ゲーム2
部屋のリビングでひたすらボタンをはじくカチカチ音だけが響き渡る。
「チッ」
あと舌打ちも。
理由は簡単であと一発で吹っ飛ぶはずなのに、当たらない。お互いがガードと回避を駆使して大技が当たらないようにしているせいで終わらない。
「チッ」
いいタイミングでよけられる。焦ると負けるからどうしても一手一手丁寧にしなくてはならない。
砲撃のチャージを始める。
それを阻止しようとピンクのムキムキのおっさんがスライドキックを仕掛けてくる。当然緊急回避でよける。
回避後すぐに再チャージを始めるが今度は弱攻撃で詰めてくる。
「チッ」
もう、攻撃が当たらないことよりもキャラクターがピンクのおっさんなことに腹が立ってくる。たくさんのおっさんが殴り合うこのゲームであえて色を変えてまでピンクを選ぶ理由がわからない。
〈ーコンパンチ!〉
すんでのところでガードする。
少し吹き飛ばされたが場外に出るほどではない。俺はけん制のためにミサイルを打つ。その間にチャージを開始する。
チャージはすぐにたまりキャラクターの腕が電気を帯びている。
あとは撃つだけだ。
向こうもそれに気づいたのか一気に距離を詰めてくる。
そこからは回避、ミサイル、電撃回転ジャンプ、回避、回避、回避、ガード。
ついに、こらえきれなくなったのかサクラが強攻撃を二回打とうとする。ガードはもう使えない。
攻撃を受ける方向に後ろ回避をする。
そして一発、巨大な砲弾がステージをかける。
これで終わー
〈タイムアップ〉
〈ドロー〉
「ふーっ」
俺は大きく息を吐いて手を後ろについた。
「あー、すっきりしない」
真っ先にサクラが口を開く。
「勝ったと思ったんだけどな」
「私も負けたと思った」
「……」
「………」
「ジュースのむ?」
「飲む」
二人でオレンジジュースを一気に飲む。
「次どうする?」
と、なんとなしに聞いてみた。
「ストーリーをクリアする」
「いいね」
さあ、ゲームを始めよう。




