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ゲームpart2 非日常編

  家庭裁判 開廷!!

「さて、まずは家庭裁判の簡単なルール確認から始めましょう。家庭裁判の結果は黒の自白により決まります。黒が自白もしくは決定的な証拠があれば黒だけがお仕置き。だけど、自白もしくは証拠を提示できなければ黒の無罪放免となりまーす!」

「じゃあ、まずは本当に徹ゲーをしたかどうかだね」

「別に徹夜でゲームなんてしてないよ。ほら見てこんなに『ピンピンしてる』んだよ」

「それは違うよ!」

〈ブレイク!〉

「それは、いまでこそいつも通りに話しているけど朝はそうじゃなかった。目覚めだけはいいはずのメイがぐったりしているわけがないよ」

「それはちょっと体調が悪いだけで……」

「それは朝一で自分が否定してたじゃないか」

「うっ!はい、あれから少しゲームをしてました。どうしても、キリのいいところまでいいところまで行きたくて……」

「うんうん、あるよね」

 サクラが人形を外して同意していた。

「ほら、中仁。自白したんだからそれぐらい許してあげなさいよ」

 本当に、これで終わりにしてしまっていいのか?まだ何かあるような……そうか!解ったぞ!

「止めたのは一、二時間後?」

「たぶんそれぐらいだったよ」

「それは、おかしいよ。だって、俺は3時に物音を聞いているんだ。声をかけたのは10時頃だったはずだから一、二時間少し伸びて三時間経っても3時に起きているはずがないよ」

「そもそも、その物音だって気のせいかもしれないじゃない」

「そうだ、そうだ」

 なぜ、一対二に?

 たぶん『あれ』と組み合わせると物音の証拠になるはずなんだ。

「それに、物音自体が本当かどうか怪しいよおじさん」

「そうよ。メイちゃんの言う通り、パンを食べた証拠なんてないはずよ」

「『証拠がない』のにいうなんてひどいよ」

「証拠がならあるよ。牛乳が少しとパンが二個減っていたんだ」

「え?どういうことそれは気のせいじゃないの」

 しまった、これじゃあ決定的にならない。

 別でもっと決定的なものがあるはずなんだ。

 そこに『あれ』があったという事実が。

「そもそも、その物音だって気のせいかもしれないじゃない」

「そうだ、そうだ」

「それに、物音自体が本当かどうか怪しいよおじさん」

「そうよ。メイちゃんの言う通り、パンを食べた証拠なんてないはずよ」

「『証拠がない』のにいうなんてひどいよ」

「証拠ならあるよ。ゲーム機の前にパンくずが落ちていたんだ。昨日は朝ごはんを食べてすぐに家を出たはずだから朝は部屋でパンを食べるはずがないよ。仮に帰ってきてから食べたとすれば昨日の晩声をかけたときに気づくはずなんだ。どう、なにか反論がある?」

「いいえ、ないです。そうです、実は夜遅くまでゲームそのまま朝を迎えてしまったので最初は休みだから寝させてといおうと思ったのですが絶対にばれると思い無理やり起きました。あとは指摘の通り三時ごろにお腹がすいたのでパンと飲み物を取ろうとしていたところおじさんがトイレに行く音がしたので慌てて部屋に戻りました。以上です」

 やっぱり、そういうことか。でも、ひとつ、気になることがある。

「では、黒が自白しましたのでお仕置きいってみましょう」

「ちょっと待って!」

「あれあれ、どうしのかな。うぷぷぷぷっ、もしかしてかわいそうだからお仕置きはやめてとかそういういそういう話?悪いけど、罪には罰がつきものなんだよ。これだから、今どきの若い子は困っちゃうなー」

「いや、違うよ。わかったんだ、真の黒幕が誰なのか」

「おやおや、どういうこと?」

「つまり、メイをそそのかした人物さ。そうだよね、サクラ」

「サクラってだれだよ!僕はしまうま柄の一部分を切り取った柄をした熊だよ」

「それってつまりモノ……」

「こらーーーーっ!それ以上言うなら容赦しないぞ。ガォォォォー!!」

「なっ、なんなんだよ、いきなり」

 ショボーン

「もう本当に困っちゃうなーっ。あのねーいくら何でも越えちゃいけない一線ってものがあるの。物事には表と裏があるように希望と絶望があるように、パロディと著作権侵害も紙一重なのです」

「はぁ」

 何が言いたいんだ。

「ちょっと、話をそらさないでちょうだい。あなたが真の黒かどうかを話していたところなのだけれど」

 メイさん、あなたは黒確定だよ。探偵の人みたいなトーンで言ってるけど。

「うぷぷぷぷっ、そうだったね。なら、僕も真の姿で議論に参加しましょう」

 そうして、煙に包まれてそこから現れるわけもなく、ぬいぐるみをそっと横に置いた。

「でっ、なんで私が悪いってことになってんのよ!!ふざけんなぁぁぁぁぁぁ!」

 ガーン

「えっ!そんなに怒らなくても」

 でも、証拠というかさっきのあの発言は絶対におかしいんだ。

〈議論中に失礼します。いよいよ家庭裁判も大詰めです。そこで新たな要素が入りました。説明を聞きますか?〉

〈聞かせてください〉

〈これよりノンストップ罵倒タイムに突入に入ります。元ネタをご存知の方はリズムに乗るあのシーンを思い出しながらご覧ください。コンテンツの都合上自動で補充し自動で破壊したことになっております。元ネタをご存じでない方は飛ばしていただいて構いません。サクラに罵倒されたい方は低クオリティーながらしっかり罵倒させていただきます〉

