03かわいい後輩、水城 亜希(みずしろ あき)
次の日になった。生まれて何度次の日になっただろうか・・
太陽「たまには燃えるのやめていい?」
人類滅亡ルートかな?
俺は朝早く家を出た。
学校で犯人と待ち合わせだ。
占い師のおねーさんは捕まえられないって言ってたけど、俺次第で変わるんだ。勝つつもりで行こう。
負けることを考えて闘うなんてありえない!
男「ちゃんと来たな。感心感心。」
有馬「お、おはようございます。」
男「うっす。昨日はオナ断ちしたな?今日たっぷり楽しめるんだから。」
・・女の子の堕とし方を教えてもらってから捕まえてもいいような気がする。
にしても・・誰?結構おっさんだが知らない人だ。
学校関係者だと思ったんだけどなぁ。
有馬「望月さんを呼び出しますか?」
男「まあ待て。降霊の準備をしないとな。」
降霊の準備?ああ、低級霊を呼び出すのかな?
・・・・
男に案内されたのは空き教室。
男「ああいう力を持ったやつは簡単じゃないんだ。二重に罠をかける。」
有馬「手伝いますか?」
男「やる気があってよろしい。だがオレのやり方を見てろ。」
男はせっせと準備を進める。
意外というか、こういう作業って地味だ。
男「よーし、そろそろ女を呼べ!へへ、お前のデビュー戦だ。」
有馬「わかりました。」
望月さんに連絡を入れた。
犯人と一緒にいて、望月さんを罠に嵌めようとしていること。
これを利用して逆に犯人を捕まえようとしているから来てほしいと伝えた。
返事はすぐ来た。
これからそちらへ向かうとのこと。
有馬「これから来るそうです。」
男「よくやった。お、そうだ、あんまり張り切りすぎるなよ。授業があるんだからな。」
有馬「気をつけます。」
男「少し説明しておこうか。通常の降霊に見せかけているが、裏にもうひとつ術を仕込んである。」
男「最初の降霊は見破られて防がれるが、その隙にもうひとつの降霊が行われる。これは防げないだろう。」
有馬「おお!・・俺もこの儀式みたいなのができれば降霊できるんですか?」
男「修行も必要だ。猿真似で出来るほど簡単じゃねーよ。」
修行かぁ。
占い師のおねーさんとか、ワンタッチ降霊術とかできる道具持ってないかな。
あ、携帯がブルった。望月さんからだ。
【学校に着きました。どこへ行けばいいですか?】
男「どうした?」
有馬「望月さんが学校に着いたようです。どこにいるのか聞いています。」
男「よーし、ここへ案内しろ・・あとはホームルームまで楽しい、いや気持ちいい時間を過ごせ。」
有馬「はい!」
俺は、いい返事をして望月さんに連絡した。
この空き教室の場所と、入口に二重の術を仕掛けてあるから気を付けるようにと。
さて・・あとは待つだけか。
・・・・
がらがら。
望月さんがやって来た。今日も変わらずかわいい。
罠だって報せなかったら俺のモノになってくれてたのか・・うーん、むっちゃ残念。
望月さんが空き教室に入って来た。
有馬「え・・ああああああ!?」
体が・・痺れる!
男「ははは、驚いたか?」
有馬「な、なんで・・?」
男「来いよ、香織ちゃーん。」
香織「はい、ご主人様。」
え?え?
男「実はな、昨日お前に会った後で香織ちゃんにも会いに行ったんだよ・・へへへ、いい女だったぜ。」
そんな・・望月さんもこいつに・・
男「おっと、思い出したら反応しちまった。だからお前は適当にあしらおうと思ったら、なんでか平静だったから一芝居うってみたってわけだ。」
男「低級霊はついたままなんだが・・」
お札はちゃんと効果を発揮していたんだ。俺の態度がまずかったのか・・
男「お前、ちょっと窓から飛び降りてみろ。」
有馬「命を危険に晒すような命令ってできないんじゃないの?」
男「それは催眠術だろ。自己防衛があるからってわけで・・だがオレが命令しているのは低級霊に対してであって、お前じゃない。」
一般人にはそんな違いわからん!
