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第14話 ギルド

盾の勇者の成り上がりがニコニコ漫画で4月3日まで全話公開中です!

原作と違うところがあって漫画は漫画の良さがありました!

自分もあれくらい面白い作品をかけるようになりたい


 祐也たちは当初の計画通り一日野宿して町に着いたのだった。その時祐也の布団にアリアが潜り込んできたり、空をアリアが飛んでるのを見られると騒ぎになるのではと認識阻害魔法をかけたりしたが、四人は無事に町までつくことができた。

 町は壁に囲まれていて、町の大きさは大きくもなく小さくもないといった感じだ。

 

 今は門の近くの草原でアリアから下りているといった状態だ。

 ふと自分の装備を見て咲夜が言った。

 

「この姿というか、この装備不自然じゃないか?」

 

「あ……」

 

 言われてみればそうだな。不服だがとりあえず二人分の平凡で可愛くない服を創って渡した。アリアの服は魔力で出来てるらしく好きなように変えれるようだった。変えるときは光に包まれて魔法少女の変身シーンみたいでオタク二人が発狂したのはここだけの話だ。

 

 

 着替えタイムが終わってお披露目となる。ちなみにハプニングは何も起きなかった。残念無念だ。

 

「やっぱりこの布いいわね」

 

「村娘のコスプレか。これはこれで………」

 

 二人の感想はこんな感じだ。二人とも素がいいからか質素な村人の服を着ても似合っていた。

 祐也はというと……

 

「ただの村人にしか見えなくないか……」

 

 自分のあまりの普通感に絶望していた。

 目付きが悪いのだ目付きが。

 

「そ、そんなことないぞ!わ、我はどんな姿でもす、好きだぞ!」

 

 アリアが励ましてくれた。感動のあまり泣きそうになった。とりあえず頭を撫でまくった。これ以外どうしたらいいのか知らない。

 

「では気を取り直して行くか」

 

 四人は門に向かって歩きだした。

 

 

 

 

 

「ダメです!」

 

「な、何故だ!」

 

 四人は門の前で町の兵士に止められていた。

 

「身分証のない怪しい人を町の中には入れれません」

 

 ならしい。いやいや、漂流者はどうしろと?

 

「これで入れるでしょ!」

 

 サーシアはネックレスを首から外して見せた。ネックレスはシンプルに星が一つ刻まれた兵士の認識票(タグ)のようなものだった。

 

「そ、それは!?」

 

 それを見た瞬間、兵士の顔色が変わる。

 

「し、失礼しました!どうぞ皆様お通りください」

 

 態度も変わってすんなりと通してもらえた。

 なるほど、漂流者は先導者がいるから大丈夫ということですね。

 

「いったい何を見せたんだ?」

 

 本気で何を見せたらこうなるのか教えてもらいたい。見せたのはネックレスだろって?知ってるわ!そのネックレスがどんなものだったのかって意味だ!

 

「何って冒険者の登録証を見せただけだけど?」

 

「いやいや、その程度であの反応はないだろ」

 

 祐也は忘れていた。サーシアが冒険者として有名ということを。

 

「別に入れたからいいではないか」

 

「そうだな」

 

 兵士の反応とか別に気にしてもどうにもならないしな。

 

「それにしても……」

 

「皆まで言うな……」

 

 二人は町並みを見てがっかりしていた。

 期待していた光景は中世ヨーロッパ風の石造りでできた家が並んでいるドラクエ世界のような光景を期待していたのだが、なんだいったいこれは!

 見た感じ衛生面ばっちりで道路の上を車のような乗り物が走っていたり道の端には排水溝までついている。

 確かに時代は近世くらいと言っていた。だが町並みは大丈夫だろうと信じていたのに……

 裏切られた気分だった。

 

「二人とも早く行くわよ!」

 

 サーシアは二人を引っ張りあるところに連れていった。

 

 

 

 

「ここは?」

 

 祐也たちはよく分からない大きな建物の前に来ていた。看板が見当たらない。

 

「ここは冒険者ギルドよ」

 

「「冒険者ギルドきたぁぁあああ!!!」」

 

 二人は同時に叫ぶ。息ぴったりだった。

 冒険者ギルドってことはつまり冒険者登録するってことですよね!ここから伝説の冒険者が誕生するということですか!テンション上がってきた!