「バカ」「ふざけんな!」「ヘタレ野郎」「証拠がないじゃん」「文句があるならかかってこい」「バーカバーカ」「バカ、あほ、まぬけ」」「ふざけんな!」「ヘタレ野郎」「証拠がないじゃん」「絶望的に好き」「文句があるならかかってこい」「認めねぇ」「バーカバーカ」「バカ、あほ、まぬけ」「だっ嫌いだ熊ー」

『なんで、私が黒幕だと思うのよ。根拠を言いなさいよ!』

「ここが矛盾してるんだ。『食べたものがパンだと知っていたこと』」

 BREAK! BREAK

「なんで、物音の話をしているときに亡くなったのがパンだって気づいたの?というよりも、そもそも疑問だったんだよ。このゲームをいつ買ったのか、いつ人形を持ってくる話をしたのか」

「それは中仁が知らないうちに買ったかもしれないじゃない」

「ぼくも、はじめはそうじゃないかなと思ったんだよ。でもさっき探した時はそんなものはなかった。もし、ダウンロードしたのならデビットカードだからすぐに反映せれるはずなんだよ」

 つまり考えられる可能性は一つしかない。

「じゃあ、それ以外に可能性なんてあるの?はっきりと答えなさいよ!」

「シェアプレイだよ」

「シェア…プレイ…」

「そう、つまりゲームを購入したわけでも借りたわけでもなく人のゲームを一緒にプレイしてたんだ。それなら、持っていないゲームをすることも、サクラがぬいぐるみを持ってくる理由も説明がつく」

「それでも、こじつけなんじゃないの」

「たしかに、少し強引ではあるけど全体像を振り返れば矛盾点はないはずだよ。だから、これで証明するよ」

 昨日は10時に止めるように言った。これは間違いない。だけど、それではやめられなかった。なぜなら、ちょうどゲームがいいところだったから、だっていくらセーブできたとしてもゲームの魅力にはまったメイがやめられるはずないんだ。注意されてもやり続けるそれがゲーマーというものだから。でも、うちにはゲームの時間規制があるからやめるつもりだった。破ればゲーム没収だからね。

ただ、ここで一つの予定外のできごとが起こった。サクラからのボイスチャットの誘いだよ。そこで、話してるうちに面白いゲームがあることを知ったんだ。そうして、見てるだけならいいからちょっとやってみように、最後はやりたいという欲望に変わっていったんだ。

 そうこうしているうちに、時間は深夜3時になった。これは、さっきの自白から間違いないよ。じゃあ、なぜ物音がしたのか、それは徹夜になれてないメイはお腹がすくというごく当たり前のことを知らなかったんだ。だから、パンと牛乳を飲むことにした。そうやって栄養補給してさらにゲームを続けたんだ。その流れで、ぬいぐるみの話になった。実の妹のように接しているメイのお願いは断れなかった、だから休みになっていた今日持ってくることになった。

「これが、今回の事件の全容だよ。なにか、間違っているかな」

「はい、すべて間違いありません」

「どうして、こんなことを。サクラだってうちのルールは知っていたはずだよ」

「最初は三連休だしゆるしてもらえるだろうと思い誘いました。当然、人がゲームをしているとやりたくなるだろうというのも想定の上で誘いました。一人っ子だったので妹と仲良くゲームみたいなことしたいなーって。でも、最初は一章だけにしようと決めてたんだよ。そしたら、段々止められなくなって…」

 そういう、サクラは少し寂しそうだった。

 だけど、終わらせなきゃいけないんだ。

 そう思い、さっきサクラが置いた人形を拾い顔の前に掲げた。

「問答無用!最初にも言ったけどお仕置きは絶対だからね。うぷぷっぷぷぷっ。それではは行ってみましょう。まずはメイさんから」

〈神田メイが黒にきまりました。お仕置きをじっこうします〉

  キュインキュキュキュキュッインババババババッバッバーバッバッバー

〈中二病的拘束封印《Sealed and bedding》〉

「エクストリーム・アイオスー!!」

「んんんっ!!」

「はわわわわっ、メイちゃんがベッドにガッツリ拘束されてる!」

「さーて、今回はさらにもう一人いますからねー。さぁさぁ、張り切っていきましょう」

〈サクラが黒にきまりました。お仕置きをじっこうします〉

 キュインキュキュキュキュッインババババババッバッバーバッバッバー

〈お日様香るあったかお布団~毛布添え~〉

「エクストリーム・ゼノーン!いやはやすっきりしますなー、はぁはぁ。まあ、こんなレクリエーションしなくてもわかってたんだけどね。プハハハハッ」

「んんんん!」

「まったくうるさいなー。寝ないのがいけないんだぞ。それじゃあ、僕はこの辺でさようなら」

 そう言いながら人形を横に置いた。

「ねぇ、なんで私も寝てないってわかってたの?」

 布団でぐるぐる巻きにされた桜がきいてきた。

「サクラのことなら何でもわかるから」

「えっ!?」

「ハハッ、冗談だよ。ただの勘」

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