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賢者の痕跡「ファイアボルト」

賢者の痕跡をたどる旅の始まりです。

ーー討伐歴760年ーー


世界はすっかり平和になり観光するのが貴族や冒険者の楽しみとなっていた。魔物はまだ残っているが森の奥や山などの魔物の領域に入らなければ基本的には安全だ、魔物の間では軍隊を組織して魔王復活に乗り出した勢力が何度かできたがいざ復活の儀式をすると儀式に失敗して軍ごと自爆して勢力が消滅するなんてことを繰り返していて魔物の勢いが高まると自滅するってのを繰り返しているらしい。


安全となった世界で観光ついでに現地で仕事をする。[観光冒険者]と呼ばれるものが増えてきた。街道を歩く一人の若者がいる。


彼もその一人だ名はクリス・バーンノルド

干し草のような黄色い髪は肩ぐらいまでの長さがありそれを後ろで結っている。少し日に焼けた健康的な肌に凛々しい顔立ち常に笑顔が絶えないゆるい口元。瞳は赤く吸い込まれそうな力強い眼差しをしている。黒い外郎の下にはプレートメイルを着込み腕や脚には革でできた軽装鎧を身につけている。腰には使い込まれた剣を携え並の剣士以上の腕前を感じさせる。


「おー見えてきたぞ!」

近くの山から煙が立ち上る街が見えてきた。この町は”ファイアボルトエント”賢者の痕跡がある町だ。700年以上前に町の近くで賢者が強烈なファイアボルトを放った伝説がある。その威力は凄まじく今でもファイアボルトが維持されているらしい。


街につくと街道沿いには宿屋、道具屋、鍛冶屋、お土産店などで埋め尽くされた一大観光地であることがわかる。


「はえーここがファイアボルトエントか~さすが観光地だー店が多いな~」

冒険者風の身なりをしているからか客引きの声がかかる。

「よう!お兄さん観光かい?エント名物ファイアボルト温泉饅頭はどうだい?」

「観光ならここ!賢者様がはじめて依頼をこなした道具屋の特性ツユクサポーションだ!」

「宿ならここ!源泉直送ファイアボルト湯があるのはうちのだけ!」

「何を!宿なら賢者様が泊まったうちのほうがおすすめだ!」

商魂たくましい町の人達目移りする名物やはり旅は楽しい。

「まずはファイアボルトを見にいてきます!」

そう断ると商人たちを背にクリスは整備された川沿いの道を歩き始めた。

少し進むと観光案内看板が見えるた。


[かけ下りの道]

賢者様が猛ダッシュで降りてきたとされる道です。道中の岩には踏み込んだ時にできた足跡があります。


「はははっ岩に足跡だってきっとただの凹みだろ」

穏やかな川ときれいなつやつやした森の景色を楽しみながら川沿いの道を登る。また他案内看板だ。


[足跡岩はこの下]


下にある岩を見るとたしかに岩にくっきりと足跡がついている。加工したのではないかと思うほどくっきりしている。なんか作ったっぽいなコレ……本当にファイアボルトがあるのかと心配になってきたぞ……行ってみればわかることだ進もう!丘を上り切ると道は森に囲まれている。すぐ先に湯けむりと森が開けてるのが見え自然と早足になる。


森を抜けるとそこには山肌に刺さったファイアボルトが今でもメラメラと炎をあげていた!

「おお!マジでファイアボルトが刺さってる!すげー!」

よく見ると川から引かれた水がファイアボルトの下を通りグツグツと煮えている。そこから木の枠でできた水路にお湯が流されているこの水路は町まで続いているようだ。近くの売店では源泉で茹でた卵とファイアボルトで焼いた川魚が売っている。実に美味そうだ!


「ゆで卵と焼き魚ください!」

「はいよ!ゆで卵と焼き魚のセット1つだね!」

お金を払い美味そうな卵と焼き魚を受け取る。卵は殻が赤黒く変色していて特別なものだとひと目でわかる。焼き魚は、串に刺さっていて皮がパリパリに焼けているが見た目は普通だ。近くにある長椅子に座りさっそくいただこう。


まずは卵!殻を剥くと中の白身はうっすら赤くなっている。殻は冷たかったのに中は温かい思いっきり齧り付くと途端に濃厚な黄身がドロッと口の中に広がる!

「うまーい!」今までで食べたどのゆで卵より美味く思わずはしゃぐ!


次は焼き魚だ楽しみでしょうがない。


串に刺して焼かれた魚で見た目はごく普通にどこにでも居る川魚だ。味付けは塩のみだろうか?これも何か秘密があるに違いない!思い切って齧り付く!すると信じられないことに簡単に骨まで噛み切れるほど柔らかくなっている!そして広がる濃厚な白身魚の旨味!骨が崩れる食感ふわふわに仕上がった白身!絶品だ!煮魚でもここまでの味は出ない!言葉を忘れ夢中で卵と魚を食べ切った。


至福の時を過ごしながら今日の宿について考える。宿は幾つかあるようだがやはり賢者が泊まった宿か源泉を引いてる温泉がある宿のどちらかだろうとりあえず「かけ下りの道」をおりながら考えるとする。


長くなってしまったので分けました。

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