 さっきまで落ち込んでいたのが嘘みたいだ。テンションの上がり方はうなぎ登りを越えて滝登りの域だった。

 

 この後祐也は定番のイベントを経験することになる。

 

 四人は建物の中に入った。

 

「「おぉ~!!」」

 

 ギルドの中は町並みと違い二人を裏切らなかった。

 木でできた長いテーブルがいくつもあり酒場になっている。お昼時にも関わらず酒を飲んでる冒険者と思われる人たち。クエストの掲示板に受付。全てがイメージ通りだったのだ。

 二人は受付のところに行こうとする。

 その時、受付から来た男たちとぶつかった。

 

「痛って!どこ見て歩いてんだよ!」

 

「大丈夫ですかアニキ!」

 

「おいお前ら!さっさと謝れよ!」

 

 三人のチンピラ冒険者だった。

 祐也と咲夜はいつも通り目を合わせた。

 

(あー忘れてたわ、このイベント。どーするよ咲夜さん)

 

(現実でチンピラ冒険者に絡まれるとか感激だな!)

 

(確かにそうだな!ってそういうことを聞いてる訳じゃないんですよ!)

 

 二人はチンピラを無視していた。それにチンピラCがキレる。ABCは喋った順で決めた。

 

「こいつらアニキのこと無視しましたぜ!」

 

「まぁ落ち着け。見たところ田舎から来た新人みたいだな。おい女!お前が俺たちと一緒に来るなら今回の件は無しにしてやってもいいぜ」

 

 チンピラのボスは咲夜の方を見て言った。

 それを聞いて二人は、

 

(女を寄越せ系だ!)

 

(ふふふ、この私だからな。当たり前だ)

 

 相変わらずチンピラを無視して目で会話していた。咲夜に至っては自画自賛もしている。事実なところが反論しづらい。

 二人に無視されてチンピラのボスもキレた。

 

「おいお前ら!あんまり調子に乗るなよ!」

 

「「アニキ!やっちゃってください!」」

 

 チンピラのボスは背負っていた斧を持って威嚇してきた。武器までチンピラ臭がするな。

 というか今気付いたがこいつ臭い。酒臭いし、おっさん臭いし、浄化魔法を使っていないのか汗臭いし、なんか臭い。とりあえず臭かった。

 

 二人は鼻を摘まんだ。

 キレてる人間を前にしているのに鼻を摘まむとか失礼にも程があるが我慢できる匂いではなかった。

 それを見たチンピラーズはさらに怒る。酒と怒りで顔が真っ赤だ。

 

「お前達がその気ならなら―――」

 

「二人とも何してるのよ」

 

 チンピラのボスの台詞を遮ってサーシアが登場した。せっかくの見せ場を何してるんですかね?

 空気を読んでもらいたいものだ。楽しんで絡まれていたのに。これではさらにチンピラを怒らせてしまうだろ。面白いからいいけど。

 祐也はチンピラの方を見た。だが予想に反してチンピラは顔を真っ青にして武器を片付けていた。

 何が起きたんですかね?

 

「そ、その紅色の髪は………」

 

 なんて言いながらガタガタと震えている。今にもチビりそうだ。

 

「私の髪がどうしたのよ」

 

 サーシアはチンピラーズを睨んだ。いや、普通に見ただけなのだが少し目がきつめなのでそう見えた。

 そんなサーシアに見られた三人は、

 

「「「ひ、ひぃ!!どうか、命だけは!!!」」」

 

 と三人で抱き合っていた。どうか、命だけは!って、本気で何したんですか?

