表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆかりフォーメーション  作者: @naka-motoo
ゆかりフォーメーション
3/26

第3話 一日一日、年を取る

 しかし、老いは確実に進む。35歳を目前にした萱場は、更なる転機を迎えようとしていた。ある日、萱場は監督から呼び出された。


「萱場、そろそろ指導に専念しないか。お前は選手としての実績も、コーチとしての力量も申し分ない。実は、女子部の強化も図ろうという方針が今年度の計画で決まってな。お前を女子部の特任コーチにしたいと上は考えてるんだ。どうだ?」


 萱場自身も実は、自覚していた。

 去年までは、試合の翌日も、スポットの仕事でローリーに乗り込み、時には往復数百kmも運転して配送する、という信じられないようなことをやっていた。

 しかし、今年に入って、試合の翌日に疲労感が残るようなこれまでにない感覚があり、現場の上司に、試合後は数日配送を休ませてくださいと頼んだ。試合の翌日からは内勤の事務作業を何日かやった後で現場に出るように配慮してもらった。萱場は僅かな疲労や気の緩みが重大な事故を引き起こす、という現場の仕事の厳しさを知り抜いているが故に、潔くそう申し出たのだ。彼のその判断は、「さすがカヤさんだ」と、現場のドライバーからも、上司からも却って評価された。

 

「分かりました。お引き受けします」


 萱場の返事に監督は安堵した。


「じゃあ、早速なんだが、来週一週間、九州へ行ってくれ。鹿児島の聖悟女子高校のバドミントン部の練習にコーチ人員を派遣することになってる。もちろん、スカウトが目的だ。お前の部署にはこちらから了承を貰っておくから」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