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第18話 5つ星の依頼

エイプリルフールネタを、前日の後書きとかで書きたかったのですがバイトで一日潰れたので書けなかった……orz

何が悲しくて休日をバイトで潰さないといけないんですかね!

それはそうと梱枝りこ様のおっぱい星人ネタは最高でしたね(笑)


 五人は冒険者ギルドに行った。

 

「すいません。登録したいんですけど」

 

「では、登録手数料としてお一人銀貨50枚いただいていますがよろしいですか?」

 

 銀貨50枚は普通の平民には少なくない。平民の平均月収が大体金貨三枚程度だ。これが平民から冒険者になる人が少ない理由だ。

 平民から冒険者になるにはどうしたらよいか。才能があれば訓練校に行けるらしい。

 俺たちは金があるので普通に手数料払ってなるけどな。

 

「四人で金貨2枚ですね。ではこちらの水晶に血を垂らしてください」

 

 これがステータスを焼き付けたカードを作ったりジョブチェンジするときに使うあれですよね?

 少しテンション上がってきた。

 祐也は血を垂らした。すると水晶が光って………

 

「はい、終わりです。こちらの認識票をどうぞ」

 

 祐也は認識票を受け取った。

 

「え、それだけ!?」

 

「はい。何かありましたか?」

 

 ただ水晶が光っただけだった。本当に認識票に登録しただけとは。

 横にいる女もがっかりしていた。それが誰かは言うまでもない。

 残りの三人も特に問題もなく登録を終えた。奴隷だから登録できませんなんてことはなかった。

 

「ではギルドの仕組みについて説明しますね。ギルドにはランクというものがあり上から1つ星(シェダ)2つ星(カフ)3つ星(ツィーア)4つ星(ルクバ)5つ星(セギル)の五つに別れています。」


 なんかランクに既視感を覚えるな。考えたやつ漂流者なのでは………

 祐也が思考の渦に飲み込まれている間に咲夜が質問した。

 

「ランクを上げるにはどうすればいい?」

 

「ランクをあげるには依頼(クエスト)を達成してポイントを貯めることであげることができます。3つ星以上になるにはポイントの他に試験を合格する必要があります」

 

 ポイントと試験か。普通だな。

 この世界にジョブはないっぽい。俺の剣聖になるという夢が~。

 もともと剣の才能なんてないけど。

 

「あ、依頼って5つ星でも全部受けれますか?」

 

「5つ星は5つ星の依頼でないと受けれません。パーティーを組めば一番ランクの高い人の一つ下まで受けれます」

 

 高位のクエストに行くのは無理か。いや、サーシアがいるから2つ星までは行けるか。

 

「他にご不明な点はございますか?」

 

「大丈夫です。ありがとうございます」

 

 五人はギルドの受付嬢にお礼を言って依頼板(クエストボード)を見に行った。

 

「どうするつもりだ」

 

「とりあえず5つ星がどれくらいか一度受けてみるか」

 

「それがいいだろうな」

 

 依頼の難易度がどれくらいか確認しておかないと死んでしまうかもしれないし。初回の依頼で死にましたとか笑えない。

 

「じゃあこれとかどうかな?」

 

 祐也が選んだのは薬草の採集だ。まさかの戦闘なしのクエストである。

 どれくらいの強さかを調べるために5つ星の依頼を受けるのに無意味である。

 

「初めての依頼なら無難だな」

 

 同意したのは咲夜だ。

 二人は5つ星の依頼を受ける意味を忘れているのであった。

 二人の頭の中はというと

 

((最初の依頼は薬草採集だ!))

 

 といった感じだった。馬鹿である。

 

「じゃあこれにしましょうか」

 

 五人は当初の目的を忘れたまま初の依頼に挑むのであった。薬草ごときにオーバーな戦力である。

 

 

 

 

 

 

 

「で、ここが薬草の採れる草原か」

 

「らしいな……ってただ門を出ただけじゃねーか!」

 

 祐也たちは依頼で草原に来ていた。そこはこの街に来るときに始めにアリアが降りたあの草原だった。

 

「まぁそう言うな。これが私たちのスタートになるんだ。楽しもうじゃないか!」

 

「そうだな!楽しまないとな!」

 

 薬草採集で何を楽しむというのだろうか?二人のテンションがおかしいのはいつもどうりだが今日はいつもの二割増しでおかしかった。

 

 二人はハイテンションで薬草採集を始めた。

 

 

 

 そして二時間後……

 

「飽きた……」

 

 何これ、全然見つからないんですけど。ただの草しかないし。そもそも薬草がどんなのかも知らないし。だが祐也以外は黙々と雑草と薬草を見分けて採集していた。

 

「何で咲夜は見分けがつくんだよ」

 

 この世界の住民が採集できるのは納得だが、咲夜ができるのは納得できなかった。

 咲夜も薬草がどういうものか知らないからだ。

 

「私には“鑑定”があるからな!雑草と薬草の見分けくらい朝飯前だ」

 

「はぁああ!」

 

 ずるい。なんてずるいやつなんだ。これが能力の差というものか。

 人生イージーモードで羨ましいです。こちとらドラゴンやら化物やらでハードモードなのに。

 

「祐也も頑張ることだな」

 

 咲夜はドヤ顔をした後、採集の作業に戻った。

 悔しい!悔しいけど何もできない。自分の弱さが憎い。力がほしい!

