プレイ0 始まり
ゲーム市場がトップになった現代。今ではどの街にもゲームセンターがあり、多くの
大会が開かれている。
しかも、大会には賞金や商品がかけられているので、そのゲーム大会で稼ぐことも
できるので、今ではゲーマーは人気の職業になっていた。
そんなゲームを愛する者達が学生にも多く、今では部活もあるほどで
全国大会もある。
大会は様々なジャンルがあり、どれでもエントリーできる。
団体戦や個人戦もあるので、参加者人数は毎年増えていた。
ここはゲーム、アニメの聖地である、東京の秋葉原。その駅から少し
離れたところにある学園、東京秋葉原学園。当然、ここにも
ゲーム部があり、かつては聖地にある為、ゲームの実力者達が
集まっていたが、年々他校も力をあげて来たので、実力者達は
色んな場所に散って行き、今ではこの学園のゲーム部は衰退していた。
秋葉原学園ゲーム部の部室。そこには全ての機材がそろっていて
多くの大会優勝トロフィーも飾られていた。
でも、この数年大会優勝どころか、出場すらもできないでいた。
「全国優勝か。私はまだ予選すら出ていない。個人戦では
出てるけど、やっぱり団体戦で出てみたい」
そう呟いているのはこのゲーム部の部長である三年の女子生徒
天宮めぐみだ。長い黒髪で美人で、成績優秀な彼女は
ゲームも大好きで、かつては最強と言われたこの学園に
入ったが、彼女が入る前からこの部は衰退していて、まだ一度も
大会に出た事がなかったのだ。
しかも今では部員の数は彼女を入れて三人しかおらず
廃部にまでなろうとしていた。
「来てたのめぐ」
部室にやって来たのは天宮の友達で、同じクラスの三年
椎名ゆいだ。
今は制服だが、普段はゴスロリ衣装を着ていて、髪も
それぽっくしていた。
「ええ。私は部長だから」
「たった三人のだけどね」
「それでも、部活だから。それに、まだ今年の新入生が入ってくれる
可能性もあるわ」
「だといいのだけれどね」
「きっと来るはよ。今の時代、ゲームが嫌いな人はいないもの」
「そうね。信じましょう」
そして、その思いは叶った。部室のドアが叩かれ誰かが
入って来たのだ。
「あの、ゲーム部ってここでいいですよね?」
そうしてやって来たのが朝霧楓という一年の男の子だった。
これがこの秋葉原学園ゲーム部の新たな始まりだった。