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魂のレッドライン  作者: ギン次郎
1章 夢を見た天使
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45話 村正ちゃんは小悪魔ちゃん!?

謝罪

思いのほか進まなかったので昨日の予定と変更しております。

「ご主人! 起きてください!」


「……へ?」


「昨日、いろいろあったからって寝坊はダメですよ!」


 ……。

 最近はいろいろ変なことがあって、大抵のことでは驚かないつもりだったのだが。

 どうもそう簡単にはいかないようだ。

 朝起きて目の前にいきなり知らない子がいたら誰だって驚くだろう。


「いやさ……」


「?」


「誰だよ!!」


 思わず、キレッキレのツッコミをかます。

 最近周りに変な奴がたくさん集まってきたせいで、ツッコミ体質が身に付き始めている。


「『誰だよ』って……。なんとなく察しはついてるんじゃないですか?」


「……。え、もしかして、もしかしてだよ?」


 昨日の夜、もしかしたらあるかもしれないと思いはしましたけど……!


「村正だとか言わないよね?」


「! ご名答!!」


 ……。(2回目)

 いや、なんか生きる剣とか言ってたから

『小説とかなら擬人化とかするよなぁ』

 とは思いましたけど。

 マジでします?


「とりあえず! とりあえずだよ!!」


「ん?」


「どいてくれないかな!? 今の時間帯はちょっとまずいから!!」


 健全な男子高校生は朝起きたばかりの時間はまずいのである。

 具体的な説明はしないが!

 この時間帯は絶対的プライベートタイムでないとならないのだ!!


「ええ~? 何がまずいんですかね~、もう少し具体的に言ってくれないと分かりにくいですね~」


「ちょ!? おま!!」


 しかし、村正ちゃん(仮名)はどくどころか小悪魔的な笑顔で問い掛ける!


「お前、分かってるだろ!? 後さ、この時間帯にこの体制もまずいからね!!」


「あは~! そうですね~、これだと『ゆうべはお楽しみでしたね』に見えなくもないですね~!」


「だから! 分かってるなら!! やめなさい!!!」


 なんて、大声を出したのがまずかった……。


「うるせぇ!!!」


 薫が思い切り障子を開ける!

 そして、中の様子を見て一瞬で表情が濁る。


「お前……」


「違う! 事後じゃない!!」


「え!? じゃあ、これから!?」


「ちーがーうー!!!!」




 と、いうことで朝ご飯。

 みんなで居間に集まった訳だが、既に俺はもう疲れ切っていた。


「というわけで皆さん! 私、木刀村正です! 気軽に村正ちゃんと呼んでくださいね」


「宇水さん……聞いてないですよぉ……」


 思わず口調が茉子みたいになる……。


「す、すみません……。私も知らなかったので……」


「それで、村正ちゃん……だっけ? 貴方はどうして急に人型になったりしたの?」


 シナトスが不思議そうに聞く。


「それはですね。私達みたいな剣は擬人化するのにご主人が必要なんです」


「ご主人?」


「はい。私の場合は、光さんですね。で、ご主人の命の10%ほどを分けてもらって人型になるわけです!」


「え!?」


 10%を分けてもらって!?


「ご心配なく、健康に害はありませんので」


 あ、そうなのね。


「しかし、私達ってことは……。アウラ、もしかして他にもこういう剣ってあるのか?」


「そうですね。若のおっしゃる通り何本かこの世にはあるようです」


「ふーん」


 薫も欲しいのかな?

 個人的に女の子の剣は心臓に悪いんですが……。


「でも、長いこと押し入れにしまっていた割になんだか現代慣れしてますね……」


 宇水さんがおずおずと聞く。

 長いことしまっていたことに、ちょっと思うことがあるのだろうか。


「それはですね。命を分けてもらった時に、ご主人の記憶も一緒に覗かせてもらったわけです!」


「は!?」


「おかげで、ご主人のあーんなことや、こーんなことも知ってしまいましたよ~!」


「ヒカル……?」


 シナトスがえげつない笑顔をかましてくる……!

 怖い! 死神の気迫ある笑顔は怖い!!


「な!? ご、誤解だ! 誤解だよ!!」


「あは~!」


 楽しそうに笑う村正ちゃん……。

 俺の信用度が……。




「もう! 本当にやめてね!! ああいうの!!」


「え~、どうしましょうかね~」


 コイツ……。


「見た目からも誤解を生みやすいんだから! 本当に!!」


「あは~! 見た目に関しては、ご主人の影響ですよ~?」


「ええ!?」


「だって~ご主人の深層意識、つまり『擬人化するならこういうのがいいなぁ~』っていうのの影響で私はこういう見た目になったんですもの~!」


 やめれ!

 それが事実なら恥ずかしすぎる!!

 もう二度と人前に出れなくなる!!!


「ご主人~、ちょっと年下の女の子なんて……もしかしてロリコンなんですか~?」


「マジでやめてー!!!」


「あ、それとご主人?」


「はい!?」


「まだ気になさってるんですか?」


 ……!

 ……そうだよな、記憶を覗いてるなら知っててもおかしくはない。


「まあ、そうだな……」


「でも、あれはご主人は悪くはないと思いますよ……?」


「確かに、法のもとではそうかもしれないけどね……」


「……」


「あの……光さん」


 と、宇水さんが。


「何?」


「良ければ、帰る前に村を見て回りませんか? 案内ぐらいならできますが……」


「いいね。せっかくだし見て回ろうかな、村正ちゃんはどうする?」


「それはもちろん。剣たるもの常にご主人と共にありですから」


 あれは罪ではない。

 そう人は言うだろう。

 でも、俺は自分を許しはしない。

 なぜならー


 彼は俺が殺してしまったのだから。


次回 46話「誓いの石碑」

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