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第16話 買い物

遅くなってすいません

バイトの開始時間とエラーの修正が被りまして、いや、本文は完成していたんです。むしろ書き溜めもあるんです!

俺は悪くない!バイトが悪い!

以上言い訳でした


「この金だけど使い道どうしよ………」

 

 今さらになって祐也たちは使い方に困っていた。買いたかった調味料もそこまで高くなかったし金が余っているのだ。

 

「普通は装備とかに使うのだろうが………」

 

 装備は奪った、ではなくて報酬の物があるし、祐也の能力を使えばもっといい装備を創れた。

 

「アクセサリーとか?」

 

 祐也は首を横に振った。それも能力で創れるのだ。便利だが不便だな。

 金の使い道がなくて困るというのは贅沢な悩みだが実際はかなり困るんだな。これからも必要になるとは思えないしな。何か使い道がほしい。

 

「戦力増強で装備以外となると………」

 

 魔導書とか?そんなものがあるかは別として。あとは調合のレシピ本とか?あるかは別として。

 

「人を増やすというのもありじゃない?」

 

 サーシアが提案した。

 絶対条件が裏切らないでこの四人と同じくらい便利な能力、特技、魔法を使える人。いるか?

 同じ漂流者は信頼できないしな~。となると特技と魔法だが、そんな都合よくはいないだろ。

 

「いや、待てよ………」

 

 咲夜の方を見た。むこうもこちらを見ていた。

 

「私も同じ事を考えた」

 

 二人が同時に考えたことそれは、

 

「「奴隷だ!!」」

 

 日本人のくせに奴隷を平気で買おうとするあたり価値観が変わっているのかもしれない。

 

「サーシア、この町に奴隷商はあるか?」

 

「あるわよ」

 

 あるんだ。時代が近世みたいだからもしかしたらいないかもと思ったが、いるんだ。

 奴隷商に行こうとしたらアリアが後ろから祐也の服を引っ張った。後ろを振り向くと、

 

「むぅ………我では不満か?」

 

 アリアが拗ねていた。上目遣いで頬を膨らませて拗ねていた。

 か、可愛いぃ~。だめだ可愛いすぎる。これはずるいあざとい。こんなの卑怯ではないだろうか?

 咲夜は相変わらず悶えていた。机があったらぶつかっていただろう。

 

「そんなことない!」

 

「そうだ!そんなわけない!アリアは大事なマスコットだ!」

 

 咲夜、お前……アリアのことマスコット扱いだったのか。忘れているかもしれないが始祖龍になれる龍人種なんだぞ……俺も人のこと言えないけど。

 

「そ、そうか!我でいいのか!」

 

「ごめん。それはそれ」

 

「申し訳ない。これはこれなのだ」

 

 上げてから落とすスタイル。外道だ。

 だが、金を使うために奴隷を購入しないとダメなのだ。二人に貯金という二文字はなかった。

 

「も、もう知らんからな!」

 

 アリアが拗ねてそっぽ向いてしまった。

 どうするんだよこれ。微妙こっちをチラチラ見てるし。構ってほしいのだろうか。これはこれで可愛いからいいけど。

 

(どうするんだよ咲夜)

 

(私の指示通りアリアに言ってみろ)

 

(わかった!)

 

 祐也は咲夜に言われた通りの台詞でアリアに言う。

 

「アリア、安心してくれ。奴隷を買っても俺が一番すってなに言わそうとしてんだオラ!」

 

 咲夜の言われた通りだと愛の告白になるところだった。それも浮気前提の。一番好きってことは二番目があるってことですよね?

 

「黙って従っていればよいものを!」

 

 どこの悪役だ!

 

「まぁ俺はアリアのことを大切(な仲間のよう)に思っているから」

 

 あえて仲間という部分を言わなかったのは説明する必要はないだろう。

 

「ほ、本当か?」

 

「超大切」

 

 大事なロリゴン枠だ。アリアには他の誰にも代えられない魅力があるのだ。

 

「う、うむ。なら許す!」

 

 なんか許された。許されなくても買いに行ったけど。とりあえずアリアの機嫌が直ったので奴隷商に向かった。

 

 

 

 

 

 

「ここが奴隷商か………」

 

 奴隷商は裏通りではなく表の服や装備を売ってる店がある大通りにあった。

 奴隷なのにこんなところで売ってていいんですかね?店の外見も綺麗でもっと雰囲気が欲しかった。

 

「あ、咲夜。奴隷だからといって奪うなよ」

 

 何か仕出かす前に釘を打っておくことにした。

 

「当たり前だ!私は敵対する者と必要になったとき以外は奪わない!」

 

 へーそんな決まりを作ってたんだ。ま、興味ないけど。これで懸念されてた事態は大丈夫そうだな。

 

「お、お兄ちゃん。て、手をつないでもよいか?」

 

 ブフォッ!ついに祐也も鼻血を噴き出した。悶えるを飛び越えて一気に鼻血だ。

 今のは破壊力が強すぎた。あのまま成仏してもおかしくなかったわ~。いやーよく堪えたわ~。

 死んでないのに成仏とは変な話である。

 ちなみに咲夜はというと、血で『ロリ』とダイイングメッセージを残して道に倒れていた。

 

「だ、大丈夫か!」

 

 祐也は咲夜を抱き抱えた。

 

「私のことはいい……それよりも後のことは頼んだ………ガクッ」

 

「さ、咲夜ぁぁあああ!!!」

 

 誰だ!咲夜を殺したのは!このダイイングメッセージだけでは犯人は特定できない!どこかに手がかりは!

