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ポンコツ家事男と女騎士  作者: 硝子
役立たずの転生者
2/6

異世界への逝き方

時を遡ること1時間前俺は学校の図書室で借りていた本を返すべく友人と図書室に足を運んでいた。


「にしても珍しいなお前が図書室についてくるなんて」


俺の横で歩いているいかにも体育会系っぽいがたいをした角刈りのこの男は俺のクラスメイトであり小中高ずっと同じ学校同じクラスのいわゆる腐れ縁の仲である。名前は後藤という


「実は隣のクラスの藤岡の奴が言ってたんだけどよ図書委員の村瀬って子がこの高校のベスト3に入る可愛 さだって力説してるもんだからどんなものか拝みたいってわけよあわよくば話でもして仲良くなればワンチャンあるよな」


「あるあるー」


女の子と喋るとすぐ顔赤くなって声が上ずるお前にそれが出来たらワンチャンあると思うよと内心で思いながら心底どうでもよさそうに相づちをし廊下を歩いていた俺たちは気づけば図書室の前に立っていた。そこで俺は教室に返す本を一冊忘れてきたのを思い出した。


「悪い後藤教室に一冊だけ返す本忘れてきちまったみたいだから先に入って待っててくれ」


「オッケー待ってるからとっとといってこいよ」


「おう、ありがとよ」


そう返事をすると俺は急いで教室へと足を運んだ。



「や、やっとついた」


走ったためすこし息切れししながら目的の教室に到着した俺は急いで教室の扉を開けた。そこには栗色の髪をポニーテールにした高校生にしては身長も顔も幼さが見える可愛らしい女の子が俺の机の横に立っていた。どうやら扉の音により俺が入ってきたことにきずいたらしくこちらに視線を向けると待っていたぞと言いたげな顔でこっちを見てきた。全く面識のないどころか今初めて会った少女にそんな顔をされたことに困惑しているとそんな俺の態度を見て彼女は嬉しそうに言った


「やっとっ来たな相棒!よしなら行くとするか」


は?行くってどこにだよ相棒ってもしかして俺のこと?どうやらこの子は相当に頭が残念な感じの子みたいだ。適当に返事返してとっとと図書室に戻るとするか


「行くってどこに行くんだ?悪いが俺図書室に用事あるからそのあとでも構わないか」


「だめだよ相棒もう行く用意しちゃったんだから」


「だからどこに行く用意だよてかその相棒ってなんだよ!」


話が全く進まないことに苛立ってきた俺はすこし怒気の含んだ声になっていた。


「決まってるじゃん異世界だよ相棒!」


彼女は微笑みながらそんな意味の分からないことを言ってきた思考が全く追いつかない俺は聞き間違いを疑った


「ご、ごめん、よく聞こえなかったからもう一回言ってもらって言い?」


そんな俺の返答にその女の子はさっきと同じように微笑を浮かべながらテンション高くこう言った


「私と一緒に異世界いこうぜ相棒!」


※※    ※  ※   ※ ※  ※   ※※    




そして話は現在に戻るわけだが考えれば考えるだけ意味不明な状況だ


「異世界ってあれかラノベとかでありがちなこことは違う世界ってことか?」


「ラノベっていうものが何かよく分からないけどその認識であってるよ相棒」


「そんなの行けるわけないだろ一体どうやって行くっていうんだよあとその相棒ってなんだよ俺には神木一 希ていうちゃんとした名前があるんだ」


「それは悪かったねカズキ今度から親しみを込めてカズくんとでも呼ぶことにするよ」


いきなりファーストネームしかもあだ名呼びとかこの子コミュ力高すぎとちゃう


「あ、あと異世界の逝き方だったね簡単だよこうするんだ」


彼女がそう言った瞬間のことだった心臓のあたりが焼けるような違和感に襲われた。見るとそこには日本刀のようなものが深々と突き刺さっていた


「は?」


痛い痛い痛い痛い痛いは?なにこれ?なんで心臓に日本刀ぶっ刺さってるんだよ!え?もしかして俺死ぬのこんな意味わからないやつに殺されるとかなんの冗談だよふざけんなよ

そう思ってる間にも命は刻一刻と終わりへと近づいている


「ごめんねカズくん痛いのは一瞬だけだから私もすぐにそっちに行くよ」


そして俺は薄れゆく視界の中で目の前の少女が俺の体から抜き取った日本刀を自分自身の体に突きつける瞬間を見るとともに16歳という若さで命を落とした。











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