表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鹿のお尻なでほうだいツアー  作者: ペンネームは「匿名」です
5/32

5. 笑う話

屋根付きの石段を降りたら、左に向かって三月堂(法華堂)に行きましょう。

 ここは、東大寺ミュージアムができるまでは、本当に「孤児院」でした。関連の無い仏像の仮置き場めいた雰囲気が長く続き居ていましたね。

 だけど、そんな場所が大好きで、仏像群に向かう位置に、壁に沿って設けてある畳敷きの狭い縁に座っているのが好きでした。奈良の冬は厳しいのですが、逆にそんな時期が良かったですね。


 もこもこ着ぶくれした恰好で座って、仏像を見上げています。

 たまたま、お坊さんのお勤めの時間に出くわして、読経を聞きながら手を合わせる機会もありました。俗物もたまには心を洗います。

 明らかに、建物と仏像の比率が合っていません。仏像の林立! 仏像曼荼羅とは違ったのです。

 戦乱、自然災害、失火などのいずれかは知識にないのですが、大事な仏さまを救い出して、とりあず法華堂に安置して、新しい居場所ができるまで・・。救い出したご苦労も、ここにおかざるを得ない関係の方々の長年の思いを考えます。

 気の長いお話・・・。世代を超えた東大寺関係者の積年の願いだったのでしょう。


 「すっきりしちゃったなあ。」なんて少し残念に思いながら、靴を履きます。


 段を降りて・・・。

 

少し迷って居るのです。


 若草山を見上げながら、茶店をのぞき、春日大社へ行こうか・・、それとも・・・。


 はい、やっぱり戒壇院の四天王に会いに行こう!

 少しだけ先の順路を戻って、四月堂は腰をかがめてのぞき込むだけで通過です。失礼します。

裏道っぽい狭い坂道をおりて、整備された庭園の中を歩き、また石段を登ります。

 

 あ、煙草・・・。

 大仏殿傍の喫煙所に戻るのは億劫です。ここは、がまん、我慢!


 「 こんにちは 」 入場券の購入です。

 「 はい ご苦労様です。ありがとうございます。」


 ここはいつもおじさんが、券売所に詰めている様な気がします。参拝客もそう多くありません。

下足場所にも、靴が数足・・・。


 院内に入ってみれば、ぎりぎりまで戒壇があるんで、圧迫感があります。

見事な四天王ですが、見る角度でしょうか、寸詰まりっぽい感じがあるのです。


 「 また きたよっ。 」

 じゃなくて、

 「 また 参りました。 」

って、言いたくなるのは、古い堂内であるのと、ひとけの少ない静謐な雰囲気のせいですね。


 もう へろへろです。

 もう へろへろです。


 歩き出すと、このあたりは腰掛けるベンチもありません。

脚に来てます。日は西に傾き始めました。


 また、ここで悩むんですね。

そう、転害門なのですよ。

 学校帰りの小学生の「だべり場」という役割も果たしている転害門・・・。

正倉院も屋根くらい見たいな・・。


 身体と相談です。

「 どうだい、まだいけるかい? 」

「 おやぶん、かんべんしてくだせぇ もう膝がわらっておりやす 」

「 そうかい、しょうがねえなあ 」


 民家の間の小道を歩みます。

 ( このお店、高そうだけど、やってるのかな? )

 

 座って休みたがる身体をなだめながら、ほんの数百メートル。静かな小道から

いきなり車どおりの多い道路にでます。「登大路」ですね。 

  

 横断歩道を探して渉り、市内循環バスに乗りましょう。


 さて、今夜の宿は?


 そして、夕食・・・。

 


○ここでちょっと

 お寺や博物館の拝観・見学は、多くの場合午後五時までです。

でね、奈良の街って、夜は寂しいのですよ。いわゆる余所者に優しくないんですね。

 チェーン店の居酒屋も、少しお洒落なレストランもあるけど、居心地がいい場所が少ないのです。どっか いいとこあったら、知りたいのです。

 お酒はあんまり飲まないというか飲めないのですよぅ。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