大富豪
「はい、あがり」
そう言いながら、最後の一枚だったハートの6を捨てた。
サクラとゆうちゃん、それからメイの三人はお互いの手札の数を確認しながら必死に作戦を練っている。
「じゃあ、次は私ですね。8切りの10が3枚であがりです」
「えーっと、流れるから。私の番で3を三枚」
「うーん」とサクラがうなり声をあげる。
「Kを二枚」
「……」
「はい、7であがり。やったー」
「ああ、もう。負けたー。っていうか、中仁が強すぎ」
「いやいや、みんなが弱すぎるだけでしょ。弱いカード《リスク》を先に切って勝ち筋を決めれば余裕でしょ」
「なるほど、その手がありましたか。中仁先輩、次は勝ちますよ」
「なんか、腹立つー」
「はい、サクラは早く配って」
「あっ、はい」
サクラは素早くカードを配り始める。
「そうだ、せっかくだから。ルール増やさない?」
「じゃあ、どうするの?」
「ローカルルールをたくさん追加します」
追加ルール
・7ワタシ…出した七の数だけ次の人に渡せるぞ
・99《キュウキュウシャ》…場を流すぞ
・10捨てだした数だけカードを捨てられるぞ
・階段革命…四枚以上の階段で革命がおこるぞ
「それから、元から入ってるスペード3や8切り、革命はそのままね」
ー10分後ー
「はい、あがり」
「あれぇ?」




