前振り
「さぁさぁ、おじさん」
「はいはい、なんでしょう」
「やってきましたよ、この季節が」
「なんの季節が?」
「メタ発言とパロディーで乗り切る季節が!!」
「………それは違うんじゃないかな」
いきなりなんだよ。
「いやいや、思い返してみてよ」
「去年の今頃は本屋だったような?」
「確かに…じゃあ新年を思いだして」
えーっと…去年の新年は
「明けましておめでとうございまーす」
「あれっ?今って6月じゃなかったっけ」
「なにを言ってるの?新年だよ1月1日だよ」
「なるほど………」
メイから手渡されたカレンダーと電波時計はちゃんと1月1日を指していた。電波時計の受信ボタンを連打してみたが結果は変わらなかった。
「おかしいなぁ。俺の記憶では6月で本屋の帰りにみんなが家に来るはずだったのにそこからの記憶がない」
「そこは気にしない気にしない。本編ルートの私たちが仕事をしてくれるはず」
「本編ルート!?」
「ふっ、いつから私たちが通常ルートの自分たちだと錯覚していた」
「いや、そういう話じゃないから」
あと別の人類五秒前説?みたいなやつでも話でもないから。
「いやー、去年はいろいろとありましたねー」
「例えば?」
「連載途中のスタート、『perfectdivide』の読みきりサイズでの終了、作者のエッセイ連載、艦これにはまりすぎて連載を飛ばす、400字程度毎日から1000字程度の週一連載、そしてまったく反省せずに始める『リバーシ・ゲーム』連載開始等々卓さんありましたよ」
「それは、俺たちのいろいろあったじゃないから」
「チッチッチ」
メイがどや顔で人差し指を左右に振る。
「わかってないなぁ。おじさんは」
「何が?」
「突然のてこ入れ、突然のシュールストーリー、そして数々のパロディ、しまいには無理矢理話を合わせるためにぶちこんだ生駒先生の『あれいいわ』発言、こちらは大変迷惑を被ってます」
「ちょっと待て、なんの話を…」
「それだけじゃない!!」
まだ、続けるのね。
「大量に量産される女性キャラ、そして期待してもこないハーレム展開」
「いや、誰も期待してないだろ」
「まだ、登場するだけならまだしもほとんど消えつつある『半年同盟』のメンバー。私の友達を返せ!!」
「もう、本当になにいってんの」
「そして、最大の問題は私の見た目人によって違いすぎるんじゃないか説!!」
「それは間違いねぇ!」
というか、容姿について説明したことがほとんどない。
「まだ、卯月と葉月はいいよ。バスケで有名な黒いのと青いのを中学女子にすればいいんだから」
確かに。
「マチちゃんにいたっては引っ込み思案の外人を想像すればほとんどいいし、忍ちゃんなんて忍者ぽければ何でもいいし」
キャラも強めだしね。
「それに比べて私たちは登場回数がおおいわりにキャラ崩壊も多いから、たぶん私のイメージは眼帯とロングヘアーになっててもおかしくないよ!!」
「当初は〇〇にゃんスタイルを予定してたのにな!!」
「作者だって頑張ったよ。頑張って絵をつけようと〇〇〇教信者の絵をトレースしてでも頑張ってくれたよ」
「何だって!!」
「肩と首が直行するレベルの画力の作者がだよ。それは壮絶だったよ。線をなぞるだけでも大変なのに眼帯をつけようと必死にやったけど土台がないからただのコピーしかできない。つまり!!事実上の著作権侵害」
「もう絶望的だ!!」
「ということで挿し絵お待ちしております」
「こんな感じで今年ももやっていきます。よろしくね」
「ってな感じだったわけですよ」
「全文の振り返りいる?」
「チッチッチ」
メイがどや顔で人差し指を左右に振る。
懐かしい。
「どうせ、今年最後は振り返るんだから。前振りぐらいしておかないと」
「メイさんまじぱないっす」