 あ、はい。遊ばず仕事するのでサーシアさん睨むのやめていただけますかね。

 

「それにしてもこれだけでかい草原なのに動物が一匹もいないっておかしくないか」

 

「それは私も気になっていた」

 

 そこは見渡す限り草原なのに動物が一匹もいなかった。羊や馬がいても驚きはしないのだが。

 

「それは駆除してるからよ」

 

「なんで?」

 

「魔物になったときにすぐ近くに町があると危ないでしょ」

 

「あー」

 

 そういうことか。よく考えてるんだな。

 

「でもその考えでいくと家畜はどうなるんだ?」

 

 家畜が魔物化したら危険なんてものじゃない。最悪死ぬぞ。

 

「人が育てるとそうならないのよ」

 

「意味わからないな」

 

「これに関しては研究されてるらしい」

 

 この研究が上手くいけば森の動物も魔物にならないようにできるだろう。研究者の皆さんに是非頑張っていただきたい。

 正直言って魔物だから何かあるとかないんだよな。サーシア先生から聞いた話では怪物はアイテムをドロップするらしい。

 

「二人とも口を動かさず手を動かしてくれ」

 

「はいはい」

 

 “鑑定”で調子に乗ってる咲夜に言われて二人は薬草採集を再開した。

 

 

 

 しばらくすると日が傾きかけたので薬草採集は終了した。

 結果から言うと祐也が採集した薬草の数はたったの3つだった。

 そして驚きなのだが一番多かったのはマリーだった。“千里眼”は見るだけでなく何があるのかもわかるそうだ。

 あれだけ調子に乗って一番じゃないとか。

 咲夜のことを鼻で笑った。自分のことを棚にあげて。

 薬草をギルドに届けたら終了である。この依頼に枚数制限は特になく、採集した量によって報酬が決まるそうだ。いわゆる常時依頼というやつだ。

 祐也はバイトをしたことがなかったので、これが初めての自分で稼いだお金になる。なので興奮ぎみにギルドに戻った。

 自分で採集した枚数は少ないのだが。

 

 

 

 

 

 祐也、アリア、咲夜、マリーの四人は薬草を届けにギルドに来ていた。

 サーシアはというといつもの酒場に先に行ってるわと言って別れた。

 自由奔放な人である。

 

 そんなこんなで四人は受付嬢に薬草を渡した。

 受付嬢は薬草の枚数を数えると買い取り価格を言った。

 

「全部で銀貨3枚と銅貨62枚になります」

 

「え!?すいません。もう一度言ってもらってもよろしいですか?」

 

 聞き間違いだろうか。

 

「全部で銀貨3枚と銅貨62枚になります」

 

「「「…………は?」」」

 

 いやいやいや。だいたい三時間近く五人で薬草採集してそれが銀貨3枚と銅貨62枚?それでは一般人の飯一回程度しか稼げていない。

 何かの間違いだろ。かなり腰にくるんだぞあれ。

 

「薬草一枚につき銅貨1枚で買い取らせていただいております」

 

「なるほど、だからそんな少ないわけですね」

 

「いえ、薬草採集でこの金額は多い方ですよ」

 

 なんだ多い方なのか……って納得できるか!

 超割りに合わねー。五人で割ったら銀貨一枚以下とか。これが5つ星依頼ですか?

 子供の小遣いと同じレベルって、どうやって5つ星冒険者は食っていけるのですか?

 後で聞いた話なのだが、5つ星の冒険者は先輩のパーティーに入って下積み兼ランク上げをずるそうだ。

 受付嬢に文句を言っても仕方ないので、祐也はお金を受け取りギルドを出た。

 

「なんか納得いかないよな!」

 

「そうか?あんな簡単な仕事で稼げるなら今頃薬草なんて生えていないと思うぞ」

 

 “鑑定”頼りの咲夜さんは言うことが違いますね。どうせ銅貨3枚しか稼いでいませんよ。

 

「我も不満だ!」

 

「だよな!」

 

 さすがアリア。俺のことを理解してくれるしい。

 

「お兄ちゃんの採ったものを他の薬草と同じ価値にするとは、不愉快だ」

 

「お、おう」

 

 俺の思ってる不満とは少し違ったが可愛いからいいや。とりあえず頭を撫でた。

 兄のことを慕ういい妹です。本人は妹じゃなくて嫁志望ですが。

 

 雑談しながら歩いていると急にマリーが立ち止まった。何かあったのだろうか。

 

「どうかしたか?」

 

「跡をつけられています」

 

「マジで!?」

 

 いったいなぜだ。跡をつけられるようなことをした覚えがない。

 

「気付いていたのか」

 

 アリアも気付いていたらしい。

 マリーは能力でわかると思うがアリアは謎だ。アニメとかでも強い人はそういうのわかるけど、何でわかるんだろうな。

 ちなみに咲夜は気付いていなかったぽい。必死に頷いて気付いてたアピールしてるけど額にある汗を俺は見逃さなかった。

 

「というかアリアさん気付いたのなら教えてくれませんかね」

 

「所詮雑魚だから大丈夫だと思ったのだ。でもお兄ちゃんがそう言うならこれからはそうする」

 

「頼むよ」

 

 アリアの雑魚は範囲が広いからな。あのサーシアでさえ雑魚と思っている可能性ありだ。

 

(で、どうするつもりだ?)

