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魂のレッドライン  作者: ギン次郎
1章 夢を見た天使
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40話 Super Fantastic Girl ー3rdー

「おいらは化け猫ドドンパ! あの方の聖域を汚すお前たちには出て行ってもらう!!」


 突然現れた化け猫はそう叫ぶ。

 いや、出て行ってもらうってここアリサさん達の家なんだが……。


「ま、軽く揉んでやるか……。アリサさんは何かあるといけないから下がってて」


「え? 大丈夫なのですか?」


 ……。

 まあ、チンピラに苦戦してたんだ。

 心配されても無理はない。


「大丈夫ですよ……。おい、化け猫。相手になってやるよ」


 と、いつものように剣を手に斬りかかるが――

 スカッ

 とすり抜けてしまった!?


「何!?」


「なははは! 馬鹿め、霊体のおいらにはお前は触れないのだ!!」


 まずい!!

 しかし、崩れた体制はそうすぐには立て直せず。

 そこに鋭い爪が迫ってくる!!が――

 スカッ

 何故かこっちもすり抜ける……。


「は?」


「! そうだった!! 霊体だから触られないけど、触れないんだったー!!!」


「お前の方が馬鹿じゃねぇか!!」


 つまりお互いになんにも出来ないのだ。

 なんだこの泥沼試合……。


「やるな、お前……」


「なんもしてないよ……」


「しかあし! おいらには奥の手がある!!」


「なッ!」


 まさか妖術とかか!?

 だとしたらまずー


「えい! えい! くらえ、キュウリアタック!!」


 ……。

 なんか必死にキュウリを投げつけてくるが……、まさかこれが奥の手か?


「どうだ! 人は触れなくても物なら触れる!!」


「いや、キュウリ投げられたって特に何ともないって言うか……」


「どさくさに紛れてナイフアタック!!」


「危なっ!!」


 結構スレスレだった……。

 もう少しで鼻の穴が3つになるところだった!!


「何で避けるんだよ!?」


「普通避けるだろ!!」


 今までのどの相手よりも弱いはずなのに!

 今までのどの相手よりも面倒くさい!!


「うぬぬ……。こうなったら!!!!」


 すると化け猫はアリサさんに向かって走っていく!


「お前何する気だ!?」


「こうなったらこの娘の体を使ってお前をやっつけてやる!!」


「何!? アリサさん逃げてー!!!」


「もう遅ーい!!」


 そのまま化け猫はアリサさんに飛び掛かる!!

 が、しかし。


「はああああああ……」


「にゃ?」


「はっ!!!」


「うぼげ!!」


 深い正拳突きを化け猫のお腹に一発。

 化け猫は簡単に吹き飛んで壁に打ちつけられる。


「……え?」


「ふふん! ゴーストが私に勝とうなんて100年早いのですよ!!」


「う……にゃあ……」


「ボスー!!!!」


 そうか……まあ神社の人間の血を引いていればありえない事でもないのか……。




「そうなんじゃよ。アリサは我が家系でも特に優れた妖術使いでの。イギリスでもよく妖怪退治をしていたんじゃ」


「リアルゴーストバスターなのですよ」


 ……。

 なんかもう大して驚かなくなってきてるな……。

 死神に毒され過ぎたせいだろうが。


「ぐぬう……。侮った……まさか妖術使いだったとは……」


「で? どうして私達にあんな微妙な嫌がらせをしたのですか?」


「どうしてもこうしてもない! ここはご主人さまの大切な場所だからだ! おいら達がここを守るのにゃ!!」


「なんで神主さんまで巻き込んだんだよ。神主さんはお前のご主人の夫だぞ?」


「え!? そうだったの!?」


「なんでさ!? なんで知らないんだよ!!」


「ずっと知らん奴だと思ってたにゃ」


 だから懐かなかったんだろうな……。

 しかし同じ家に住んでいるのに、家族として認識されていないとは……。


「ドドンパ。お婆様の大事な神社を守ってくれるのは嬉しいですよ? でも、来る人をみんな追い返すのはやめて欲しいのですよ……」


「うにゃ……。分かった、お前はご主人様に似てるし孫だって言うから言うこと聞いてやるにゃ」


「じゃあ、もうむやみに追い返したりしないか?」


「にゃ」


 良し。

 これでなんとか一件落着だろう。

 悪霊じゃなくてよかった。


「で? ドドンパ儂のこと少しは思い出しかの?」


「全然」


「なんでじゃ!?」


 ……あっちの問題は解決してないが。


「ヒカル」


「ん?」


「迷惑をかけて申し訳なかったのですよ……」


「あーうん。気にしないで、いつもこんな感じだから」


「そうなのですか!? それは楽しそうで羨ましいのですよ」


「そ、そうかな……」


 まあ、楽しいことはたくさんあるが……。

 大変なこともいっぱいあるんだよな……。


「あ! ごめん、俺そろそろ行かなきゃ!」


「そうなのですね。またいつでも来て欲しいのですよ!」


「もちろん、それじゃ!!」


 しまった、化け猫騒ぎで忘れていたが宅配便頼んだんだった!!

 このままでは不在届けになってしまう!!!



 全速力で走りだす光。

 その背中を見つめながら、アリサは――


「ヒカル……。とってもキュートで面白い人なのですよ!」


 そっと独り言を。



「だから! ネコ缶あげたじゃろう!?」


「知らないものは知らないにゃ!!!」




―数日後―

「ねえ? 光君、聞いた?」


「ん?」


 通学路、茉子が笑顔で聞いてくる。


「今日ね、転校生が来るんだって!」


「また? 転校生が多い学校ね……」


「いや、それシナトスが言えるセリフじゃないだろ」


 なぜだろうか。

 誰が来るか分かるんだが……。



「転校生を紹介します! どうぞー」


「えっと、イギリスから来た八雲(ヤグモ) アリサなのですよ! よろしくお願いします、なのです!!」


 ほらね。

 ……どんどんうちの学校は賑やかになっていきます。


次回 41話「伊農村と触覚の特異器官」

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