二通目 魔術師の視察
「ね、マリアベルさん、この視察が終わったら休んで良い? ね、ね、せめて数時間眠らせて。こんな殺人的なスケジュールじゃ俺、そのうち死ぬ」
前を歩く女執事に苦言を呈す。今日はメルトン村の視察だ。この村は領の端、道の整備もおっつかない辺境に在り、領主に就任してから初めて訪れる。時間の節約のため天馬の馬車に乗ってきたが、領民を驚かせないように近くの森に隠し、現在は徒歩で移動している。名づけて安心・安全・低刺激作戦。ただし俺には優しくない。因みにメディシーナは、護衛のくせに「孤児院の者どもに剣術を教えるからキサマには付き合えん」とか言い出して、さぼりやがった。俺もさぼりたい。
「はあ? 今まで散々さぼってたくせに。死ぬ気で働け。ってか、死ね」
こんなに足取りもくたくたなのに、女執事はにべもない。ところで今日の出で立ちは、長袖長ズボン、白い手袋、日傘、さらに俺の特製日焼け止めを何十にも塗り重ねた、完全に太陽に喧嘩売っている装備だ。体質的な問題があるのは承知済みだが、それ以上美白になってどうするつもりだ。
「死んだら働けないじゃん。神サマだって安息日とってんだから、人間にも必要なはずだ」
「異教徒のくせに、都合の良い時だけ救世主教を引き合いに出すなよ。生憎お前んとこは年中無休だ」
んな、馬鹿な。
柵も適当で見張りもいない。鄙びた村だ。川で洗濯をしている女たちを発見し、俺は努めて愛想よく声をかけた。
「はじめまして、メルトン村の皆さん。このユリウス領の主、ローデリック=アルファロメオ=シルヴィア=ヨハネス=ハーネットです」
どうでも良いが、我が名ながら長い。
「魔術師伯爵っ!」
洗濯女たちはみるみる顔を青くする。
「キャー、助けて! 襲われるっ!」
と、若い娘は逃げ出し、
「神父、神父様はどこーっ!」
と、老婦は絶叫し、
「近寄ったら駄目! 食われるわっ!」
と、ある母親は子供を引っつかんで家に閉じこもった。バリケードを築くような物騒な音もする。久々の反応である。二年ばかり領主をやっていて、だいぶ自信がついてきたように思えたが、幻想だったようだ。
「いくら俺が魔法使いでも、この扱いは理不尽だ」
あっという間に誰もいなくなってしまった川原に愚痴がこぼれる。こういう職業上、慣れているとはいえ、ここまで嫌われて嬉しいわけではない。
「むしろ正しい反応じゃね? 少なくともあたしに関して。一瞬正体がばれたのかと思ってヒヤッとしたんだけど」
変なことを言い出したマリアベルをまじまじと眺める。
「何言ってんの? 確かにちょっと暴力的だけど、避けられるほどじゃなくない?」
「相変わらず頭沸いてんな。てめぇも少しは村人を見習えば?」
「へ? マリアベル子供食いたいの?」
「食わねぇよ」
「じゃ、マリアベルも怒るべきだ」
マリアベルは何故か白皙の美貌を朱に染めてそっぽを向き、「てめぇ、あたしを信頼しすぎ」と呟いた。そこへくたびれたローブを着た神父が桶を抱えて駆けてきた。
「キエーッ! キエーッ!」
奇声を発しながら、俺に柄杓で水をぶっかけてくる。
「……何ですか、それ」
「村の北西の昔聖人が沐浴したともっぱら噂の泉で聖書を唱えながら水を汲み、三十年前行商人から財産の半分をつぎ込んで買ったありがたい十字架を一晩浸けた聖水じゃ。キエーッ!」
食品表示もびっくりの、詳らかな説明である。お菓子を販売している俺も見習ったほうが良いかな、ってかじいさん絶対だまされてんぞ、とどんづまりの状況から意識を紛らわす。呆然としている間にたくましい農夫たちが鍬や鋤、大鎌や斧を手に集まってきた。聖水ぶっかけられても濡れるだけで済むが、斧を振り下ろされたら切り傷で済むまい。
「まあまあ、皆さん落ち着いて。私は危害を加えに来たのではありません。ただ領主として、領民の皆さんが何か困ってないかと……」
「お前が領主になってからこの村には災いが訪れた」
「粉屋のドリーが悪魔につかれていたが、神父様の助言で治ったんだ」
ん?
