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鹿のお尻なでほうだいツアー  作者: ペンネームは「匿名」です
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2.500円+100円

 近鉄奈良駅とJR奈良駅は2Km?ほど離れていますね。


 ここでまた話は横道に逸れる・・・。

 

 関西方面のJRと私鉄って中が悪いんですねぇ?


 たまにいくと、の り か え に 困 り ま す。

 

(上行の空白は、強い遺憾の意を表現しております。)


 東京や名古屋だって、そりゃあずいぶん歩くけど、それなりに仲良く始発駅の名前は統一されてますよ。

 なんですか? 大阪と難波?。そりゃあ、成り立ちと歴史があって、それぞれ謂われはあるんでしょうが、とにかく余所者にはわかりにくいのですよっ。南海だって、駅はいったい何階にあって切符売り場はどこに・・・・、ハッ。


 さて、地下にある近鉄奈良駅に到着です。

 たいてい小さなリュックを背負っていますので、やっこらさっと腰を上げてから、他の乗客の方の邪魔にならないように、腕を通します。

 ええと、東方向になりますか、改札口をとおって、階段をえっさえっさと登ります。

 古くからあるらしいアーケードの商店街に入ります。数十メートル歩くと、左に路地があります。

「ここから 興福寺の境内」って掲示があるんで、車止めの間を抜けて坂道を登ります。


 「登大路」の広い歩行者用通路を通るのは、奈良の通では無いのです。いえ、近道(だと思っている)をとおるのは、早く○○○○に会いたいからです。

油断できません。下調べをちゃんとしてからいかないと、相手は日本全国の各地へお出かけしちゃうし、たまにアメリカくんだりまで行っちゃうのです。ひどい目にあったことが・・、ある・・・、茫然・・・・。


さて、歩きにくい砂利の境内を前屈みになりながら急ぎます。小銭入れから、500円玉と100円玉を一枚ずつ取り出します。

 消費税改定時に、100円値上がりした入場料。なぜ、千円札1枚じゃいけないかというと、もう焦っているので、おつりをやりとりする間もおしいのです。


 目指せ、宝物館!

 

 「 ここだけでよろしいですか? 」 「 はい。ここだけで。」


 東金堂も、もう何度も・・・、飽き・・・・。


 右に曲がって、暗い室内に踏み込みます。進んで左、ずうっと進んでまた左、ずううっと進んでまた左・・。


 見えてきました 「阿修羅像」・・・・。


 逸る気持ちを抑えて、千手観音にお参りします。賽銭箱の前に立ち、100円玉を投げ入れて、手を合わせ願うことは

 「惚けずに またここへ来られますように。」

一点張りです。

 

 さあ、阿修羅像です。

 

 3つのお顔に手が6本、少年のお顔をし、眉をひそめて乱れた世の中を憂いておいでる。


「 はじめてあなた様にお目にかかったのは、真夏の午後。もう45年前になりました。

 わたしは、じじいになったけど、あなたはちっともお変わりない・・・。」

 

  しばし・・・・・・、たたずむ・・・・・。


  しばし・・・・・・、たたずむ・・・・・。


  しばし・・・・・・・。


 あまりたたずんでいると他の方のじゃまになります。また、6本の手が動き出して、楽しませてもらえるわけでもないので、適当なところで・・・。

 後ろ髪を引かれる(あるんですよ、後ろ髪。前髪はほぼ無い。)思いで去ります。

 もちろん他にも好きな神将様は居るんですが、「また来たよっ」くらいで、サヨナラします。


 沙羯羅像さからぞう五部浄像ごぶじょうぞうも、いいお顔をされてます。

 手が切れてるから、ダメかな?

( わからない方、興福寺国宝館のサイトをどうぞ。 )


これは昔々、ルーブル美術館のビーナス像が日本に来たとき、ある高名な落語家?(歌舞伎俳優? いい加減な記憶!)が、

「 いかが お思いですか? 」 と問われ

「 手の切れた女には、用がネエ(無い) 」 と洒落た返事をしたという・・・。


 さて、気が済みました。手を合わせて、一部だけど気が済みました。


  ( さあ、行こう。鹿の苑へ。 )


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