 

「二人ともいつまで遊んでるのよ。早く店に入るわよ」

 

「「はーい」」

 

 咲夜はむくっと起き上がる。

 

「え?え?どういうこと?」

 

 一人だけ二人の寸劇について理解できない者がいた。この事件の犯人のアリアだ。純粋無垢ないい子である。

 祐也は手をつない店の中に入った。

 

「どうして手をつないでなんて言ったんだ?」

 

 ただ手がつなぎたかったとか?それならいつでもつなぎますよ!ってやめて咲夜さん。抜刀しようとしないで。

 

「この店がこわい感じがしたのだ………嫌だったか?」

 

 嫌なわけない。むしろ大歓迎だ。

 アリアの手幼女らしくぷにぷにで小さな手だった。この手とつないで歩けるならもう最高ですね。

 ナイス店の雰囲気!

 



 さっきまで騒がしかった大通りと一転して、店の中はひんやりと冷たくて証明が少ないのか薄暗く、重苦しい雰囲気だった。遊園地のお化け屋敷の入り口をイメージしてくれたらいいだろう。お化け屋敷行ったことないけど。

 し、仕方ないだろ。一緒に行く相手がいなかったんだよ!

 

 少し進むと胡散臭さマックスのおっさんがいた。

 

「いらっしゃいませ。本日はどのような奴隷をご所望ですか」

 

 あーこいつが奴隷商人だわ~って一瞬で納得した。何故納得したのかはわからないがイメージ通りだったとだけは言っておこう。

 

「決めてなかったな……どうする?」

 

「適当に見せてもらうってのはどうだ」

 

 それでいいか。奴隷の買い方とか知らないし。

 咲夜の言うとおりにした。

 

「では連れてきますのでしばらくお待ちください」

 

 そう言って奴隷商人は奥の部屋へと消えていった。

 さて今のうちにどんな奴隷を買うか決めておこうか。

 

「私のお金で買うから私に決めさせてもらってもいいだろうか?」

 

「別にいいけどなんで?」

 

 咲夜は分けたお金に食事以外で手をつけていないため祐也より残っていた。祐也も同じように食事代くらいしか使っていないのだが既に半分くらい減っていた。謎である。

 

「私が契約したいからだ」

 

 買った人がご主人様なるもんな。

 

「わかった」

 

 別に奴隷が欲しかった訳じゃないしこれでアリアも拗ねないだろう。それに咲夜は能力で特技とか見れるし一石二鳥だ。

 

 しばらくすると奴隷商人が首輪をつけた美男美女を連れて戻ってきた。

 

「お待たせいたしました。ひとまず10人ほど連れて参りました。気に入った者がいましたらお声かけください」

 

 そう言ったあと奴隷たちは自己PRを始める。何ができるかとか、元はどうしていたとか、感情に訴えかける人もいた。

 

(どうだ?あ、イケメンは俺の精神衛生上なしで頼む)

 

 祐也のイケメン嫌いは重症だった。嫉妬100%だ。

 

(それはわかっている。この中にはいないな)

 

 さすが祐也の一番の理解者だ。

 

「また連れてきてもらっても大丈夫ですか?」

 

「畏まりました」

 

 奴隷商人は連れてきた人たちと一緒に奥の部屋に消えていった。

 そのあと何組か見たが咲夜のお眼鏡に適う人はいなかった。

 このままでは時間がかかりすぎるな。

 

「すいません、奥の部屋を直接見せてもらってもいいですか?」

 

 そうでもしなければ今日中に買うことはできないだろう。別に今日にこだわる必要はないんだが。

 

「見ていて気持ちが悪くなる可能性がありますがそれでもよろしいですか?」

 

 奴隷商人は先に断りを入れた。

 

「お願いします」

 

 もともと奴隷を買うつもりだからその程度覚悟している。アリアが繋いでいる手に力を入れた。この先に何かあるのかもしれないな。

 

 

 

 

 そこは沢山の檻があり、その中には当たり前だが人が入っていた。確かに見ていてあまり気持ちの良いものではないな。

 

「ご自由にお選びください。あのカーテンの奥にいく際は先にお声かけください」

 

 四人は固まって奴隷を選び始めた。いや、選んでいる咲夜についていった。

 

「俺を買ってくれ!力仕事なら自信がある!」

「そこのお兄さん!私を買ってくれないかい?毎晩良い思いをさせるよ」

「私は料理できます!」

 

