サイカイ
次に来たのは、学習参考書・語学・ビジネス書コーナー。
「ねえ、一回休憩しましょう」
「えーっ、まだ二つ目だぞ」
「もう疲れた、コーヒー飲みたいケーキ食べたい帰りたい」
こいつ、カフェでゆっくりしてから帰るつもりだな。
「はいはい、あとでいくから。ちょっと我慢してなさい」
なんか保護者みたいな感じだ。
「あらあら、聞き覚えのある声がすると思ったら中仁とお付きのサクラさんじゃない」
「誰がお付きですか、生駒先輩。私たちは二人で仲良く買い物していたんですけど」
「あらそうだったの、入り口付近でじゃんけんしていたからてっきり回る方法を選んでると思ったんだけど」
「うっ…それは」
怖え、あれ全部見てたのか。こういうのがあるからこの人怖いんだよな。
「やあ、中仁君。久しぶり」
いきなり、長身で細身の男性が声をかけてきた。
「あっ、八伏先輩。お久しぶりです」
「うん、元気そうでなによりだよ。しかし相変わらず仲が悪いね、この二人は」
「ですね。なんでなんでしょう」
「中仁君、ラノベ主人公以外でそこまで鈍感だともはや病気だよ。勘違いしてうきうきしているほうがまだ健全だよ」
「えっ、そこまでですか。ひどい」
というか、俺はなにに疎いんだ。
「そうそう、中仁君。昔、よりを戻してて言ったけどあれからメイちゃん聞きに来ないしもういいわ」
「そういえば、ありましたね。そういうの」
「はあ、ちょっと中仁それどういうこと?聞いてないんだけど」
「いやいや、なんでわざわざサクラに言わなきゃいけないんだよ」
「本っ当に昔からそういうところあるよね」
「そうねえ、こう。さっぱりしているわね、昔から。たとえるなら、魚介系スープの塩ラーメンみたいな」
人のことを魚介系スープの塩ラーメンって、味が想像しづらいからわからない。
「わかりますそれ!」
わかるんかい!
「というか中仁って読みにくいし、打ちづらいのよ」
「なんで、いきなり名前の否定なんだよ!」
「事実でしょうが!」
「まあまあ、二人とも落ち着いて」
「あんたは黙ってろ!」
「ぶへっ」
気がつけば、二人で八伏先輩に腹パンを決めていた。
あっ……、やばい。
「お前ら、いい加減にしろ!!」
その後滅茶苦茶怒られた。




