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辛辣
「おじさんの中二病ってどんなのだったの?」
「どうしたの急に」
「いやあ、新型中二病になるにあたって他人の中二病のこと知らないとできないでしょ」
たしかに、ほかの人をまねるというのはいい考えかもしれない。今度自分が何か書くときは法律に引っかからない程度に真似をしてみてもいいかもしれない。
「俺の場合は一般的なやつだな。邪気眼とか封印されし左手とか、あと良さとかわからないのに洋楽聞いてみたりぐらいかな」
それ以外に自分がやった痛々しい行為が思い当たらない。
洋楽についてはそれ自体というよりも思い込みで語った批評が痛かった。
ただ、姪は気に入らなかったようで大きくため息をついた。
「はあー、そんな平凡な中二病だから書籍化すらされないのよ」
まさか、中二病で人生を否定されるとは思いもよりませんでした。




