ゲーム
「なあ、ひとつ聞いていいか」
「いいよ」とサクラが〇ッキーをつまみながら答えた。
「なんで、俺たち平日の昼間からゲームしてんの?」
「いいじゃん別に」
「いいけど、よりにもよって古いゲームしかない、うちなんだよ」
なんせ、うちにあるのは最新機から三世代前という中途半端にレアリティの低いゲームしかないキューブとかツーとかウィイとかそのレベルだ。
「この絶妙にドンピシャな感じがいいんでしょ。中仁はわかってないよ」
「なるほど……納得できない」
「そんな、キリっとした顔で言われても…。それよりももっとやりこみ要素のあるゲーム持ってないの?」
「ない」
「なんで?」
なんでっていわれてもゲームはストーリーを楽しめればいい派だからだ。まあ、それを言ってしまうと怒られそうだから言わないけど。
「わいわい、ゲームすることがほとんどないから」
それを聞いたサクラがポンと肩に手を置いてこういった。
「なんか…ごめん…」
「やめて、その残念感あふれる言い方。っていうかやりこみを要求してる時点でお前もわいわいゲームしてきたタイプじゃないだろ」
「そんなことは…………ないよ。さあ、次はこの対戦ゲームしよ」
「待て待て話をそらすな、なんだその間は」
「間って何のことかなあーははは、わからないなー」
「あきらかに回想が入ってたよね、違うと断言しようと思って頑張って振り返ってたよね。でも見つからなかったんだよな、間違いないよな」
「それはないかなー」
視線が明後日の方向を見ている。
「ちゃんと目をみて答えなさい目を」
ジーっと見つめる、見つめ続ける。
「ああ、そうです。そうですよ。一人寂しくゲームしてましたよ、クラスの男子が自慢げに一周目のボス倒してちやほやされてる間に三周してチップコンプリートして裏にプラグインしてトランスミッション、オペレートしてましたよ。それがなにか?」
なんか逆ギレされてるー!
「っていうか、あんたこそどうなのよ。わいわいみんなでもしない、そのくせやりこみもしない、そんな奴にゲームとか言われてもねー」
こいつは、いってはいけないことを言った。俺の事情も知らずに言いやがった。許さん。
黙って一本のカセットを取り出した。四人対戦が可能な各会社のキャラクターが集まる、スマッシュなゲームを取り出す。
「貴様は言ってはいけないことを言った。さすがに堪忍袋の緒が切れた」
「ふんっ、そんなこと言ってただの強がりでしょ」
「……てよ」
「へ?」
「早くコントローラー持てよ」
「へー、やる気ってわけ。ボコボコにしてやるわ」
「こいよ、ド三流!格の違いってやつを見せてやる」
戦いの火ぶたは切って落とされた。




