第8話 討伐準備
ミリタリーあんま詳しくないので違ったりしたらすいません
それにしても春休み最高ですね!
目指せ毎日投稿です。(メニクマ)
しばらくしてサーシアが戻ってきた。
どうやら大量だったようでホクホク顔だ。
「帰って来たぞ。さぁ早く作戦を説明してくれ」
咲夜はずっとうずうずしていた。この戦闘狂め。
「少し待ってくれ。このことをサーシアにも言わないとダメだろ?」
「あぁそうだったな。すまない。テンションが上がってしまって」
祐也はしっかり事前に説明をする男なのだ。二人とは違うのだ。
「二人でこそこそしてどうしたの」
「えっと、ドラゴンをぶっ殺そうかと思って……」
「……はぁぁぁああああ!!!」
サーシアは大声で驚いた。無理はない。自分より弱いはずの二人が自分でも倒せない相手に挑むのだ。無謀なんてレベルではない。
諦めたと伝えるために過去の話をしたのにこれでは逆効果だったようだ。
もちろん止める。それが姉としての仕事だ。
「話聞いてたの!無理だから諦めたって言ったんだけど」
「神の話は信じるべきだぞ。もしくは家族のことを信じるべきだ」
祐也は表情を変えず言い返した。
それに止められたからと言ってやめるつもりは毛頭ない。討伐の成功率は下がるけどそれでも殺せる自信はあった。
祐也の決意にいくら止めても無駄と悟ったサーシアは大人しくどうするかを聞くことにした。
もちろん無理そうだったら全力で止める。
「で、どうするつもり?」
「簡単な話だ。俺の世界の武器でドラゴンをぶっ殺す!それだけだ」
祐也の発言にサーシアは呆れを通り越して唖然とした。開いた口が塞がらないといった表情だ。
咲夜は妥当なところだろうと納得している。
二人の自信がどこから来ているのか全くわからないサーシアであった。
だけど聞くと決めたのだ。せめてその武器がどんな武器なのか聞かなくてはならないと思った。
「ロケットランチャーって言ってもわからないよな~」
祐也はどのような武器かをどうやって伝えようか悩んでいた。なんせこの世界に来てからずっと森にいるもんだから、文明がいつくらいの時代なのかがわからなかった。
ここで咲夜が助け船を出す。
「飛ぶ爆弾のような物だ。それもこの世界の爆弾の何倍も威力の高いな。まぁ私もこの世界の爆弾の威力は聞いただけだからわからないがな」
なるほど、爆弾はあるのか。中世ヨーロッパというお決まりが早速崩れ落ちた。がっくし。
聞いたというのは糞商人にだろう。
「え!?爆弾ってあの!?」
サーシアはかなりの驚いていた。
どの爆弾かはわからないが多分そうだと思う。この世界で爆弾がどれだけ凄いのかいまいちわからない。やはりどれくらいの時代か聞いておかないとダメだろう。
「なぁ月野瀬。この世界がもとの世界の時代のどれくらいのものなんだ?」
「聞いた話では第一次世界大戦後くらいだと思う。帝国と呼ばれる国には機関銃があるらしい」
中世どころか近世じゃないか!ないわー。これではチートしづらいじゃないか。え、チートできるのかって?で、できるに決まってんだろ!た、多分……
ま、まぁそんなことはどうでもいいんだよ!時代はわかった。これなら爆弾はそこまで珍しくないはずだ。つまり数倍の方に驚いたということだ。
これなら説得できそうだ。
「そういうことでドラゴンをぶっ殺そうと思う」
「で、でも、実際にそれを見せてもらわないと信じられないわ」
もっともな話だ。森の中でできる限りぶっぱなしたくなかったんだが仕方ない。
祐也はあのロケットランチャーの中でも有名なRPG-7を創った。これもネトゲの知識といろいろ調べたおかげだ。FPS様々である。
ついでに音が凄く煩いっぽいからヘッドホン型の耳栓を創って二人に渡した。