「そうだそうだ。巡礼に行ったらだいぶ言っていることもまともになったぞ」
「まだ手足が黒くなったものがいるが、我々の信仰心があれば災いなど追い払える」
「お前の手なんか借りん。出て行け!」
魔法使いは魔術に留まらず天文学、占術、語学、政治学、そして薬学や医術を修めた者の総称だ。もちろん母の死をきっかけに魔法使いを志した俺も例外ではない。
「待ってください、その話を詳しく」
思わず一歩前に出ると、
「ひーっ、近寄るな!」
農作業で鍛えた太い男の腕により鍬が振り下ろされる。
あ、やばいかも。危機を感じた俺の視界に、金属のついた刃先がゆっくり降りてくる。白い手袋が横から伸び、鍬の頭を掴んだ。
――バキッ!
乾いた音とともに、丈夫なはずのくわの柄が、きれいに真っ二つに折れる。数秒の沈黙の後、耳を劈く悲鳴が起こる。
「マリアベル! 皆さんを怖がらせるな!」
「あー、すまん。つい」
「つい、じゃなくって」
振り返って、予想以上にしょべているマリアベルを見て言葉につまる。
「……悪い。危ないとこを救ってくれたんだ。ありがとうが先だな」
「とってつけたような礼はいらん。怖がられたことには変わりない」
元のふてぶてしい態度に戻った女執事。念のために確認するが、お前俺の部下だよね。安心、安定の低刺激作戦は大失敗。もういいや、破れかぶれだ。「ひーっお助け、お助け」と腰を抜かして尻で退避している農夫の裾を踏み、しゃがみ込んで目を見据えた。
「病人のところに案内してくれるか」
数時間後、病人を診て回った俺たちは、顔を見合わせ重いため息をついた。
「さっきの子供、手足の先が炭みたいに黒ずんでた。あれ、壊疽になりかけてたな。かわいそうに」
十人くらいの患者を見たが、一番最後の患者はほんの十歳の少女だった。意識がほとんどないのが救いかどうかわからないが、あの分だと、手足は切断しなくても壊死して崩れ落ちるだろう。いくらなんでも、あの年で手足がなくなるのはむごい。
「症状が軽い者でも、赤く脹れたり痛んだり。患者本人は熱を感じていたみたいだ。だいぶ血の巡りが悪くなっていると見た。マッサージしてみたが、効果あると良いけど」
「診てる間に痙攣し始めたやつもいたな。脳の方にも異常が来てそうだ。思えば、村人はちょっと興奮しすぎだった。魔法使いとは言え、領主だ。一人くらい大人の対応する人間がいてもいいはずだ」
「病人も、勿論、体調が悪くなっているせいもあるだろうが、支離滅裂って言うか、意味不明って言うか、言うことが妙だった」
「錯乱してたって、はっきり言ったら? 幻覚症状もあった。さっきから案内してる農夫が『赤い悪魔が、赤い悪魔が』ってうぜぇんだけど」
「それ幻覚じゃ……」
「あん?」
「なんでもありません」
口は災いの元。減らず口厳禁。
「俺、彼らによく似た症状を見たことあるんだけど」
「あたしの頭に思い浮かんでるのも、たぶん同じだ」
二人して畑の方に歩き出す。畑は地力の低下を防ぐためによくある三圃制で、秋に蒔いたライ麦が金色に波打ち、収穫を待っていた。患者の傾向から場所の検討はつけていたため、お目当てのものはほどなく見つかった。
「あった」
「こっちも」
疑惑が確信に至る。やはりこれは……。
「畑に入り込んで、何をするつもりだ! 呪いでもかけるつもりか!」
自分たちの食料の危機に、再び立ち上がった村人たちが武器を構えていた。ただ、さっきと比べてだいぶ離れている。マリアベルが怖いらしい。そんな彼らに向かって、摘み取ったライ麦を手に歩き出す。彼らが怯え、後ずさっても、構わず距離を詰める。
