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朝に

「ううっ、眠れなかった」

「どうして?」

どうしてって…それは昨日の夜におじさんたちがあんなモヤモヤする話をするからでしょうが!

それなのに、どうしてそんなに何事もなかったような顔をしているの。私がどれだけあのタイトルを答えたかったか…

「はぁ、もういい」

「えっ、何が?」

「そういうのは黙って流してあげるほうがいいわ。」

出たな、課題怪獣生駒……さん。

私は心の中で特撮ヒーローみたいに指先をピンッと伸ばして構える。

「まぁ、でも眠れないほどの元気があるなら今日は倍ほどやっても大丈夫ね」

生駒さんはニコッと私を見ながら微笑んだ。

あぁ、今日は勉強のしすぎで死ぬかもしれない。いや、間違いなく私死ぬ。

「ふあぁっ、おはよう」

「おはよう、サクラ。どうしてそんなに眠そうなの?」

「どうしてって、まずあんな時間まで起きてて全く眠そうじゃないって言うのもおかしいと思いますよ。それにあんな、もやっとする解答で眠れるほうがおかしい…です」

サクラさんはまだ眠たいのか涙目であくびをした。

「まあ、気持ちはわからなくないけどあんだけ悪酔いしてうざがらみしておいてよく言うよ」

「えっ?なんのこと」

「ほら、やっぱり覚えてない」

そういうと、おじさんはすぐにスマホをさわり始めた。

「ほいっ」といって一本の動画を私たちに見せてくれた。

そこに写っていたのはおっさん口調で最近のマンガやアニメについて話すサクラさんがいた。

「えー」

「メイちゃん、お願いだから引かないで本当にお願いだから」

「いやぁ、お酒で人が変わる人がいるって聞いたことはありましたけどこれはちょっと……」

「姪よ。いいか、これがこいつの本当の姿だ」

「あっ、うん…はい」

なんとなく、察してしまった。

「さぁさぁ、早く作ってくれよ朝食担当」

「何で私が」

サクラさんはおじさんに不服そうな顔をしている。

「ちゃんと言質はとってるからな。ほら」

再び、おじさんが動画を見せる。

「ううっ、次は絶対に飲みすぎないわ」

「ははっ、言ってろ。もうこれで10回は越えてるけどな」

「いーや、次はなんとかする。見ておきなさい」

サクラさんはおじさんを指差しながらそう言った。

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