「今から打つからテントの方にいっといてくれ。あと凄く煩いらしいからこれを耳に被せてくれ」
サーシアは使い方がよくわからなかったようだが、咲夜が着けてあげていた。
二人がつけたのを見てテントを横にしてRPGを構えた。後ろは危ないとネットで見たため横に向けて打たなくてはならいのだ。
祐也の腕には月の女神の弓が通されていた。ついでにこれで“必中”が発動するのか実験するつもりだった。
祐也は引き金を握る。“必中”の発動のサインであるスコープが出てきた。どうやら弓を実際使わなくても“必中”は発動するようだ。
だいたい木と木の間を通るようにして数十メートル先を狙う。
そして引き金を引いた。
―――ドォン
ヘッドホンをしていてもそれなりに音が聞こえてきた。
「なっ―――」
サーシアは口を開けて目を大きく見開いていた。隣の咲夜は目をキラキラさせて次は私に打たせてくれって顔をしていた。
「こんな感じだ。これの他にもいろいろ使ってドラゴンを殺そうと思うがどうかな?」
祐也の言葉を聞いて魂が抜けていたサーシアは正気に戻った。目を輝かせて。
「す、凄い……これなら、これなら殺れるわ」
RPGの威力を見てサーシアは大興奮であった。確信をもって言いきるのだった。
「そうだろ!三人でドラゴンを狩ろうじゃないか!」
「ええ!さすが私の弟よ!」
そう言って祐也に抱きついた。祐也の頭の中は煩悩で一杯になった。
家族になったからこそのスキンシップか。もう弟でもいいかもしれない。胸がないのが惜しいが。
「今余計なこと考えたでしょ」
「そ、そんなわけなななないだろ」
え、エスパー!なんでわかったし。顔に出てるって?さいですか……
「む……う、羨ましい」
咲夜がこっちを見ていた。
な、なんか恥ずかしい……急いで離れた。
「ゴホン。では二人には今から渡す武器を使えるようになってもらいます!」
祐也は気を取り直して武器の使い方を教える。とりあえず作戦で使う武器を創った。
創ったものはさっき見せたRPGに手榴弾、普通の時限式爆弾に目眩ましにスタングレネードを用意した。大量に。それと大きな樽に大量の火薬を積めた大樽爆弾足るものを創ってみた。何で創ったのかって?完全に趣味ですが。
「よし!じゃあさっそく使い方を教えるからこっちに来てくれ」
使い方を知らないと普通に死ぬ。そのレベルの武器だ。あ、サーシアそれ抜いちゃダメ!
武器をもって祐也が教えようとしていると、
「私は使い方を知ってるからいい。それよりも打たせてくれ!」
咲夜が催促した。どれだけ危ない物なのか分かってるんですかね?祐也がやっていたゲームはかなりリアルだったため、初心者の頃は使い方を間違えて仲間を殺したり自滅したりすることがよくあった。
足を引っ張らないように調べ回った結果、今の無駄知識があるのだから結果オーライだ。
……む、無駄知識じゃねーし!自分にツッコミをいれてどーすんだ。
「本当に使えるのか?失敗は全滅を意味するんだぞ?」
「ふっ私を誰だと思っているんだ。数あるFPSをやりこんだ女だぞ!」
な、なんだって~!ってそれは狩りゲーの時にゲーム好きって言ったようなもんだから分かってるけど、本当に大丈夫か?
「実は君とも対戦したことがあるんだぞ、万死の鷹の目さん」
「な、何でその名を……」
万死の鷹の目とはやってたゲームでの祐也の二つ名だ。スナイパーなのに爆弾使ったり、敵に突っ込んだり無茶なプレーばかりしてたのにも関わらず死ぬことなく生還したことから、どんな武器を使っても相手を殺せるスナイパーで万死の鷹の目と呼ばれるようになった。
はっきり言って超恥ずかしい。ゲームの時は良かったが現実では呼んでほしくない。羞恥心で死ぬ!