「見てください。これは毒麦です」
目を丸くしている村人の中で、神父だけが息を呑んだ。この麦は聖書にも出てくる。ただ彼は本物を見たことがなかったのだろう。
「その形から悪魔の黒い爪、ランクでは雄鳥の蹴爪と言います。これは麦角菌というカビの一種で、麦に寄生します」
麦の一部は変形し、黒い角のようなものが飛び出ている。
「これを食べると、手足がやがて焼け落ちたように黒ずみ崩れ落ち、脳神経にも作用して痙攣や幻覚といった症状が出ます。これらの症状はこの村で西側、つまりこの畑の麦を食べている者に出ている。そうですね? この畑には毒麦が多く見られました。土には種子も落ちているでしょう」
「だが、巡礼に行ったら病が治ったぞ。これぞ神のご加護だ」
「それはこの土地を離れたことで、この麦を食べなくなったからです。その証拠に、巡礼から帰ってきた者には再び症状が出ているのではないですか?」
言い出した男は唇を噛んだ。図星か。
「この麦を食べるのを止めれば、症状は軽くなります」
「魔法使いの言うことなんか信じられるか!」
「ここ数年、流産が多くなっているのではないですか?」
俺たちに知らせていないはずの事実を言い当てられ、群集の顔に動揺が走る。
「この足や手の血管が収縮して血のめぐりが悪くなりますが、子宮をも収縮させます。堕胎薬の材料になることもあります」
「……どうすれば良いんだ?」
ようやく聞く耳を持つ気になったのか、小さな呟きが起こる。しかし……唇を舐める。これから厳しいことを言わねばならない。
「毒麦は取り除く必要があります。一つ残らず、です。麦角の毒性はかなり強く、わずかでも残っていれば命取りです。仮に全て取り除けても、種子が残っているのでしばらく注意が必要でしょう。当分はこの畑で麦類を栽培しない方が良いでしょう。もっと良いのは、全て燃やすことです」
「なんだとっ!」
「私たちに飢え死にしろと言ってるのか?!」
村人たちは反感を露にする。当然だ、自分たちの食料を放棄しろと言ったのだから。しかしこの病害に対する確実な対処法は未だ確立されていない。
「これは洪水や火事といった災害と同じです。その間の食料は支援しようと考えています」
「食料を恵むってこと?」
「そんなうまい話があるか」
「ええ、無論ただで、というわけにはいきません。簡単なことです。この畑に費やすはずだった労力で、道の整備をしていただきたいのです。ここに来る間に通った道は荒れていました。道ができれば、人や物の行き来が活発になり、村は豊かになるでしょう。周囲の村が豊かになれば領が富むことになり、私にも利があります」
積極的な賛成があるわけではないが、反論が止む。双方に益のある提案だ、簡単に却下されないはず……。
「騙されるな!」
先ほど水をぶっかけた神父が喚く。
「このペテン師は耳障りの良いことを言っているだけだ。楽園で女を唆した蛇のように、我らを堕落させようとしている!」
困った。きっと知識人の彼はこちらの言うことが的を射ていると心のどこかで気づいている。しかし認められないのだ。自分が今まで築いてきた地位もあるだろう。頭から認めようとしない人間をどうわかってもらうか。
「人が悪魔につかれたのは、麦が悪魔につかれているからです。あなたは、悪いものと知りながらこの麦を食べるのですか? それこそ主の言いつけに背き、知識の実を食べた人間の行いではありませんか」