 

(あれしかないだろ)

 

((うん))

 

 二人は一斉に走り出した。それぞれの幼女(ロリ)を抱いて。

 それぞれの幼女ってなんだよ!ってツッコミは無しでお願いしたい。

 

「走り出したぞ!」

「追え!逃がすな!」

 

 走り出すと数人の男たちも走り出した。こいつらが跡をつけてきたやつか。

 誰も見覚えがない。というかこの世界の住人で男の知り合いはアレックスしかいない。

 

 祐也は不思議に思いながらも逃げた。

 

「そこを右に曲がってください!」

 

「了解」

 

「次は左です」

 

「わかった」

 

 マリーの指示に従いながら逃げた。さすが“千里眼”と言えばいいのだろうか。

 男たちをすぐに巻けた。

 

「巻けたはいいがこれからどうする。酒場に行くか?」

 

「酒場で待ち伏せをしているんじゃないか?」

 

 やりかねない。跡をつけて見失ったら待ち伏せ。追跡をするなら常套手段だ。

 

「いや、それはないだろう」

 

 祐也の考えは咲夜によって否定される。

 

「あそこにはサーシア殿がいるからな」

 

「あーそっか」

 

 俺たちの跡を追っていたなら勿論サーシアのことも知っているだろうし、“紅蓮の妖精姫”なんて呼ばれるサーシアを敵に回すとは思えない。

 わざとサーシアのいない時にしたのかもしれないな。

 

「なら酒場に行くのが安全か。マリー頼めるか?」

 

「はい!」

 

 マリーの“千里眼”を頼りに追跡者にばれないように酒場に戻ることにした。

 今思えば認識阻害を使えばいいだけなのだが。それは言わない約束だ。

 

 

 

 

「囲まれました。すいません」

 

 逃げていたのだが予想より追手が多くか祐也たちは囲まれてしまっていた。

 というか追手ってなんだ。まだ何も悪いことしてないぞ。俺は無罪だ!

 

「後でお仕置きだな」

 

「いやいや、何言ってんのお前」

 

 ここまで逃げれたのは誰のおかげだと思っているのだろうか。

 マリーがいなかったらとうの昔に追手はミンチですよ?って追手の心配してどうすんだよ!

 でも俺、間違いなくアリアが殺していたと思うんだよ。それでお尋ね者になるとか笑えない。

 やっぱり俺らの未来を守ってくれてたんだよ。それをお仕置きって。

 

「いいのです神凪様。私が無能なだけですから」

 

「マリーは無能なんかじゃないって。無能はそっちの馬鹿だから」

 

「馬鹿とはどういうことだ!」

 

「頑張ってくれたのにお仕置きとか。馬鹿以外の何者でもないだろ!」

 

「ふっ、私のお仕置きをそこらの馬鹿と一緒にしないでもらいたいな」

 

 何言ってんのこいつ。って顔で終始咲夜を見ていた。

 

「私のお仕置きはもふもふの刑だ!」

 

「もふもふの刑、だと……」

 

 もふもふの刑ってあれですよね。尻尾とか耳とかついでに身体中をもふもふと称して触ってもいいってやつですよね。なんて羨まけしからん。

 

「ご、ご主人様のご命令とあらば………でも優しくお願いします……ね」

 

 マリーは頬を赤く染めて言った。

 体は痩せ細っているのになんだこの色気。獣耳っ娘パワーすげぇ。

 咲夜が息を荒くしている。ダメだこりゃ。

 というか、今日知り合った仲ですよね?何故に好感度がこんなに高いんですかね。

 

「お兄ちゃん、来たぞ!」

 

 アリアの言うとおり十数人の男たちに囲まれていた。逃げ場はなさそうだ。

 男たちの顔を見たが誰だかわからなかった。チンピラーズですらなかった。

 

「よう、お兄ちゃん!」

 

 男たちは厭らしい笑みを浮かべながら祐也に声をかけた。

 男、それもおっさんにお兄ちゃんって言われても何にも嬉しくない。

 これほど誰も特しないものはないな。

 

「本題に入れよ」

 

 祐也はその悪い目付きで睨んだ。

 男たちは物ともせずにさっきと同じようにニヤニヤと笑っている。

 強がりと思っているようだった。

 

「話が早くていい!」

 

 男たちのリーダーだろうか。

 ガタイが良くて黒々としたスキンヘッドの男が一歩前に出てきた。

 

「別にお前らに乱暴しようって訳じゃねぇよ!こっちはただこいつらの装備を返してほしいだけだ」

 

 こいつらというのは決闘で装備を巻き上げられた取り巻きーズ達だった。

 

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