「万死の鷹の目ってなに?」
このままではいけない!サーシアが興味を持ってしまった。咲夜はこうなることを予知していた。
至急話を変えなくてはならない。
「よ、よし!月野瀬。武器を貸すから少し離れたところでゲームと現実の違いを確認してくれ!一応注意だけはしろよ」
「わかった!」
咲夜は武器を受けとると何処かへ行った。これでひと安心だ。あとで余計なこと口走らないように注意しないとな。
「じゃあ武器の説明と各種取り扱いの注意を始めるから」
祐也は説明を始めようとした。だがサーシアに止められる。
「万死の鷹の目ってなに?」
「……これがさっき見せた武器でRPGって――」
祐也は聞こえない振りをして説明を進めようとした。またもやサーシアに止められてしまう。
「万死の鷹の目ってなに?」
今度は満面の笑みで聞いてきた。ただし目は笑っていない。次言わなかったらどうなるかわかってるよねって雰囲気だ。
祐也は諦めて白状することにした。
「俺の向こうの世界での二つ名だ。恥ずかしいからあんまり好きじゃないんだ」
嘘だ。実はかなり気に入っていた。ただ恥ずかしいだけである。
「ふーん。それだけ?」
聞いておいてそれだけってなんか酷い。こっちは友達を家に呼んだ時に黒歴史ノートを見られたのと同じ気分だったのに。見られたことないからどんな気分かわからないけど。
「それだけ。むしろ何でそんなに気になったわけ?」
サーシアはそっぽ向いて小さい声で早口に行った。
「なんか仲間外れみたいで嫌だったからよ」
「なんて?」
さっきからずっと爆発音が煩いせいで聞こえなかった。なんだよ、この爆発音……あ、月野瀬か。
派手にやりすぎだろ……
「何でもない!それよりも早く教えて」
少し頬を赤く染めて祐也を急かした。自分は追及するくせに聞き返した程度で逃げるとは……解せぬ。
ま、まぁ優しいから追及はしないであげよう。ついでに二つ名のことを忘れていただけるとありがたい。
祐也は気を取り直して説明を始めた。
「さっきも言ったけどこれがRPGだ。この引き金を引くとさっきみたいにこのロケット弾が飛んでいく」
サーシアはここを押しただけで……と興味津々に引き金を見ていた。はいそこ!引き金を引こうとしない!危ないから本気でやめて!
「注意点だけど絶対に後ろに誰もいないか確認すること」
「何で後ろなのよ。このロケット弾っていうのが飛ぶのは前でしょ?」
これが陥りがちなミスだ。祐也もゲーム始めたての時はこれで仲間を殺しまくったもんだ。
「それはだな、そもそもこのロケット弾を飛ばすと大きな反動があるんだ。その反動を無くすために後ろからも同じ大きさの反動を出して相殺してるんだ。だからすぐ後ろに人がいると反動でぶっ飛ぶって訳」
今考えると上手く出来てるよな。作用反作用の法則を用いてとか始めに作ったやつ絶対変態だな。違いない。天才と変態は同じようなものだからな。
「うーん……よく分からないけど後ろに人がいないか気を付ければいいのね!」
「そうそう」
さすがのサーシアでも未来の知識は理解できないようだが、後ろに人がいる状態で打たないことを理解してくれたら問題はない。
そうして実際使ってみたりしながら着々と進んでいった。最終的に説明が終わったのは日が暮れる直前だった。たまにサーシアが変なところを触って死にかけたのは別の話だ。
「ただいま戻った……ってどうしたんだ二人とも!」
二人ともぐったりしていた。
祐也はサーシアが度々変なところを触るため、死なないようにするのに必死だった。サーシアは見たことのない武器に聞いたことのない知識を詰め込まれて頭の要領がパンクしそうだった。
つまり、二人とも疲れはてていた。
それに比べて咲夜は満足気な表情だ。アニメなら肌がつるつるしていただろう。実際は泥まみれで服も穴だらけだが。
祐也は見てられなかったため服の替えを創ろうとした。
――――グゥ~
でもお腹が減って何も出来なかった。やろうと思えば出来るのだろうが、そのやろうという気が起きなかった。疲れと空腹は時に童貞の性欲をも上回るのだった。
「私で良ければ何か作るが?」
腹の音を聞いて咲夜は提案した。二人は腹の音で返事をした。
別に返事をしたかった訳ではない。ただ返事するタイミングでお腹が鳴っただけだ。いったい誰に言い訳しているのだろうか。
「では食材だが、どうすればいい?」
食材は次元倉庫の中に入っているからここにはない。サーシアは急いで自分の次元倉庫から食材を出した。解体はまだ済んでいない。
「……神凪!解体用のナイフを貸してくれ」
「できるのか?」
普通の高校生は解体なんてできない。祐也の疑問はもっともだった。
「嗜む程度だがな」
だが月野瀬咲夜という女性は異常だった。
そう言えば武家の娘だったな。てか嗜むってなに。解体の何を嗜むんだよ!
