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テスト勉強2

とりあえず、勉強させないとまずい。このままだと過去最低点をたたき出してもおかしくない。

「はーい。全員注目!!」

 さっきまで撃沈していた4人が顔だけをこっちに向ける。

捕食していたゾンビが次の獲物を見つけたときってこんな感じだよな。

まあ、それ以上の印象も面白さもないんだけど。

とりあえず、こんな時のために暇な時間を使って中学校の内容の復讐はしてある。もっと言えば参考書の準備もばっちりだ。

「じゃあ、今から三十分でこの問題を解いて」

 そういって、コピーしておいた用紙を配る。

5分程度で解ける小テストを5教科分配ってある。

この結果次第で、教師役を増やすかどうか考えないといけない。

「よーいスタート」


<30分後>


「はーい終了」

「えーっ、もう時間?はやーい」

「早くない。むしろ、時間余ったぐらいだろ。とりあえず採点してくるから待ってて」


<さらに10分後>


「はあーっ」

「はあ」

 なつき君も続けてため息をつく。

 いや、まあ。予想していたよ、予想はしてたけど…。

これは酷い。

「ねえ、おじさんどうだった」

 姪よ、お前の自信はどこから来るんだ。

「とりあえず、結果発表」

 「はーい」と4人が返事する。

「まあ、ある意味予想通りなんだけど。マチちゃんは英語で一さんは国語が弱いかな」

 まあ、弱い程度で済んでるから何とかなりそうだ。

「じゃあ、わたしはわたし!!」

 だから、その自信はどこからくるんだ。

「お前はまんべんなく悪い」

「うそ…でしょ…」

「ほらっ」

 採点したテストをすべて見せる。

10点満点中オール3点だ。

「やばいやばいやばい。お母さんに殺される」

「メイは馬鹿だなあ。もしかしたら、あたしよりもひどいんじゃないか」

 「そんな…」といって姪は床に手をつく。

それぐらいショックだったんだな、だが安心しろ卯月ちゃんはもっとひどいから。

「卯月ちゃん、人のこと言えないよ。君はオール0だから」

「えっ…」

 「ほらっ」といってプリントを見せる。

プリントには×がいっぱいである。

「そんな…」といって卯月ちゃんは姪の隣で床に手をつく。

 この二人は姉妹みたいで見ていて飽きない。

「まだ、間違えるだけならいいよ。でも、これは酷いよ。例えばこれね」

 次の式を計算しなさい。

2x+3y+4z-4z-3y


「普通は同類項で固めて足し算するから答えは2xだ。で、君が書いた答えが…」

 =2

「まあ、いいよ。たぶん書き忘れだよね。数学はこんなのばっかりだから仕方ないよ。というか、注意してとしか言いようがないよ。でも、英語はミスじゃないよね」

 次の英文を訳しなさい。

He will play baseball next Monday.

「未来形で「でしょう」ってなってあとはそのまま訳すから。答えは「彼は次の月曜日に野球をするでしょう。」もしくは、断定でもいいから「彼は次の月曜日に野球をする。」が正解ね。で君が書いた答えが」

 

次の英文を訳しなさい。

 彼は、ウィルと言って、野球をしています次の打者はモンダです。


「意味わかんないよ。どこから言葉引っ張ってきてんだよ。まだ、前半はいいよwillがわからないんだねで済むよ。問題は後半だよ。打者って表現どこから来たんだよ、しかもモンダって誰だよ!!」

「いやあ、その…」

「まあ、いいよ。単語がわからないなら覚えて何とかしようってなるよ。で、国語の評論文で君なんて書いたか覚えている」


 次の分から適当な語句を文章中から探し抜き出して書きなさい。


近代美術や現代美術のことを言い、ゴッホやゴヤも含まれている。


「文章中にしっかり書いてあるから、見つけて書くだけだよ。答えはモダンアートだ。なのに君は」

 

モンダアート


「モンダーっ!!まあ、いいよ。数学と同じで書き間違いでだと思ったよ。次の答えを見るまでは」


 作者の考えを20字以内で書きなさい。


 モンダ…お前だったのか…


「なんでごんぎつね調なんだよ。作者間違いなくモンダ撃ったよ。モンダ死んじゃったよ。殺人事件だよ!!」

「で最後の問題、サービス問題だよ。何かいてもいい問題だよ。なのに書いた答えが」

 

この文を読んだ感想を書きなさい。


そういえば…モンダって誰だ?


「聞いちゃったよ。こっちがだれだか聞きてーよ!!というか感想じゃねえじゃねえか」

 

こうして、おじさんの華麗なツッコミとともに波乱のテスト勉強が幕を開けました。

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