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魂のレッドライン  作者: ギン次郎
1章 夢を見た天使
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82話 蘇る炎魔

遂に始まった美紀正路の真の計画。

なんとしてでも夜明け前に計画を止めなくてはならない光達は、決死の覚悟で天界に乗り込む。

転送装置を使い見慣れたロビーに辿りついた光達は……。

 転送装置を使い、無事天界に着いた俺達。


「とりあえず奥へ行くんだ!」


 見慣れたロビーから繋がる長い廊下に向かって走っていく!

 しかしー


【シャアアアアアア!!!!】


 どこからともなく、現れたクロカゲが襲い掛かる!


「ヤケッパチ! 伏せろ!!」


 薫が叫ぶが、そんな急には行動できない!!

 やられる!!

 と、思ったが次の瞬間、クロカゲは攻撃を受けて消し飛ばされていた。


「……え?」


「大丈夫!?」


「エルメさん!!」


 間一髪、なんとかエルメさんが助けてくれたおかげで俺は無事だった。


「姉さん!!」


「シナトス! 話は後で! 私とアウラでクロカゲは引き受けるから、貴女達は美紀がいる奥の部屋に向かいなさい!!」


「分かりました!! ……そうだ! エルメさん!!」


「何!?」


「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」


 爆音が俺の声に重なり、シナトス達は俺の声に気づかない。

 しかしエルメさんにはしっかり聞こえたようだ。


「出来ないことはないけど!? それは意味があることなの!?」


「俺の目があれば、出来るはずなんです!! お願いします!!!」


「分かった! なるべく急ぐわ!」


「ありがとうございます!!!」


 長々と礼を言う暇はない。

 後は、エルメさんを信じて先に進むしかないのだ。



 襲い来るクロカゲを俺と薫とシナトスで倒しながら、長い廊下を駆けていく。

 美紀正路の部屋はこの廊下の一番奥にある。

 なんとかそこまで辿りつかなくては!!


 息を切らせながら、クロカゲを倒しつつ廊下を進んでいく。

 目には彼の部屋のドアが映っているのに、なかなかそこまで辿りつくことが出来ない。

 その内、俺達は廊下の途中にあった少し広い部屋に出た。

 その時ー


【燃エルガ如ク! 炎ガ如ク!!】


 何者かが、屋根をぶっ壊して部屋に乱入して来る!!

 頭の代わりに揺らめく炎、赤い西洋風の鎧、炎に包まれた長い槍。

 俺はソイツを知っていた。


「なッ!? 火炎のオンネンだと!?」


 かつて、俺達が一番最初に倒したオンネンだ。

 ショッピングモールでの激闘は今もしっかりと覚えている。


「ど、どうして!? 確かにあの時倒したはずなのに!」


「時間だ……」


「え?」


 リームが火炎のオンネンを睨みながら、静かにそう言った。


「倒してから時間が経ち過ぎたんだ……。オンネンの復活は恐れていることではあったが、まさか実際に起きてしまうとは……!」


「そんな……!」


 今、コイツの相手をしていたら絶対に間に合わなくなる。

 しかし、無視して進むことも出来なさそうだ。

 どうするべきなのか、悩ましく相手を睨んでいるその時だった。


 両手に鞘と剣を持った薫と、宇水さんがオンネンに向かって飛び出していく!


「なッ!?」


「ヤケッパチ!! ここは俺と宇水に任せて、先に進め!!! 間に合わなくなるぞ!!!」


「……分かった! 頼んだぞ、薫!!!」


「へっ! てめえなんかに言われるまでもねえ!!」


 相変わらずの憎まれ口を叩きながら、思い切り剣をオンネンに打ちつける薫。

 少しの心配はあったものの、残って戦う訳にもいかない。

 二人にここは任せて俺達四人はさらに奥へと向かっていった。



 ー炎の前線ー

【ヌウウウウ!!】


 火炎のオンネンが先に進む光達を追おうと、振り返るが先に進むことは出来なかった。


「よそ見してんじゃねぇ! てめえの相手は俺達だ!!」


 鞘と剣を重ね合わせ、十字に相手に斬りかかる。

 長い槍でオンネンは受け止めるも、力は互角。

 なら、上から飛びかかった薫の方が有利だ。


「おら!!」


【ギッ!?】


 吹き飛ばされ、床を後ずさるオンネン。

 薫は止まることなくそこに追撃を繰り出していく。


「おらおらおら!!」


【ヌウウウウ……!】


 次から次へと繰り出される連撃にオンネンは受け止めるのに精一杯だ。

 なかなか攻撃するタイミングを見出せず、苦戦している。

 ……ように見えたのだが。


【未熟】


「何!?」


 薫の攻撃を受け止めながら、長い槍の反対側を床にぶつける。

 すると床にピシッとヒビが入り、僅かにオンネンの体勢が崩れた。

 すなわち受け止められている薫の体勢も崩れる訳である。


「しまっー」


 対応する隙もなく、槍を振りかざし薫を吹き飛ばすオンネン。

 壁に打ちつけられて立ち上がれない薫に、先ほどのお返しかのように連撃をくらわせようとする。


「危ない!!」


【……】


 ギリギリで宇水が助け出したことで、なんとか助かった薫。

 しかし、宇水の足では次の攻撃までは対応出来ない。

 そしてオンネンは薫が回復しきる前に宇水に追いつき……!


「なッ!」


 長い槍を突き出してくる!!


 が、その槍が宇水と薫を貫くことはなかった。

 何故なら宇水達とオンネンの間に、先ほどのオンネンのように突然現れた人物が立ち塞がっていたのだ。


「まったく……。確かに『未熟』だな。一応お前も私を倒した者の仲間なのだから、もう少し強くあって欲しいものなのだが」


「て、てめえは……!」


 独特の羽織に身を包む、青年。

 日本刀を手に持ちオンネンの長い槍を受け止めているその青年の名は……


「沖田総司!!! てめえ何でここに!?」


 かつて光達を激闘を繰り広げた、4体目のオンネン。

 剣士のオンネンにして、新撰組一番隊長沖田総司だった。


「元より私は既に死した存在。浮世よりこちらの世界に居るほうがおかしくないと思うのだがな」


「た、確かにそうだけどよ……。なんで俺達を助けたんだ?」


「別に深い意味はないさ。先刻の戦いは主の命だったからお前たちと戦ったが、今の私には主はいない。なら、誰の味方をするかぐらい自分で決めても良いだろう?」


「なに……?」


「さて、戦はもう飽きるほどしてきたが……『未来を目指す者』として戦うのは今日が初めてだ! 初陣故に多少足を引っ張るかもしれんが、それは許せよ!」


 そう言いながら、沖田はなんとも楽しそうにオンネンに向かっていく。

 新撰組一番隊長沖田総司の、新しい初めての戦いが幕を上げた。



 ー扉の前ー

「はあ……はあ……やっと着いた」


 長いこと走り続け、なんとか扉の前まで辿りついた。


「ご主人。気を付けてください……この扉の奥からピリピリとした気配を感じます」


「ああ……分かってる」


 村正ちゃんの緊張した声に答えながら、ゆっくりと扉を開ける。


 その先には一人の剣士が待ち構えていた。


「まさか本当にここまで来るとはな」


「ル、ルーク……」


「剣を取れ、城内 光! これが最後の勝負だ!!」


 〈続く〉


次回 83話「己を懸けた決闘」

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