冒頭
初めて小説を書きます。
不慣れなので至らぬ点も多いとは思いますが、よろしければ見ていって下さい。
それは、大口を開けた2頭の虎が人の頭を食い千切ろうと襲い掛かるようだった。
「がぁっ」「ぎゃっ」など聞こえたように思えたが、頭部を掴まれている二人の男達からは動く気配をまったく感じない。
手足や体の力が抜けて、糸の切れた人形の様。
一瞬の出来事。
獣の狩り。
まさにそれだ。
その場にいる全員がそう思った。
そして敵意を向けられている全員が思った。
次の獲物は、ああなるのは自分達なのだと。
「な、なんだんだよ・・・あの女ぁ」
獲物達の誰かが、泣きそうな声で漏らした。
女。そう女のだ。
今まさに、一瞬にして男達の頭部を左右の手でそれぞれ掴み、へし折り、物言わぬ人形にしたのは巨体の女。
そして、じっと獲物達を見ているのは巨体の女なのだ。
身長は190㎝以上はあるであろう大きな体。
その腕は鍛え抜かれた歴戦の戦士の様に筋肉で膨れ上がり、その足は巨木すらへし折るのではないかと思う鍛え抜かれた太さがあり、どんな獣でも追い込むしなやかさ筋肉が付いている。
胸板は厚く、10本の矢が刺さっても射殺す事はまず無理であろうと感じてしまう。
首の太さもまさに戦士のそれだ。
しかし、腰まで伸びた栗色の髪は艶やかで決して男の髪ではない。
夕日に照らされ、風が吹けばサラサラと流れる美しく輝いた髪。
そこだけを見れば誰もが振り返りそうな魅力的な女性を思わせる。
異様だった。
ドサッと、無造作に2体の体が落とされた。
その音に、剣や銃などの武器を構えた十数人の男達はびくっと体が反応してしまう。
「まったく…多対一の経験不足とはいえ、この程度の相手に遅れを取るなんてねぇ」
その巨体に似つかわしい少し太い女性の声が聞こえる。
巨体の女は自分に向かって武器を構えている男達を気にもせず、後ろで膝をついて弱っている同じ栗色の髪を持つ少年を見る。
地面を転げまわったかのように顔や服に土が付き、擦り傷や打撃、軽傷ではあるが刃物による切り傷も見られる。
少年――――僕は悔し涙を堪えながらジッと、その少し怒っている雰囲気の視線を見つめ返した。
その時間は2~3秒程、視線の主はあきれたようにタメ息を吐き出した。
「まぁこれで自分の力量が分かったろ?あとは任せな」
そう言うと、僕のママは武器を構えた男達の方へ向き直った。
その背中は見た目以上に大きく感じ、そして遠い。
――遠い
――――遠すぎるよ
また僕は、ママに助けられてしまう。
なるべく更新…続きもちょくちょく書いて行きたいとは思いますが、かなりゆっくりペースになりそうな気がします。
ですが、がんばって書きたいと思いますっ!!!
見て下さった方々、今後ともよろしくお願い致します。