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テスト勉強3

「さあ、休憩終わり。勉強始めるよ」

 「はーい」と返事はしているもののやる気は感じられない。

 まあ、鬼コーチがこればなんとかなるだろう。

ピンポーン

 噂をすればなんとやら。

 おれはすぐに玄関へと向かった。

「はい、どうぞ」

「ごめんなさい、遅くなっちゃって」

「こちらこそすいません。急に呼んでしまって」

「いいのいいの。送られてきた答案見てたら急にやる気出てきちゃって」

 なんと素晴らしい。先輩は塾界に降り立った女神なのかもしれない。さらにだめな子を見捨てないどころか何とかしてやろうという考え方は教育者の鏡だと言えるだろう。

 そんな先輩とさらにもう一人強い味方がいる。

「おじゃましまーす」

 きたきた。われらが鬼コーチの登場だ。上半期同盟の中ではヒカリ様が一番近い性格をしている。

「お前なあ、いくら家にいるときは鍵を閉めないからと言って入っていいわけじゃないからな」

「まあ、いいだろ。今に始まったことじゃないし」

 それはそうだけど…。ぜひとも彼には親しき中にも礼儀ありという言葉を覚えてほしいといいたい。ただ、彼は本当に気にするところはちゃんと引くタイプだ。

 そんな話よりも、今は一秒も無駄にはできないのですぐに二人を案内する。

「とりあえず、二人にはこの子たちがわからないところを聞いてもらってそれを答えてもらうということで。お願いします」

 そういうと、二人は「はーい」と答えてすぐに配置についてくれた。

 おれは、四人分のコーヒーを用意する。

「あのう、ココがワカリません」

「どれどれ、ふんふん。ああ、これは他動詞だからこうして…そうそうそう」

 マチちゃんと先輩の組み合わせはとても絵になるなあ。

「はあ。なんかこう、絵になりすぎてため息しか出ないな」

「同感」

「僕もそう思います」

「うわっ、いきなり会話に参加してこないでくれよ」

 心臓に悪すぎる。

「おじさん、喉乾いた」

「お茶なら冷蔵庫にあるだろ」

「コーヒー飲みたい」

「いつも飲まないじゃないか」

「それでも飲みたい」

 姪がめずらしくダダこねる。

「コーヒーはもう少し時間がかかるから今はお茶を飲んどいてくれ」

「ちょっと、そこ!しゃべってないで手伝ってよ」

 四人そろって「はーい」と返事する。

さっきまで絶望的だったテスト勉強も何とかなりそうだ。

このまま、みんなと先輩が仲良くなってくれればいいのだけれど…。

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