男「なんでだ?特異体質?・・まあいい、今のお前はなにもできまい。」
男「香織ちゃぁん、他の空き教室で楽しもうね。」
香織「はい、ご主人様。」
有馬「ま、待て・・」
ダメだ、体が痺れて動けない。
望月さんは男と行ってしまった。
そんな、望月さんまで・・あんな男の餌食に・・俺が、俺が巻き込んだんだ。
力が・・俺にもっと力があれば・・・・悔しい、悔しいよ。
がらっ。
誰か入って来た・・・・誰?知らない女の子だ。
女の子「あ・・大丈夫ですか?」
有馬「そ、そこの机の上にあるのを・・どかして。」
女の子「え?あ、はい・・これでいいですか?」
あ・・痺れが治まった。
有馬「ありがとう。おかげで助かったよ。」
あれ?この子・・
有馬「もしかして、先週の・・」
女の子「あ、はい。先日はありがとうございました。」
この子が財布を落として泣いていたのを助けたんだ。
かっこつけてお礼はいらないって言ってたのをむっちゃ後悔したんだよなぁ。
亜希「1-Cの水城 亜希です。」
有馬「俺は有馬。2-Bの緑川 有馬だ。」
年下だったか。眼鏡がよく似合っててかわいい。
亜希「緑川先輩、こんなところで何をしていたんですか?」
有馬「そうだ、望月さんを助けなきゃ!ごめん、俺もう行くね!」
亜希「なにかお手伝いを・・」
有馬「関係ない人を巻き込むわけにはいかないよ。気持ちだけ受け取っておくね、ありがとう。」
亜希「あ・・」
急げ!他の空き教室を調べよう。
学校中の空き教室、朝は使わなさそうな特別教室を見て回ったが望月さんと男はいなかった。
どこにいるんだ・・女子トイレとかだと捜しようがないぞ。
一旦教室に戻った・・ら、望月さんはいた。
遅かった・・もう終わった後か・・
・・
・・・・
俺は弱い。
俺じゃなにもできない。
もっと力が欲しい!強くなりたい。
こんな体育のサッカーなんかで強くなれるわけないだろ!
みんなやる気なさそうだし。
そういえば・・占い師のおねーさんが言ってたっけ。
よく食べ、よく遊び、よく学べって。
授業をがんばるだけで強くなれるなんて思えない。
男子生徒「へ~いパース」
思えないけど、いいよ、やってやるよ!
俺はダッシュでのろのろパスされたボールを奪った。
そのまま相手ゴールへ向かってマジドリブルする。
みんなぽかーんとして動こうとしない。
俺は・・・・強くなる!
有馬「いっけえええ!」
ゴール前、渾身の力でシュート!!!
バシッ。
あれ?
ゴールキーパーにボールをとられた。
男子生徒「・・熱いなぁ。そういうの、嫌いじゃねーぜ。」
男子生徒「オレもちょっと本気だそうかな。」
男子生徒「みんなあがれあがれ!」
男子生徒「みんな守るぞ!マークしろ!」
男子生徒「オレがボールを奪いに行く!カバーしてくれ!」
あの・・みんなががんばったら俺のボールキープ率下がっちゃう!
なぜか俺以上に熱くなったみんなが、体育をスポーツに変えた。
みんな待ってー、おいてかないでー。
・・・・
つ、疲れた・・
体育教師「良かったぞ。」
有馬「後半全然でしたよ!」
体育教師「お前がみんなを熱くしたんだ。誇っていい、お前が今日のMVPだ。」
なんか照れくさいや。
先生は他のみんなもねぎらいに行った。
女子生徒「意外~、緑川くん熱血だったんだ。」
女子生徒「かっこよかったよ!」
有馬「そ、そう?あ、ありがと。」
超照れくさいや。でも嬉しい!
香織「ドラマの主人公みたいでしたわ。」
あ・・望月さん。
そっか、普段はいつも通りなんだ。
男がいたら操られちゃうだけで・・
・・もっと、もっと力が欲しい・・
望月さんも、他のみんなも助けてあげたい。
あんな男の好き勝手に弄ばれちゃうなんて、あっちゃいけない!絶対に許せない!
・・
・・・・