 檻を見てると口々に自分を買ってと奴隷たちはアピールした。

 目が必死で少し怖かった。唯一そこにいる全員が服が綺麗で、しっかりとご飯を食べてるのだろう。痩せ干そっていなかった。それだけが救いだった。

 金の使い道の一つとして奴隷を選んだが、日本人としてこの光景はなかなかきついものがあった。

 

 人を商品として見ることはできなかった。殺しはできて奴隷はダメとは変な話だが。

 これでは自分が選ぶことになっていたら買えるだけ買って奴隷解放なんてことをしかねなかった。

 

 咲夜は顔色一つ変えず奴隷を選んでいた。単純に凄いなと思った。

 咲夜はこれから仲間になる人を選ぶのだ。気持ち悪いとかで適当に選ぶことはできない責任感があった。

 

「奥の部屋に行ってもいいだろうか?」

 

 咲夜は一通り見たあと奴隷商人に言った。この中にはいなかったようだ。

 

「畏まりました。この先は気性の荒い奴隷や欠損がある奴隷。さらに犯罪奴隷がいます。ここの奴隷よりも言ってはなんですが売れる見込みがないためあまり手入れはしていません。それでも良いですか?」

 

「ああ。頼む」

 

 四人は奥の部屋に行った。アリアは祐也の腕を抱きしめていた。それほど怖いのだろう。

 お化け屋敷に行く親子みたいだ。歳はアリアの方が上だが。

 

 

 奥の部屋に入った瞬間鼻を摘まみたくなった。それほど臭い。中は腐った肉の匂いがしたり、檻をガンガンと攻撃する音がしたりする。

 檻の中に入ってる奴隷もさっきの部屋とは違って毛深い狼男みたいな人や、片腕がない人など様々だった。

 

獣人種(ビースト)がいることを忘れていました。不快な思いをさせてしまったらすいません」

 

 奴隷商人は頭を下げた。

 獣人種というのは狼男みたいな人たちのことだろう。いつもの祐也と咲夜なら「獣耳(ケモミミ)きたぁぁああ!!」なんて言いながら騒いだだろうが、今はそんな雰囲気ではなかった。

 

 獣人種は人に獣耳と尻尾ではなく、狼を立たせたような感じだった。

 分かりやすく言うと人魚ではなく魚人みたいな感じである。

 え、分かりやすくないって?考えるな、感じろ!

 

「構わない。見させてもらう」

 

 咲夜は再び奴隷を選び始めた。部屋の大きさ自体さっきの部屋とそこまで変わらないのだが、一つの檻に入っている奴隷の数がこちらの部屋は多かった。押し込められているといった感じだ。

 

 檻で暴れている奴隷は無視して選ぶ。それ以外の奴隷は基本的に目にハイライトがなかった。そのほとんどは欠損奴隷か犯罪奴隷だ。未来のことを考えたら当たり前だ。

 欠損奴隷は買い手が見つからずここで死ぬことだろう。犯罪奴隷は危険な場所に連れていかれて重労働。これで絶望しない人はいないだろう。

 

 やっとアリアが怖がってる意味がわかった気がした。ここには負の感情が充満しているのだ。子供だからなのか始祖龍だからはわからないが感情に敏感なのだろう。

 祐也は繋いでいた手に力を込めた。祐也も怖くなったのかもしれない。

 



 選んでいると急に咲夜が檻の前で止まった。

 

「この子は買えるか?」

 

「こちらですね。大丈夫ですよ」

 

「ではこの子を頼む」

 

 咲夜が選んだのは獣人種でもなく人種でもないその中間に位置する女の子だった。半獣人種(ハーフビースト)というらしい。いわゆる獣耳っ娘(ケモミミっこ)にというやつだった。

 

(お前の趣味じゃないだろうな?)

 

(詳しいことは後で説明する)

 

 奴隷商人に契約の準備をするからと言われ、四人は初めの部屋に戻っていた。

 

「お待たせいたしました。ではここに契約する人の血を垂らしてください」

 

 ここというのは奴隷の子の背中だ。奴隷契約というのは普通の契約魔法とは別らしく一方的に血を垂らすらしい。使える人はあまりいないらしく、また解約にもお金がかかるそうだ。

 

 咲夜は言われた通り指を剣で切って女の子の背中に垂らす。

 

「んっ、ああぁぁぁああ!!」

 

 契約には激痛が走るらしい。見ているだけで痛々しかった。

 こんな小さい子にこんなことをするなんて良心が痛む!

 痛む良心があるのかって?あるに決まってるじゃないですか!失礼だな!


「では奴隷契約について説明をしますね」

 

 初めてのため奴隷商人が説明をしてくれた。

 

 奴隷契約は主人が禁則事項を作ることができる。それを破ると奴隷に激痛が走るというものだった。最悪死に至るらしい。禁則事項は管理魔法で作れるそうだ。


 咲夜のステータスウィンドウには奴隷欄ができていた。


 他にも最低限の衣食住や賃金などの説明を一通りしてもらったあと四人は店を出た。

 

「またのお越しをお待ちしております」

 

 あまり来たくはないな。祐也の感想だった。

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