 

 ここで新たな一団がこの騒ぎに混ざる。

 

「久しぶり、“紅蓮の妖精姫”さん」

 

 話しかけてきたのは金髪でイケメンの男だった。周りにいるのは全員女性だった。

 祐也は一目でこの男のことを嫌いになった。ハーレムとか許せん!完全に妬みであった。それに自分の周りを見てから言ってほしい。

 

「その名前で呼ばないでって言ってるでしょ!」

 

「ごめんごめん。それにしても久しぶりだね、サーシア」

 

 “紅蓮の妖精姫”とはサーシアの事だったようだ!それにしても親しげでなんか腹が立つ。というかあのイケメンが嫌いだ。

 

「森の中に籠ってたから」

 

 サーシアは素っ気なく応えた。

 あれ、以外と仲良くない?イケメンざまぁ。

 

「それでパーティーに入ることは考えてくれた?」

 

「それはこの前断ったでしょ!」

 

 このイケメン野郎はサーシアのことをパーティーに誘って振られたそうだ。ざまぁ。

 見ていて最高に気持ちいい光景だった。イケメンが振られるとか。今日の飯は美味しそうだ。

 ちなみにチンピラーズは床に正座して二人の会話を聞いていた。完全に空気である。

 

「そこをなんとか頼むよ。僕のパーティーに後衛が不足してるのは知っているだろ?」

 

 パーティーの編成のことはそれなりに考えているらしい。いや、考えてないから不足しているのか。それにしても一人称が僕だったぞ!どこのボンボンだ!

 

「無理ね。それに私はこの人たちとパーティーを組むことにしたから」

 

 祐也たち三人を親指で指して言った。

 イケメン野郎は祐也の方を見て、

 

「へぇ………こんな冴えない人とね~」

 

 おい!今冴えないって俺に向けて言っただろ!

 咲夜が急に肩を叩いてきた。

 

(こ、この流れは決闘する流れではないか?)

 

(あ、本当だ)

 

 これは彼女をかけて俺と勝負しろの流れだ。

 案の定イケメン野郎は、

 

「そこの君!サーシアを賭けて僕とし―――」

 

「断る!」

 

 言い切る前に断った。

 当たり前だ。なんでサーシアをパーティーに誘えるようなやつと決闘しないといけないんだ。

 “紅蓮の妖精姫”と呼ばれるサーシアをパーティーに誘えるとか強いに決まってる。

 そんな相手と戦うとか御免被る!

 

 断られたイケメン野郎はポカンと口を開いている。せっかくのイケメンが台無しだぞ。

 

「なっ、それでも君は男か!」

 

 復活したイケメン野郎はそんなこと言ってきた。失礼な!勝てない勝負はしないだけだ。

 今の発言を聞いてアリアが殺気づく。

 

「我のお兄ちゃんを愚弄するとは………」

 

 今にも飛び出して八つ裂きにしそうだ。これはマズイ。町に来ていきなり犯罪者になりましたとか笑えない。

 

 祐也は咲夜にサインを送った。

 サインをもらった咲夜はアリアを抱き締めて捕縛した。どさくさに紛れていろんなところを撫でている。

 これでひとまず安心だな。問題はこのイケメン野郎だな。

 ここはお得意の挑発といきますか。何故そうなったのか、今思えば謎である。多分言われっぱなしで面白くなかったのだろう。だから一言

 

「お前が思うならそうなんだろう。お前の中ではな」

 

 と言ってやった。

 祐也の言葉を聞いてイケメン野郎は顔を真っ赤にする。

 プライドが高いのかどうかは知らないがこの世界の人の沸点低すぎやしないか?

 

「つ、つまりお前は逃げるのか!」

 

 そうきたか。

 なんだろう……この男に逃げると思われるのは凄い癪だ。

 なんか頭に来た。

 

「いいだろう、その安っぽい挑発に乗ってやるよ!ただし決闘するなら条件がある」

 

 もちろんただで決闘に乗るつもりはない。こっちになんの得もないからな。

 

「条件だと?」

 

「お前が吹っ掛けた決闘だろ?はっきり言ってこちらになんの得があるんだ」

 

「こ、これはサーシアを賭けた―――」

 

「は?賭けたって一方的にだろ。もともと俺たちで組む予定だったんだ」

 

 今の今まで知らなかったけど。

 

「同じ条件だと思っているのか?」

 

「ぐ………」

 

 イケメン野郎は言い返すことができない。

 

「ということだ」

 

「わかった…………で条件は?」

 

「まず一対一で戦うこと。仲間の誰かが横槍を入れたらその時点で敗北」

 

「それは当たり前だ!」

 

 分かってもらえるなら何よりだ。ただ周りの女たちは横槍を入れそうだから気を付けてね。

 

「で、あとは俺が勝ったときの報酬だな」

 

「それはサーシアだろ?」

 

 は?何言ってんだこいつ。さっきも言ったのに聞いてなかったのか?

