7.岩が積んでありました
少し地元の方には失礼になりますかね
また「待ち」です。「かめバス」は、この時間帯は一時間半、時刻が飛んで
ます。
あと、一時間待ちです。
パンフレットの地図を確認したところ、とても「石舞台」までは歩けそうに
ありません。
幸い道路を渡ったところに休憩所があったので、「冷たいコーヒー」を頂いて
外のテーブルで待ちました。
「春うらら」といきたいのですが、風が出始めて、パンフレットが舞います。
(この旅は、三月中旬でした。)
煙草を三本も吸った頃、ようやくバスの姿が見えたのです。
慌てて、よっこらしょと立ち上がり、固まった足腰を伸ばしたのです。
乗り込めば・・、他に乗客は居ないのですが、運転手さんは律儀にマイクを
使い、
「 時間調整のため、10分待ちです。 」 って言ったのです。 ああ。
やがてバスは走り出します。
歩けば長い距離でしょうが、バスで走れば短い間隔、それぞれのバス停で
周遊の観光客を拾い、丘に登り、下り、曲がって戻って、車窓から明日香村を
満喫できます。
って、私の住んでるところと、ほぼ同じ景色。強いて言えば遠くに見える
山々が「低くて鋭くない」感じですね。
どうしても、アルプスの山々は、鋭くそびえ立っているという印象を受けて
しまいます。それに比べれば、奈良の山々はやさしい佇まい。
拡幅工事の途中なんでしょうか、突然道幅が狭くなったり、工事信号で止め
られたりするのです。
これも、住んでる場所とおんなじでした。
さて、石舞台。
そこそこ車があって人も居て、観光地観光地している区域の、専用駐車場に
バスは止まります。
この時、午後二時くらい。
登るのです。
の ぼ る の で す!
ええ、いいですよ、登ればね、登れば・・・。ここでとどまっちゃあ何しに
来たのかわからない。
また子分の泣き言を無視して、エイエイと坂道を行ったのです。
全貌が眼に入る。
「 岩が積んで 」 ありました・・・・・。
ええと、ここでは 「いにしえの人々」が、込めたる想いとか、この山の
中腹まで岩を運んだ労苦とか、いかにして積み上げたのとか、その知恵に・・・・・、想いをはせる・・・。 のが正しい思考でしょうが、
「 岩が積んで 」ありました。
それでも、岩室をのぞき込んで、「背の高さの何倍分」とか
やったり、一番高い場所に立って、当たりを見回したり、楽しんだのです。
世間の皆さんは、間違った印象をお持ちの方が多いのです。
足の弱い人間は、どちらかというと「登る」よりも「下る」のに気を使い
ます。でね、駅のエスカレーター、下るのよりは登る方が比率が高いですよ
ね。あれは・・・・、ハッ。
「アマゴ蕎麦」というのが、メニューにありました。
もう3時に近いので、駐車場のそばにある食堂で「まだ食事いいですか」と
聞いて注文しました。ひと休みもしたかったんですが、昼が駅のホームで
パンモグモグだったんで、お腹も空いていたんです。
「アマゴって?」と問うたところ、渓流に多く住む魚って説明してくれま
した。長いこと煮込むらしく、骨も柔らかくなって、薄味のお汁も柔らかめの
蕎麦も美味しく頂きました。
あまご:調べました。
マスの陸封型で、「雨子」、「雨魚」、「甘子」、「天魚」、「鯇」等
と書くらしい。
甘い(昔は「美味しい」と同意)があまごに変化した。
煮込んで、煮込んで、外観もわかりにくくなっていたんですが、私の住む
地域では 「あめのよ」「あめのうお」と呼んでいる魚でした。
また、かめバスを待ちます。
十数人の観光客に混じって、橿原神宮駅まで行きます。
反対方向の「飛鳥駅」に向かう便もあるようですが、長く乗って居られる方向
を選んだのです。
荷物も橿原神宮駅のロッカーにありますしね。
途中のバス停から、小学生がランドセルをカタカタ鳴らして乗り込みます。
車内は喧騒になりました。元気に大声で早口でしゃべる男の子、小さな声だけ
どやっぱり早口な女の子、聞いていてもほとんど内容が理解できない・・・、
少しだけ異国感・・・。
元気に運転手さんにあいさつして、
(気持ちが良いですね。あいさつの言葉、ありがとうはきちんと聞き取れま
した。)
小学生が、数人ずつおりていって、車内がまた静かになった頃、バスは
橿原神宮駅に到着しました。
今夜は、大阪泊まりです。
夜の時間を使って、「大阪に復活した『寄席』」に、落語を聞きに行こう
と思います。