でも出来るならそれでいいか。うんそれでいい。お腹が減りすぎてどうでもよくなっていた。
祐也はナイフを渡して全部任せることにして、自分は寝ることにした。
調理道具は一式揃ってるし大丈夫だろ。
祐也は瞼を閉じた。ドンドンという爆発音が良いBGMになって寝やす……くねぇ。煩い!なんだこの爆発音。
咲夜は気にした素振りを見せずに料理を続けていた。ということは犯人は一人しかいない。
お腹が空いて動けないはずの女がいなかった。
祐也は急いで音のする方へ走った。音の先には案の定サーシアが使い方を覚えたての武器を練習していた。そのせいで木々は吹き飛ばされちょっとした広場のようになっていた。
最初はすぐに止めようと思ったが真剣な表情を見て止めるのをやめた。
しばらく爆発音が続いた。祐也は耳にヘッドホンをつけていた。当然だ。長時間聞いていたら耳がおかしくなってしまう。
「もう満足したか?」
サーシアが止めたタイミングを見計らって声をかけた。それにしても異様なほど上達が早い。装填のスピードとか、手榴弾を投げるのも最初は変な方向ばっかりにいっていたのに今では狙ったところにいっている。
見てる側からしたら驚きだった。
ちなみに時間は夜だが光源があってよく見える。多分照明魔法か何かだろう。
サーシアは祐也に気付くと武器を仕舞って近付いてきた。
「ええ。だいぶ武器の扱いにも慣れてきたし、これなら殺れるわ」
「お、おう」
目がギラついて怖い。
「俺達もご飯作るの手伝いに行こう。あの量を一人はかなり時間がかかるし」
慣れてきても一苦労の量だ。さすがに任せっきりは忍びない。
「そうね。それにお腹空いたから早く食べたいわ」
お腹空いたという言葉に苦笑い。
食べる量を考えただけで……うっ
「早く行くわよ」
二人はテントに戻っていった。
そこにはテーブル一杯の料理が広がっている。な、何でこの短時間で。いったいどうやって。
「遅い。待ちわびたぞ」
「ご、ごめん。でも一人でこの時間でこの量を」
不思議でならなかった。 自分でもこの量をこの時間では不可能だ。咲夜の方が料理が上手いと言われればそれまでだが、なにかおかしい気がする。
「それは特技の“料理 中級”のおかげだ」
「“料理 中級”って……てかどうやって手に入れたんだ?」
どんな特技かはだいたいイメージがつく。料理の速度が上がったり美味しくなったりするのだろう。
それはいい。でも問題はどうやって手に入れたかだ。覚えるの方法があるなら是非とも覚えたい。今後料理をし続けるなら。
だが祐也の希望は儚く消え去る。
「これもあの商人から奪ったんだ。とりあえず実験で作ってみたが、料理初心者がここまでできるようになった」
がっかりした。やっぱりその能力いいなー。超羨ましい。初心者からここまで作れるようになるまでどれくらいの努力が必要だと思っているんだ!
努力を嘲笑うかのような能力だなほんと。
「ん~美味しい!」
サーシアは先にテーブルに座って食べていた。美味しそうに食べている。もう特技のことなんてどうでもいいや。いや、あとで詳しく話を聞くことにしよう。
「俺達も早く食べようか」
じゃないと全部食欲魔人の腹の中に入ってしまう。既に四分の一ほど無くなってるし。
二人は急いでテーブルについて食べ始めた。この後サーシアのおかわりに次ぐおかわりで咲夜が作らされ続けたのは言うまでもない。
ただいま二人はお風呂に入っている。祐也はお湯の準備だけしてテントの中で作戦を考えていた。
一緒に入らないのかって?そんなことできるわけないだろ!覗きもしない。
とりあえずボロボロの制服の代わりになる服を創っておいた。軍服のコスプレみたいな服にしてみた。祐也の趣味だ。
話が逸れたな。作戦だ作戦。
どうやらドラゴンは火を吹くらしい。当たり前か。この火をどうやって防ぐかだが、全く思いつかない。下手な装備では装備ごと人を焼くらしい。
現代の防火装備と言えば消防士の服だろうがこれもさっき試した。装備には耐性値というものがあるらしいがこの世界基準ではあまり高くは無いそうだ。つまりただのコスプレになっていた。
祐也からするとそれはそれで美味しかったのだが。
となると本格的に火を防ぐ方法がない。詰んできた。倒す手だてはあるがどうしても防御が足りない。
祐也の目標はドラゴンの蹂躙だ。命を懸けるつもりなんて微塵もない。いや、命を懸けるしかないならそうするが。どうにか手はないものだろうか……
いっそのことゲームの装備とかどうだろうか。気分だけでも火耐性的な。どうせなに着ても一緒なら気持ちよく戦いたい。コスプレしてドラゴン討伐とかドラゴンを舐めすぎだな。
物は試しということでとりあえず狩りゲーの火耐性が高い装備を創ってみた。もちろん女性用。
できたものはずっしりとしていて布で出来てるとは思えないほど素材を使った鎧感が出ていた。触ってみると蛇の鱗を触っている気がした。
……なにこれ?
