"能力"
あっちでは明らかに人一人では持てそうにない物を軽々と片手で持ち上げてみたり。
こっちでは折鶴がまるで生きているかのように動くようにしてみたり。
「ここはほんとに色んな能力の人がいるんだね……!」
「でしょでしょっ? 人とは違う能力を持った人たちが集まる学校だからねー」
「あ! 翼くんの能力は?」
「僕?」
そう言うと翼くんは紙飛行機を折り、手のひらに乗せる。
「えっ……飛んだ……!?」
すると、紙飛行機を自在に飛び回らせて見せた。
さっき見た折鶴を生きているようにする能力に似たようなものなのかな……?
「手のひらに乗せてただけなのに……なんで……?」
「えへへ、僕の能力は風を操ることなんだ!」
やっぱ違うか……わかってたけど!
「さっき小豆ちゃんが関わった人だと……かわぜんは植物魔法、一夜くんは自分や人の影を操る能力。でいごは水中で人魚になる能力だよー。他は本人たちに聞いてみて!」
「へー!すごい……」
かわぜん……あっ、善くんか……。
「小豆ちゃんの能力はー?」
「あたしっ!?」
――……私の能力。
「能力……」
「そうそう!」
この流れからだから当然だとは思ったが、それでも対応できずに慌ててしまう。
「私の……能力……」
「わーごめん!!無理して言わなくて大丈夫だからっ……ね!?そろそろ戻ろっか!」
――ごめんね……今は言えない……
――怖いの……みんなに怖がられるのが怖いの……
――――お化けや幽霊と会話できる能力なんて!
ダッシュ記号の使い方はこれで合っているのだろうか……?