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集合

「ああ、きたきた。遅い」

「そういわれても……」

そういわれても、こっちは猟犬を相手にしてたんだからそれぐらいは考慮してほしい。

というか、卯月さん、よくわからないんだよな。

アイスをおごって懐柔してからなんで追いかけてきたのか聞いても「面白いから」としか言わなかったし。そのあともなんか満足した感じで普通に帰っていったし。何がしたかったんだろう。

「そういえば、忍はどうやって巻いたの?」

「うーんとねぇ……内緒!」

「ああ、そう」

たぶんこれは聞かない方がいいな。

「やっぱりこっの方がいいよ」

「何が?」

「しゃべり方がときどきね、ですますの優しいしゃべり方じゃなくて男の子らしいしゃべり方に変わるの」

そう言われてはじめて気づいた。ここ最近、従者らしいしゃべり方ではなくいつも友達としゃべる話し方になっていた。

「普通の方がいい?」

「うーん、紳士的なしゃべり方も捨てがたいけど一人称が俺になってる方が個人的には好きかな」

そんな、アイスを決めるみたいにしゃべり方を考えられても困るけど、でもそっちがいいならいつも通り話そうかな。

「なんだろう、優しいイメージもつくけどその代わりちょっと壁というか距離を感じちゃうんだよね。なんせ、半年同盟で紅一点だから。みんな、どう接していいかわからないみたい。私とか忍ちゃんとかひかりちゃんはなれてるけど特にマチちゃんは人見知りしちゃうから」

ああ、なるほど。

今日、集まったときの遠慮された感じはそういうことだったのか。馴染めた感があるって勝手に思ってたけどまだ、1ヶ月ぐらいの付き合いだもんな。

「私はね。楽しいならなんでもいいって思えるし、今の状況も楽しいけどせっかくならみんなにも一緒に楽しんでほしいから……だから、なつき君はなつき君らしくいればいいよ」

自分の知らないところで気を使われてたなんてなんか情けないな。

いつか、この気持ちは返せるのだろうか。

「ありがとう」

そう小さく呟いた。

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