祐也の頭の中は疑問で一杯になった。
こんな肌触り知らないし、見たことない。と、とりあえず、性能を確認してみなくては。
性能は管理魔法で確認でき耐性値の上限は100だそう。ちなみに消防士の服は全体で火耐性14だった。一つ辺りは3程度だった気がする。ドラゴンの火に耐えるには少なくても全体で火耐性50はいるらしい。
この装備はどれくらいだろうか。
蒼炎王のメイル
火耐性15
水耐性0
土耐性0
風耐性4
光耐性3
闇耐性0
火耐性たっか!1つで消防士の服越えてるし。ちなみにこの六属性はこの世界の主属性で他の属性を使える人は殆どいないらしい。
それにしてもなんという火耐性だ。コスプレなんて言ってられない性能だ。創るには詳しいことを知ってる必要があるのだと思っていたが、何故これが創れたのだろうか。材料を知ってるからか?よくわからん。
だがこれで防御面もクリアした。
ふふっはははははは……蹂躙してやるぞドラゴンめ!なんか魔王みたいだな。
あ、このメイルのこと二人に報告しないと!
祐也はテントの外に出た。二人がお風呂に入っていることをすっかり忘れているようだった。
「二人とも!装備ができ……」
そして見てから思い出した。目の前には二人の裸があった。目に優しい光景だな~。祐也は現実逃避をした。
「ど、どういうつもり!」
雰囲気作りのために創った洗面器が飛んできた。顔に当たった。痛い。怒ったのは意外なことにサーシアだった。咲夜は顔色を変えない。さすが武家の娘だ。ドラム缶風呂だからというのもあるかもしれないが。
それにしてもなんでサーシアが起こっているんだ?昨日とか普通に一緒に入ってたじゃん。もう見飽きたって。嘘です。眼福でございます。
「家族以外の女性の裸を見るのはダメに決まってるでしょ!」
という話ならしい……。むしろサーシアさんなら見ても良いんですか!それにしても二人のプロポーションの違いが凄い。
ぺったん壁のサーシアとゆったり曲線の大和撫子月野瀬。な、なんて差だ!戦力差は歴然だ。
「私は別に見られても構わないぞ。見られて恥ずかしい体はしていないからな」
咲夜は胸を張って言った。胸がでかい。
ってそうじゃない。もう少し恥じらいを持ってほしい。これが曲線持ちの余裕か。でも恥じらいは重要なのだ。服を着てなかったら手で上と下の大事な部分を隠してもらわないと困るのだ。困らないが。
「い、いつまでいるのよ!」
魔法が飛んできそうだったので急いでテントの中に戻った。
祐也はテントの中で装備創りに精を出した。出来る限り二人に似合うように創った。多少のフォルム変更はできるみたいだ。火耐性が14になっていたけど1くらいいいよね。
当日のモチベーションの方が大切だ。
「それで、さっきはどういうことだったのかしら……ただ覗きただけとか言ったら……」
二人はお風呂から上がったようだ。服を着てタオルを首に巻いている。女性の湯上がりって何故こんなに興奮してしまうのだろうか。
正直入浴時よりも好きかもしれない。
おっと、質問に答えないと殺されそうだ。
「火耐性の高い装備ができたから見せようと思って」
祐也は可愛くなった方のメイルを渡した。
「これが。火耐性は14?さっきと同じじゃないの」
わかってないな~
「これはメイルだけでだろ?あとアームとフォールドとヘルムとグリーヴがある。全部火耐性14だ。合計すると」
「な―――」
サーシアは言葉を失った。今日何度目かわからない絶句だ。
「おぉ!これは蒼炎王シリーズじゃないか!む、何故可愛くなっているのだ!」
「俺の趣味だ!」
可愛くなったことに不満があるらしいがそれでもゲームの装備を現実で使えることに喜んでいた。テンション上がりすぎて煩い。
「ふふふ……これなら一方的に殺れるわ!待ってなさい、ブルードラゴン!」
サーシアは変なところを向いて叫ぶのだった。
「お、おう」
祐也は内心二人の戦闘狂に引いていた。
このまま仲間全員が戦闘狂とかやだぞ……




