6.日本最古
頭に浮かんだことを思いつきで来ております。
それぞれの話の順序は、年月に沿ってはおりません。
「明日香巡りをしよう。」
思い立ちました。
いつもより一時間早起きをして、遅れるバスを待つという恒例の行事を済ませ、名古屋に向かいます。
今日は、近鉄大阪線に乗ろうと思います。10時半発の特急に間に合いました。大和八木駅で乗り換えです。
近鉄には、同じ線を45年前にはじめて乗りました。電車に乗るのも楽しかったのと、お金が乏しかったので、遠回りですが安い料金の近鉄線を選択しました。
その当時、国鉄はもちろん私鉄も駅員さんが横柄な応対をしましたね。
近鉄ですから、関西出身の駅員さんだったんでしょうか、乗車券売り場の駅員さんの言葉が聞き取れなかった・・・、つい二度聞き返して、「うるさそうな顔」をされたのを覚えています。
乗り換えの「大和八木」の駅名が聞き取れなかったのです。
今はJR含め鉄道関係の接客は、ずいぶん様変わりして、気持ちよく旅ができます。
四日市から津、列車は気持ちよく走ります。
おおっ、伊賀、忍者は・・・。いるわけ無いですね。
我が家のある場所よりももっと草深い山地を、列車は走ります。
山中を走っている内に、駅名を確かめて
「 待ってろよぅ、いつか来るぞ! 」
進行方向に向かって左側に一度、右側に一度、叫びます。恥ずかしくて、声には出せませんので、心の声です。
室生口大野駅で一回、長谷寺駅でもう一回。
それぞれ室生寺、長谷寺が訪ねる候補に挙がっているのです。
( 後日というか後年です。室生寺、長谷寺には、逆方向の大阪側から入り込んで、お参りしました。改めていつかそのうち旅日記にしますので、読んで頂ければ幸いです。
「こいつ、遊んでばっかりいるな?!」って、ご批判は覚悟しております。)
大和八木駅で乗り換えです。駅で昼食をとろうと心づもりをしていたんですが、構内には無いんですね。
しょうが無いんで、出店のパン屋さんでパンを二つ買って、柱に寄っかかってモグモグしました。
車中で気が付いたんですが、名古屋の駅員さんは気を利かせて特急に乗るように発券してくれました。
わずかな駅間です。先着した普通列車に乗り込みます。その土地の言葉で乗客が会話するのを聞くのも楽しいですね。
橿原神宮駅です。どきどきしてきました。
コインロッカーを探し荷物をあづけ、また小さなリュックを背負い、えいっ、えいって歩きます。
うろうろ・・・。
サイトで下調べをしたところ、地域巡回バスがある・・、確か「かめバス」で車体に亀が描かれている・・・。
あきらかに外見が違うバスが駅を離れて行くのが見えました。
「 あれは違うな・・・?」。 (いやな予感)
半信半疑でバス乗り場の時刻表を確認してみれば、まさに発車時刻を過ぎたところだったのです。
「あれが・・・、亀の絵が無かったのに・・・。」
しばし・・・・、たたずむ。
阿修羅像の前での「しばし・・・」とは意味が違います。今回も「節約優先の旅」ですので、タクシー利用はできるだけ避けたいところです。
けれど、つぎのバスは一時間後・・・。
陽は正に中空にさしかかっている・・・。
思い切って、タクシー乗り場に歩み寄って、「飛鳥大仏のお寺へ」と告げます。
家が点在する田舎の風景、片側通行の道の狭い街並みを抜けて、飛鳥寺へと車は到着。高い建物が無いんで、近くの丘、遠い山が望めます。
さあ、お目当ての飛鳥大仏との対面です。
蘇我馬子が建立したお寺、日本最古の飛鳥大仏・・。
ふうむ、長いお顔が濃いですね。
なんで明日香寺、明日香大仏じゃなくて、飛鳥なんだろう?
(少し調べてみましたが、行き当たりませんでした。ご存じでしたら、ご教授ください。)
カシャ、カシャ、チャキ、キュウイン。
カメラやスマホのシャッターの音が絶えません。ここは、撮影が許可されているんですね。
あまり画像に残す方じゃあありません。脳内のハードディスクに保存するようにしています。
古いもんですから、この頃、劣化がひどくなって、ぼろぼろと欠落するのですが・・・。
ひょんなタイミングで思い出すのも、楽しいですからね。
旅の車中では、車窓を眺めながら、記憶を反芻して楽しんで居ます。
さて、次は・・・・、
参拝受付の女性に確認したところ、一部道路工事中で「かめバスはずううっと向こうの通りに行かないと乗れない」そうです。しかも今の時間は、一時間に1本・・・。たとえ、バス停に行き着けたとしても、タイミング良くのれるかどうか・・・。
「飛鳥資料館」まで歩くことにしました。
えっさ、えっさ、やっとこさ・・。
「 おやびん もっと ゆっくり・・・」
また子分の脚が、弱音を吐きます。かめバスならぬ、かめ歩き、これ以上ゆっくりだと止まってしまいます。
のどかな風景です。のどかな風景です。のどかな・・。
これは・・・・、古い旧跡名所があって良かったですね。そういう場所でなかったら、確実に過疎りますね。失礼ですが、私の住む場所とおんなじくらいののどかさです。熊はどうかわかりませんが、たぬきさんや鹿は姿を見せるような気がします。
「飛鳥資料館」は、立派なコンクリート造りの建物でした。
庭園に散在する奇石を楽しんだり、山田寺の遺構を眺めてふむふむ、独り納得したのです。
資料館に詰める係の方が、明らかに近所の中年の女性だというのもいいですね。
さて、「石舞台」。