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第29話 特技分配その2

忙しくて設定に手が回らないっ!


「それで他はどうする?」

 

 特に希望がないらしく手を上げる人はいなかった。特技は取り合いにになると思っていたが違うのだろうか?それともただ単にほしい特技がなかったとかか?

 アリアはこの場にいないので意見がわからない。疲れたので先に家で寝ていると言っていた。後で頬を突きに行くとして、今は特技の分配を決めないとな。

  

「じゃあ俺、“魔法破壊”貰ってもいいか?」

 

「別にいいわよ」

 

 祐也に“魔法破壊”が譲渡された。使い方は特技を得ると同時に感覚的にわかるようになっている。“魔法破壊”のあまりの強さに驚いた。

 その名の通り魔法を破壊するという特技だが、魔法攻撃にこの特技を当てるだけで魔法を破壊できるらしい。ただ短所としては破壊する魔法によってSPの消費量が変わるということだろうか。上級で今ある上限でギリギリ足りるかどうかというところだ。奥の手としては有効だが、常に使うことはできなさそうだ。残念。

 

「“詠唱打消”は咲夜が持っていてくれ。多分俺たちの中で一番近接戦闘をすることになるのは咲夜になると思うからな」

 

「うむ。それでだが………」

 

 咲夜は言いづらそうに口ごもる。なんとなくだが言いたいことはわかった気がした。内容だけにあまり口にしたくないのも理解できた。

 

「そうだな。“不幸”をどうするかだな………」

 

「すまない」

 

 謝ることではない。確かにこれは重大な問題だ。前衛で戦うのに不幸体質とか死ぬ可能性がぐっと上がる。それにミスも増えてしまうだろうから仕事を任せれなくなる。それでは困るのだ。

 

「とりあえず詳しい事を教えてほしい」

 

 ステータスウィンドウを見れるが、特技の詳しい効果や使い方と、次元倉庫の中身は見れないのだ。

 

「『ありとあらゆる負に関わる確率を上げる。ありとあらゆる正の確率を下げる』という効果らしい」

 

「なんだそれ?」

 

「調合の失敗とか、強い敵が出てきたりとか、あとは失敗することが増えるとかそんなのじゃないかしら?」

 

 なるほど、よくわからん。とりあえず疫病神に取り憑かれたという認識にしておこう。ただ強い敵に関してはかなり今更な気がしなくもないが………もしかして俺にも“不幸”が!?慌てて特技を確認するがなかった。ふーよかった………って全くよくない!特技関係なしに不幸とかリアル疫病神ではないか。少しへこむ。

 

「それでどうすればいいだろうか?」

 

「適当なやつに擦り付けたらよくないか?」

 

 その特技は間違いなく俺たちの身を滅ぼす。ただでさえ強い敵としか戦ってないのにさらに強くなるとか無理だ。普通に死ぬ。俺たち全員がこの特技を持ってはいけないのだ。

 

「それでもいいが、誰に渡すのだ。宛はあるのか?」

 

「最初のチンピラか、アレックスか、ギルマスか、後で絡んできたチンピラ達の中で誰がいい?」

 

 さすがに見ず知らずの人にこんな特技を押し付けるのは良心が痛むのでできないが、こいつらなら全く問題ない。むしろスカッとする。

 

「あのジジイはやめてもらってもいいかしら?」

 

「ん、なんでだ?」

 

 サーシアがギルマスを庇うとは意外だ。一発殴る予定のくせに。

 

「ギルドの仕事に問題が出るかもしれないからよ」

 

「あ、ああ~」

 

 それは確かにそうだな。なにも考えてなかった。いくら私怨といえど受付嬢さんを巻き込むのは気が引ける。受付嬢さんたちのためにもギルマスはやめておいた方がいいだろう。

 

「もう面倒だし残りのやつで最初に会ったやつでよくないか?」

 

「そうね」

 

 考えるのが面接という理由だけで“不幸”を押し付けられそうになるとは、特技がなくても不幸である。最初に会ったやつにキングオブ不幸の称号を渡さないとな。

 

「あと俺“逃亡”がほしい」

 

「別に構わないが……何に使うのだ?」

 

 逃げるために決まっているだろう。何度も言うが俺の能力は戦闘向きではないのだ。逃げることも視野に入れておかないといけないのだ。

 馬鹿正直にそうは言わないけどな。祐也は適当にはぐらかす。

 