 

「だからそれはもともと俺たちと組む予定だったんだから報酬にならないだろ。理解したか?」

 

「………わかった」

 

 ここまで話しててわかったがこのイケメン野郎は馬鹿だ。馬鹿を相手に話をすると本当に疲れる。

 

「で、俺が勝ったときの報酬だが」

 

 さて何を貰うか………うんやっぱりあれだな。

 

「有り金と装備仲間の分も合わせて全部寄越せ」

 

「「「「……は?」」」」

 

 その場にいた全員が声を合わせた。

 金を持ってないんだからついでに貰おうと思っただけだ。え、盗賊みたいだって?決闘だから合法だろ。祐也はやはり悪党のようだった。

 

「いくらなんでもそれは………」

 

 イケメン野郎も渋った。

 だが、祐也は特技を発動する。挑発だ。それは特技じゃないだろって?いいんだよ細かいことは。

 

「サーシアにその価値はないと………その程度だったんだな」

 

「な、何!」

 

「それとも負けるのが怖いのか?こんな田舎から来たような冴えない見た目の男に」

 

 最後の自虐は少しダメージを受けた。

 自分で言ってて悲しくなってきた。アリアが「そんなことない!」って言ってくれるのが聞こえた。後でハグだな。

 

「いいだろう!その決闘受けて立つ!」

 

 まんまと挑発に乗せられてイケメン野郎は決闘が成立した。

 それにしても決闘を受けたのはこちらなのだが。解せぬ。

 

「じゃあ明日のこの時間にここで待ち合わせで」

 

 祐也はギルドから出ていった。

 それにしてもチンピラに絡まれたと思ったら決闘をすることになっていた。何が起こるかわからないな。

 

 

 

 

 

 

「ど、どういうつもり!」

 

 あの後四人はサーシアの知り合いで元冒険者だった人が経営する宿屋にきていた。

 祐也が説教されているといった状況だ。

 

「どうもなにもムカついたからあいつらの身ぐるみ全部剥ごうと思って」

 

 言ってることが悪党のそれだった。

 

「あいつは私と同じくらい、いえ私より強いのよ!それなのに……」

 

 まじか……そんなに強かったとは驚きだ。

 

「ごめん。そうとは知らなくて」

 

「私、あいつとパーティーを組むことになるなんて嫌よ!」

 

 そんなに嫌なのか。なんか安心した。なんで安心したんだろ?

 まぁ今はどうでもいい。

 

「大丈夫だ!俺は絶対に負けない」

 

「本当に………?」

 

 サーシアの目は少し赤くなって目の端に涙がついていた。泣くほど嫌なのか。イケメン野郎ざまぁ。

 

「疑うわけじゃないけど本当にあいつは強いわよ?前言ってた伝説級の特技を使う人よ?」

 

「え!?」

 

 なるほどね。苛ついてサーシアが魔物に当たり散らしたほど嫌われてたやつか。確かにそんなやつ相手にこんな賭けしたのは本当に悪いと思ってる。

 でも男には譲れない一線があるのだ。

 

「でも安心してくれ。こと対人戦においては絶対に負けない!」

 

 相手はサーシアに化物と言わせるやつだ。始祖龍の次は化物ですか。難易度マックスとかいうレベルじゃないな。これなんてクソゲーだよ!

 ま、今回は自分で蒔いた種だ。自分で刈り取らなくてはな。

 

「本当に?」

 

「俺は絶対に勝てる戦い以外しない主義だ。万死の鷹の目を信じろよ、“紅蓮の妖精姫さん”」

 

 最後のはちょっと臭かったかも。自分で言ってて恥ずかしくなった。

 

「うん!」

 

 宿についてからようやくサーシアが笑った。

 

「さて、協力頼むぞ咲夜」

 

「任せろ!」

 

 その一言で全てを悟ったようだ。伊達にテレパシーできる仲ではない。

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