討論で同じ土俵に立つ。意外かもしれないが、大学の魔術学科では魔女狩りの経典である聖書も必須教材だ。敵を知ると同時に自分自身を知れ(意訳:彼を知り己を知れば百戦殆うからず)。相手を知らなければまともに戦えない。
「神に逆らう者の口が、欺いて語る口が、わたしに向かって開き、偽りを言う舌がわたしに語りかけている! 皆の者、騙されるな! この者は……」
「わたしの戒めに心をとめよ!」
俺は毒麦を掲げ、声を張り上げる。
「見よ、わたしはわたしの思いをあなたがたに告げ、わたしの言葉をあなたがたに知らせる!」
突然聖書の一節を唱えはじめた魔法使いに、周囲が押し黙った。
「神父殿、あなたはわたしの呼びかけを聞くことを拒み、手を伸べても顧みず、すべての勧めを捨て、戒めを受けないのですか? わたしは確かに異教徒ですが、領主です。あなたがたの神のような愛には及ばずとも、領民の皆さんを我が子のように愛し、いつもあなたがたが災いに遭うことなく、安らかに住まうことを願っています。どうかわたしの知恵に耳を傾けてください。お願いです」
頭を深く下げる。俺は彼らを助けたいのだ。例え彼らが俺を信じなくても。少女の、ボロボロになった手の感触を思い出す。偽善者と呼びたければ呼べばいい。幼な子があんな目に遭わずに済むなら、プライドなんか捨てられる。
「神父様。この二年、苦しむ村人をよく導いてくださいました。さぞやお辛かったでしょう」
マリアベルが尚も反論をしようとしていた彼の手を恭しくとった。
「しかしこの災いが起きたのは、村人の信仰心が足りないわけでも、ましてあなたの信仰心が足りないからでもありません。四百年も前からこの麦は記録されています。いなごや旱魃のように土を耕す者にいずれ訪れる災いです。もう誰かのせいにしたり、自分を責めなくても良いのですよ」
儚げだが芯の強い聖女の笑み。本性を知っている俺ですらぐらっときそうだ。片田舎で意固地に童て……失敬、敬虔に純潔を守っていた神父なんかイチコロだろう。
「私たちに助けさせてください。あなたを、そしてこの村を。私たちが今日、こうしてここに来たのも、きっと運命のお導きでしょう」
いえ、あなたの殺人的なスケジュール調整のお導きです。おっと、余計なことは言うまい。しかしさすがマリアベル。俺より長く生きてるだけある。言い負かすのではなく相手の頑張りを認めることで、態度の軟化を図っている。神父は俯き、目を硬く瞑った。
「わしは……あんたらに聖水をかけたぞ」
あ、一応気にしてたんだ。
「許しましょう。あなたも助けが遅くなってしまった私たちを許してくださいますか?」
「ああ、許そう」
期間や業務内容、支援する食糧の量など詳しい話を詰め、口は愛想笑い、目はスケージュール押してんだよ、いい加減にしろ的なマリアベルさんをなんとか宥めすかし、再度患者たちに治療目的の診療を行う。最初の診察のときに行わなかったのは、村人との信頼関係がない状態で行うと、魔法使いの加護を受けたと難癖をつけられ迫害される恐れがあるのだ。これから患者の家族に毒麦を食べさせないよう伝え、血管の流れを正常に戻す薬草を与え、マッサージを施す。気休め程度のものだ。回復が見込めるような特効薬は存在しない。
もう手遅れと思われる少女には、脆い指先を優しく握って額にあて、癒しの呪文を唱えた。
「おに、ひゃ、誰?」
いつの間に意識を取り戻したのか、弱々しく目蓋を開けている。
「この領の主、ローデリックだ。気分はどうだ?」
「わたひ、手、あひ、まだあう?」
