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ゆかりフォーメーション  作者: @naka-motoo
番外編 合波高校体育祭
23/26

第9話 最初から、全力だ!

 日奈は数メートル前を走る美術部3年の武田と帰宅部1年の柿沼の背を睨みつける。さすがに2人とも何か背負うものがあるような力強い走りをしている。日奈は躊躇しては駄目だ、と感じる。


‘最初から、全力だ!’


 日奈が意識して自分自身のスイッチを入れ、ベストのランニングフォームを作り出す。そして、2人の横を渾身の走りで抜き去る。

 抜かれた2人は呆然とする。自分たちの走りには自信があっただけに、日奈のスムーズに加速していく走りを見て、諦めムードが高まる。


‘レベルが違う’


 2人同時にそう思った。だが、実は日奈もスタートしてからほとんど息継ぎすらせず、全力でダッシュしているのだ。苦しいのだ。美しいフォームに惑わされて、2人はそれに気付けない。この瞬間、2人と日奈との勝負はあった。

 しかし、そんな2人にも大声援があった。全団の文化部と帰宅部だ。


「武田、負けるな!」

「頑張れ、柿沼!」


 2人とも、我に返る。


 武田は美術に打ち込んできた。制作活動の中で、自殺を考えるくらい深刻に作品と向き合ったこともある。

柿沼は本当は東京に来たくなかった。地元のハンドボール強豪校に推薦で合格が決まっていたのだ。1人で地元に残ると言い張ったが、結局両親に説得されて東京に一緒について来た。せめてハンドボール部のある高校を、と望んだが、父親の転勤が決まったのが3月下旬で入学を受け入れてくれる高校がほとんど無く、泣く泣く合波高校に入学した。


 武田はこう思った。


「俺だって、修羅場をくぐったんだ。負けるか!」


 柿沼はこう決意した。


「東京でだって、やってやる!」


 差は徐々に広まってはいたが、2人は日奈の背中を全力で追い続けた。


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