21.黒びかり
西の京-3
薬師寺です。
大物・・・です。
すっかり思い出してしまいました。いえね、修学旅行の事をです。
そうです。
ここは、
「 ひとりぼっちの東塔を、雨上がりの日に、西塔の土台石のくぼみに
映して見る。東塔がさみしがっている風情がわかる 」
「 火事の折に、金堂の仏さまを守るため、若いお坊さん(小坊主?)が
焼け死んだ。」
「 中央の薬師如来の台座には、上部にインドの裸神、下部に中国の
四方神が彫られている。
( 東に青龍、南に朱雀、西に白虎、北に玄武 )
だから、インドも中国も、この仏像に影響を与えたんだよ。 」
「 お釈迦様は扁平足だった。仏足石がその証拠だ、衆生に公平に、救いを
与えるためにだよ。」
( 踏んだの? いや、象徴だよ。 )
今なら確実に、「先ず自分のみを安全な場所に。」と指導されるでしょう。
我が身に替えてもという信仰は、理解できません。そこは「そういう時代で
あった」とむりやり納得しましょう。
細かい神の名前はうろ覚えでしたが、インド、中国は、覚えていました。
話が及んだので、
金堂。
中央に薬師瑠璃光如来座像、左に月光菩薩、右に日光菩薩
です。菩薩は立像。
( 瑠璃光については、また薬師寺のホームページを。
前話で、解説じみたことを書きすぎましたので、少し控えます。
私も書くときに読んでます。ハイ。シッテルワケジャナイ。 )
名前はともかくとして・・・・。
だあああい好きなんです。黒びかりしていて、その黒さが肌の奥の方から
にじみ出しているような、光沢です。
火事の際に、表面の金箔(金メッキ?)が融けて、下の銅と融合して、
今のお姿になったそうなんです。
まさに、好きなつるりとした肌、衣装の仏像です。
先に書きました「写経」により、金堂も修復がなり、見事な様子です。
「 ああ、またお目にかかりに来ましたよ。 」
お賽銭を投げ入れた手を合わせた後は、後ろに下がって通路を譲り、
壁際に立ちます。
しばし、たたずむ。
しばし、たたずむ。
しばし、・・・・。
またここでも団体さんがやって来ました。場所は譲りますが、お寺の方の
解説を一緒に聞くのです。
大修理?の際には、台湾から杉の良材を持ち込んだ話。
・
・
ニホンオオカミは、なぜ絶滅したか。
あれぇ、どうして、そんな話になったんだろう・・。
話の流れをつかみ損なったのです。
たぶんまだ「金堂」で、解説をなさっているかと思います。
機会があったら、聞いて話の流れを教えて下さい。70歳年配のしゃがれ声の
おじいさんです。
大講堂。
ここにも、黒びかりしている「弥勒三尊」がおいでなんですが、どうして
でしょうか、金堂の仏像ほど好きになれないのです。
さらっと流します。
東塔、西塔
東塔の修理のおりには、最頭部の「水煙」が、地上に降りて展示されていま
した。
確かに、天女が舞っておりました。もう空高く舞い上がったでしょうか。
さて、ここで・・・・、「東僧坊」にて、ひと休みぃ です。
( おやびん、 ありがてぇ・・・ )
ゆっくりと休みました。
薬師寺には、煙草を吸うところがありません。
(見つけて無いだけかも・・・。)
それは当然の事です。
さすがの私も、境内で携帯灰皿を持ち出す気持ちはありません。
それっ、歩き出せ。
( へええい、がってんだぁ。 )
ご機嫌です。
「東僧坊」を出たら、ほんの少し左(東)によって、南方向に歩きます。
なぜか建物の向きが、金堂その他とは、直角方向に建てられて居るんですが、引っ越しでそのようになったと・・・。
で、だああああい好きな 「聖観世音菩薩」像が、はい、居るんですよっ。
( ・・・ あ が4っつ )
ここでかなりの頻度で、お坊さんがお経を唱えているのに出くわすのです。
偶然かと思いますが、うれしいのです。
格子の引き戸に沿って、設けられた細い床几に、空きを見つけて座ります。
密教のお経ですから、お経の内容はもちろん、語句さえも聞き取れません、
私は。
それでも、なんだか雰囲気に入り込んで、手を合わせながら頭を
垂れて聞きいるのです。
おや、さきほど追い抜いた、おばちゃん達が来たようです。
ガハハ・・・が、ここまで聞こえる。
それでも、読経が聞こえたらしく、「シイー」なんて言いながら、二手に
分かれて、お坊さん近く、畳敷きの場所に座りました。
しばし・・・、左から「 カシャ・・・。」・・、あぁあ、携帯で・・・。
お坊さん、慌てず騒がず 左に少し 顔を向けて・・・
「 堂内での 写真撮影はお断りしております。 」
なむなむ と 続きます。
また、しばし・・・・、右から
「 チャンチャカ、スチャラカ、スッチャンチャン」・・・
(「笑点・・・」・・)
慌てず騒がす、右を少し向いて・・
「 携帯電話の電源は、お切り下さい。 」
また、なむなむ と 続きます・・・。
さすがに照れくさいのか、おばちゃん達は早々(そうそう)と、腰を
上げたのです。
( でも、「よっこらせっ」は、聞こえました。 )
ぶうら、ぶら。 境内を歩きます。
椅子に座っていたから、子分もご機嫌。
( あのひとのぉ どこがぁいいかとぅ たずねるぅ ひとにぃぃ
どこが わるいぃとぉ といぃかえぇすうぅぅぅ・・・・ )
:あの人の どこがいいかと尋ねる人に どこが悪いと問い返す
いったいどこで覚えたのか、都々逸の鼻歌です。
「玄奘三蔵院伽藍」は、高田好胤さんの想いを具現化したものです。
平山郁夫さんのシルクロードの壁画も一見の、いえ、二見、三見もの価値が
あります。
( 価値なんて、失礼ですね。 )
でも、一年前も見たから、イイヤ。
ぶうら、ぶうら と 「西の京」駅に向かうのです。
あ、色鮮やかな「仁王様」にも、東院堂を出た後に、挨拶しましたよっ。
( 肩に埃が・・・。 )
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( ・・・、といぃかえぇすうぅぅぅ・・・・。 )
鼻歌も続きます・・・。
読んで頂いてありがとうございます。