手足の感覚が既にないのか。加えて呂律も回っていない。俺の友人なら『口内の何とか器官に異常を来たし、何とか音が何とか音に変化している』とか分析を始めるだろう。
「うん、あるよ」
「久しぶり、手、あう、気がひた」
彼女の気のせいかもしれなくても、ちょっとでも効果があったようでほっとした。
「なんあ、暖かひ。りょーひゅ、まほー使ひってきーたことある。もひかひて、ほんもの?」
おおう、直球だな。病人を刺激しないよう、魔法を匂わせないように立ち去るつもりだったのに。
「そうだよ」
「災ひ、呼う? 呪ひ、かけう?」
「かけないよ。信じてもらえないかもしれないが、俺は領民を幸せにする魔法しか使わない良い魔法使いなんだ」
周囲に聞こえるよう、少し大きめな声で言う。どうでもいいが、見物客たちが窓の向こうにいっぱいいて治療に集中し辛いのだが。警戒しているというより興味津々の視線なので少しは気楽だが。
「まほー、見へて」
「え?」
「まほー使ひ、まほーできう。まほー、見へて!」
「でも、みんな魔法使いを怖がるだろう? だからみんなの前ではなるべく魔法を使わないようにしてるんだ」
「エミー、まほー、こあくなひ。まほー、見たひ」
毒麦に苦しんでいる彼女の、少しでも慰めになれば良い。外の様子を伺うと、見物している子供たちが期待に目を輝かせていた。ところで神父のじいさん、あんたの目もきんらきらしているのだが。さっき敵対してたくせに輝き具合が子供たち以上なのだが。
「悪いが土を盛ってくれるか。そこら辺のやつでいいから」
「わかった!」
診療具も入っている鞄から魔術に必要なものを取り出す。素焼きの小さな鉢を窓辺の子供たちに託すと、先を争うように奪い合い、駆けていった。皆の見ている前で失敗はできない。が、俺の得意分野は薬草学で、つまり暗記である。召還術もわりと好成績だったが、大掛かりな道具もいるし、あんまり派手なのは病人の刺激になるし……。
「りょーしゅ、土盛って来たよ」
「おう、ありがとう。ところで諸君、敬意という概念を知っているか?」
皮肉を言うと、きゃっきゃ声を上げながら逃げていった。ま、いっか。恐れられるより舐められる方がマシだ。腕まくりをして、土に種を植える。高地で採取したものだったが、丁度良いものがあった。樫の竪琴を調弦し、大きく息を吸う。
「いざ、冬は明けぬ 白き悪魔は遥か遠く 風の呼びかけに目を覚ませ」
種から芽が出てきた。琴をかき鳴らすうち、たちまち伸びた葉や茎には綿毛が密生してくる。
「はや、春は訪れぬ 久方の地表は命溢れ こぼれる陽に水温みぬ」
曲の力を借りる芽吹きの呪文。草木を扱う呪文はわりに得意である。蕾をつけはじめたので、テンポを落とす。
「とく、夏も来たれ 未だ時を刻まぬこの稚児に オルウェンの足音を聞かせよ」
曲を終えると、蕾が開き、星型の白く長い花弁を咲かせた。
「この花の名前はエーデルワイス。花言葉は高潔な勇気」
小さな花を一つ摘み、騎士のように跪いて少女の髪に挿した。
「この花を、魔法使いを恐れない勇敢な幼い淑女に」
少女は弱々しくも、笑みを浮かべてくれる。気障ったらしい行動に、特に女性の好意的な声がした。希望的な観測だが、この調子で少しずつ信頼が築けていけるだろう。
「てめぇ、一応女を喜ばせる呪文知ってんだな。ガキとは言え、女の扱いも悪くないし」
傍から見ていたマリアベルがぽつりと呟く。
「なんでそれで、あの女騎士にガキ並のアプローチしかできないの?」
……ほっとけ。




