は大丈夫か?」

「まぁ…多少は」

「そうか、良かった」

「…病み上がりで早速原因討伐行かされるのは精神イカれるけどね…」

「そうだな…帰ったら団長に怒らなきゃだな」

「…そうね」


 ミカが銃剣を二つ持つ。

 そして…気配を感じ取っていた。


「この魔力の気配…間違いない…」

「…うん…この魔力の感じ…間違いない…」


 ミカとホワイトが辺りを見渡す。


「もしや、ネオカオスの下っ端が周りに…!?」

「っ…皆…警戒して…!」


 ミカが銃剣を構える。


「っ…!」


 ホワイトが麻酔銃を持つ。


「…何処から来る…?」


 ロキが辺りを見渡す。


「…ちゃんと魔力の気配を追って」

「魔力の気配を追う…」

「………」

「っ……」


 ミカが銃剣をロキの向いてる方向へ向ける。


「…!」

「まさか…!」


 ミカが銃を向けた方へロキが銃を向ける。


「………」

「…ホワイト!」

「うん…!」


 ホワイトが麻酔銃を撃つ。


「っ…!?」


 麻酔弾は…

 なんとロキの首裏に当たる。


「麻酔………弾…」


 ロキが倒れる。


「…引っかかってくれてありがとう…ロキ」

「っ…」

「…いや…ロキじゃないわ。正体を見せなさい…!!」


 ミカが銃剣を倒れるロキに向ける。


「っ…貴様…!!」

「…ナイス麻酔銃よ、ホワイト」

「うん…!」

「チッ………」


 ロキが舌打ちをすると、ロキが黒い魔力に包まれる。


「っ…!」

「あーあ…せっかく誘き寄せて皆殺しにしようと思ったのになぁ………」


 黒い魔力に包まれたロキが喋る。


「引き付けずさっさと殺せば良かったなぁ!!」


 ロキの声が途中で変わり、女の声になる。


「っ………」


 黒い魔力から、背の高い女が現れる。

 黒いローブを羽織って長くて白い髪…紫色の瞳の20代。


「まさか探知機能まで持ってるなんてねぇ…!!」


 女がホワイトを睨み、舌を出す。



「女神族の魔力所有者…ホワイト………!!」


後書き~世界観とキャラの設定~


『リクト』

…ジンの前に現れた少し黒が強めの金髪で短髪の男で少し屈強な男。そしてサザナの夫。

顔に傷が付いていたりと見た目は不良みたいな感じで口調も少し悪い。

だが過酷な環境であるゼッヒョウの地にもサザナが心配ですぐにやってくるなどと意外といい男である。

土や泥、岩と言った自然物限定だが創造できる魔力がある。

これでも嫁の尻に敷かれているらしい。サザナ先生どんだけ強いんだよ………

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本編のスピンオフである
悪魔に堕ちて悪魔と結婚した太陽
も連載中!
是非こちらも御覧ください!
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