姪の友達(六月佳也子《むつきかやこ》の場合)
「えーっと、次は天然の子かな」
「えーっ、わたし天然じゃありませんよー」
とても間延びした声で帰ってくる。
「ヒカリさん、もしかして彼女…」
「もし、今考えていることが一緒ならその通りですよ。彼女は六月佳也子さんは天然なのに天然じゃないって言い張る子です」
ですよね~。
というか、それって○○系女子キャラじゃなくてもただよくある話なのでは。
まあ、現役女子中学生の考えることだ。あまり触れないでおこう。乙女心とか気づつけても嫌だし。
「じゃあ、次にいこう。あっ、これで全員か」
上半期ということならこれで全員になるのか。
一月花(一月)、マーチ・F・オルコット(三月)、卯月春香(四月)、神田メイ(五月)、六月佳也子(六月)、あとは余っている二月で名前になりそうなのは如月だから…。
「ヒカリさんは如月が苗字かな」
「正解です」
「よし、これで全員かな」
「一人忘れてますよ」
「・・・」
部屋の空気が凍り付いてしまった。
そうか、キャラに見える系の子を忘れてた。
見た目も特に特徴はなかったから。
「あれ、上半期同盟なのに七人いるんだ。おっかしいな・・・」
部屋に微妙な空気が流れる。これって、もしかしておれ地雷踏んだ?やばいかも。
「はあー」
キャラに見える系の子が大きくため息をつく。
「どうせ私は名前もキャラもかぶって存在感のない人間ですよ」
やだ、この子超卑屈!!
あとから、聞いた話だが彼女は弥生葉月というらしい。つまり、三月かぶりの下半期である八月が埋まっている状態だ。
これだけ、濃いキャラに囲まれていたら卑屈になるのも無理はないのかもしれない。
今回姪の友達と会ってわかったことが一つある。
それは、姪の友達の心の闇は深いということです。




