ギルド
森の中に入った俺は早速魔物と遭遇した。ゴブリンだ。1000年前と何も変わっているようには見えない。
「どのくらいの強さか分からないし、とりあえず普通に殴るか。」
俺はゴブリンの方に走り出す。ゴブリンも俺の方に走り出そうとするが遅い。俺はゴブリンを殴った。顔面に当たってゴブリンは数十メートル先へ木を折りながら吹っ飛んだ。
「やっぱり、変わってないな。今度は手加減して……いや、手加減し過ぎて苦しませるのも癪だし、やっぱり普通に行こう。」
俺は倒したゴブリンに近づくと、ゴブリンは粒子になって消え、魔石が出てきた。魔石は換金出来る。魔物を倒し、魔石を集めるために俺は出くわす魔物全てを倒して行った。
ほんの数分でゴブリン、ツノの生えた猫ホーンキャット、腕が発達した猿ゴリサル、赤毛の熊レッドベアー、オーク、などいろいろ倒した。
「まぁ、これくらいなら飯が食えるだろう。」
魔石は空間魔法で異空間に収納している。近くに王都があるが俺の親がいるので却下だ。
俺はどこか遠い町に行くことにした。浮遊魔法を使い町を目指した。時速150kmは出てる速度で飛んでいく。王都からはだいぶ離れたのでここら辺で町を探すことにした。しばらくすると町が見えた。
「お!あの町にするか。」
そのまま町の中心に向かって下降していく。当然俺が飛んできていることは知られているだろう。まぁ、自重する気は無いからな。1000年前は自重したが、ボロが出てバレた。どうせバレるなら初めから自重はしなくていいと思ったのでしないことにした。
町に降りると人だかりが出来た。俺の周りに……
「ぼ、坊主……飛んできたのか?」
体格の良いおじさんが聞いてきた。
「そうですけど。」
俺は平然と返す。おじさんや、周りの人達は皆驚いた表情をしている。
「そ、そうか。その歳で浮遊魔法が扱えるなんてすごいな……。」
「どうも。それよりおじさん。この辺に冒険者ギルドはありますか?」
「あ、あぁ。あるぞ。この先をまっすぐ行くと見えてくるでかい建物が冒険者ギルドだ。」
「そうですか。ありがとうおじさん。」
周りの人は動揺しているがそんなのはスルーしてルークは冒険者ギルドを目指した。
「これはでかいな。1000年前の倍はあるな。」
やっぱり、1000年前とは違かった。ギルドの大きさもそうだが、さっきの人達だ。1000年前の世界では浮遊魔法を使える人はそうそういなかった。にも関わらず「その歳で浮遊魔法を使えるのはすごい。」と言ってきたってことはそれほど1000年後の世界は魔法が発達していることがわかる。ちょっと楽しみになってきた。
俺はギルドの中に入る。うん、中も広いな。しかも1000年前ではギルドの酒場と受付が1階にあったが、受付は1階、酒場は2階と分けられていた。まぁ、その方が悪酔いした奴が来なくて楽だからありがたいな。
俺は早速受付の所まで行く。受付にはエルフ、獣人、人間の美人なお姉さん達がいた。他にも依頼書を見ている冒険者大勢いる。
1000年前では受付嬢は人間のお姉さんだけだったが、共存するようになったおかげでどの町にも色々な種族がいる。平和になってよかったなと思う。
俺は早速換金するためにエルフの受付嬢の前に行く。
「あの、魔石を換金したいのですが出来ますか?」
「はい。できますよー。この台の上に魔石を乗せてくださいねー。」
受付嬢は子供の俺に驚いた様子もなかった。それはそうか。さすが1000年後の世界は違うな。とルークは納得していたが、受付嬢はというと……「え!?なんで子供がいるの!?魔石を換金!?と、とりあえず平常心よ。落ち着けー私。」と平静を装っていた。
ルークは空間魔法からドサーと台の上に大小様々な魔石を出す。数にして50個以上はある。流石にこれには受付嬢は驚いていたが、ルークは気づいてなかった。
「これで全部です。いくら位になりますか?」
受付嬢が出した台のに魔石を乗せるとどの魔物を倒したかわかる者らしい。便利だ。
この世界にはお金のことをペリカと呼ぶ。
銅貨1枚 1ペリカ
大銅貨1枚 100ペリカ
銀貨1枚 1000ペリカ
大銀貨1枚 1万ペリカ
金貨1枚 100万ペリカ
大金貨1枚 1000万ペリカ
白金貨1枚 1億ペリカ
大白金貨1枚 1兆ペリカ となっている。
俺はゴブリン1体で100ペリカが26体、ホーンキャット1体で150ペリカが14体、ゴリサル1体で260ペリカが11体、レッドベアー1体で500ペリカが8体、オーク1体680ペリカが8対、計67体の魔物を倒していた。金額は1万7000ペリカになった。思ったより稼げたな。
「は、はい。大銀貨1枚に銀貨7枚ですね。そ、それにしても君が倒したの?」
「そうですよ。思ったより稼げたのでまた狩ってきます。ありがとうございました。」
受付嬢も、周りにいた冒険者も皆驚いていたが、スルーしてルークは飯屋に向かい腹ごしらえをしに行った。