「え、えっと、まあ上手く戦闘以外の何かに使えないかな~って」

 

「ふーん」

 

 あ、これでは泥棒でもする人みたいだ。通りでサーシアがじと目になっているわけだ。

 

 なんとか必死に言い訳して“逃亡”特技をゲットした。始終サーシアの目線が痛かったのは言うまでもない。

 “逃亡”の能力はというと、これがまた意外なことに凄い特技だった。常時発動(パッシブ)なのだが、逃亡時気配を50%カットというものだった。これなら確かに逃げやすそうだ。SPも使用しないため使えなくなるということはない。素晴らしい特技であった。

 

「ひとまず、特技の分配は終わったわね」

 

 今回の戦闘で戦力が大幅に強化された。倒した敵の強さを考えたら当然の結果だが。

 話が終わったので家の中に入ろうとしている時あることを思い出した。

 

「サーシアは称号って知ってるか?」

 

 秘術の“死霊術”に称号があれば、なんとかかんとかって書いてたから気になったのだ。ステータスには称号欄なんてものはなかった。さっきまでステータスの話をしていたので、ついでで知ってそうなサーシアに聞いてみた。

 

「知ってるけどそれがどうしたの?」

 

「どうやって見るのかな~と思って」

 

 秘術のことを知っているサーシアは少し考える素振りをしたあと、一人で何かに納得した。いや、何に納得したの!?教えてほしいんですけど。

 

「管理魔法を使いながら管理魔法を使いなさい。それで見れるはずよ」

 

 やり方はしっかり教えてくれた。何に納得したのか謎だが、それは一度置いておくことにする。ただやり方を教えるかどうかで考えていただけかもしれないし。

 

 えっと、管理魔法を使いながら管理魔法ということは、ステータスを見ながら管理魔法を使うということか?よく分からないが、やってみるか。

 

 ………さらに来い!ステータスウィンドウ!

 

 するといつも通りのステータスウィンドウが裏返り変化する。どうやら成功したようだ。そこには今までに見たことがないようなステータス欄が書かれている。その中には称号もしっかりとあった。

 

「その顔を見るに成功したようね」

 

「そこまで難しくなかったからな」

 

 成功とか失敗とかあるのだろうか?首を傾げていると、サーシアは「はぁ……」と溜息をついた。

 

「これをすぐにできるってことは魔術師の才能があるってことよ」

 

「それって凄いのか?」

 

「人種の場合、宮廷で働けるはずよ」

 

 き、宮廷!?つまり王族とかがいるお城で働けるってことか。それは面倒くさそうでいやだ。

 でも魔術師の才能か……。今は剣を持って戦っているので魔法剣士ということになるのかな?何それかっこいい。

 

「何でこの程度で才能があるかどうかがわかるんだ?」

 

 一切苦労しなかったためこれの難易度が理解できなかった。管理魔法を使いながら管理魔法を使うという発想は斬新で面白いと思うがそこまで難しいことではないはずだ。

 

「それは管理魔法を意識して使うのが難しいからよ」

 

「………ん?」

 

 管理魔法って意識して使うものじゃないのか?無意識のうちに使えるってそれどういう原理だよ!あの能力の詳細の時とかは確かに無意識だけど、それ以外は意識してしか使えないだろ。

 サーシアの言ったことが頭の中でぐるぐると回っていた。わからないことを考えても仕方ないので途中で思考放棄したが。

 あ、やり方を教えてくれた時に何か納得したように頷いていたが、これの事だったのか。一つ謎が解けてスッキリした。

 

「でも本当にそれだけで才能があると言えるのか?」

 

「管理魔法は本能的に使えるからそれを意識して使うのは難しいのよ。そして並行して魔法を発動することにもなるしね」

 

 確かに、そう聞くと魔法初心者には難しそうだ。魔法の同時発動はどのアニメや漫画でも高等技術として有名だ。無意識とはいえそれをやってのけたのだ。祐也には魔法の才があると言えるだろう。本人は魔法使いよりも魔法剣士の方に興味津々だが。

 

「どう、わかった?」

 

「ありがとう」

 

 サーシア先生の魔法授業は分かりやすいので聞いていて楽しい。かなりスパルタだったりするのだが。

 

「今度こそ新しい家に入るわよ!」

 

「おう!」

 

 祐也たちは先程出来たばかりの新しい家に入っていった。

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