12.かすめる
話の都度、口調?が違ってしまいます。
ご笑納・・・ 願います・・・。
JRの法隆寺駅、もちろん奈良駅からJR関西本線で4駅め、十数分で着きま
す。間隔も15分程度で出ていますので、とても便利なのです。
けれど、しかし、無理にとは言いませんが、是非にとお薦めしたいのです。
大阪の環状線のどこかの駅から、ええと、宿の都合もありますので、あえて
どこの駅とは決めないでおきましょう。大和路快速に乗るのです。
あ、天王寺駅はだめですよ、環状線からの離脱駅ですからね。
まるで、ロケットが衛星軌道を離脱して、月や火星を目指すように、環状線を
離れて行きます。
大げさなんですが、そのくらいワクワクするという・・・。わたしだけかなぁ。
列車は、平野を走って柏原駅を過ぎると、大和川と絡み始めます。
雨の日でした。雨のしぶきと大和川からあがる川霧、入り混じった中に、
列車は突っ込んで、右に左に方向を変え、山も川も視界に入り、まるで・・・・、
別世界・・・。
ほおぉ と、口を開けたまま、見入った覚えがあります。
条件的には、川霧の発生する状況など種々揃わないとだめでしょうから、
かなり貴重な体験をしたということでしょう。 れあけえす。
王寺を過ぎた頃から雨が上がり、法隆寺駅に降り立てば、陽が差している・・・のが良いです。
そんな日が一度だけありました。
ますます期待は高まります。
で、法隆寺駅前から路線バスに乗ります。ひたすら駅と法隆寺前を往復して
いるというありがたい路線なのです。このバスがねぇ、民家の屋根の軒先を
かすめて行くんですね。少し走れば、広い道路になるんだけど、駅近くは狭くて、かなりぎりぎり、ヒヤヒヤします。
○ここでちょっと
奈良の比較的古い民家は、作りが華奢で、屋根も多少ですが低い感じを
受けます。
雪とか台風とかあまり自然災害の影響が無いからでしょうかね。
奈良―京都間をJRに乗ったときも、車窓から民家を見て、同じ感想を持ちま
した。
路線バスは、親切に、法隆寺の入口前に着きます。所要10分。当然、駅に
タクシーも待っててくれますが、路線バスの方が、“旅の風情”がありますよ。
参道(車道を含む)の両側には、ずらあぁっと、お土産屋や茶店、しゃれた
喫茶店など並んでいます。
ここで・・・、あるとき・・・、
とある店の幟に、不審なものを発見したのです。
興味津々です・・・・。 お店に入るのは、参拝後としましょうか。
今度は歩道だけの参道を北に向かい、前回お話しした「とおせんぼ」された
中門の前を左に折れると、拝観受付で、おとな一人ですので、1,500円と引き
替えに拝観入場券をいただきます。
今年のはじめから(2015年です)値上がりしましたね。
壮大な寺院を、維持管理するのに大変なのかな、お坊さん達、ちゃんとご飯
お腹いっぱい食べられるのかな・・・、それは余計なお世話っ です。
定期観光バスに乗ったおりのことです。
法隆寺で境内を歩いていて、説明も一区切りの時、ガイドさんに聞いたのです。
「 法隆寺さんの 檀家 ってどのくらいあるんでしょう。 」
答えは
「 檀家は 無いんですよ。 」
思わず
「 じゃあ お坊さん達のごはんは、いったいどうやって・・。 」
「 それは国の交付金とか篤志家の寄付とかあるかと思いますよ。 」
ちょっと びっくり。でも、ああそうか。時代によっては、寺領を広く
持って、そこからあがる年貢などで暮らしていたんだから、檀家が無くても
成り立って来たんだな。
やっと、回廊に囲まれる 境内に脚を踏み入れます。
中門に立って、見上げ、見回す・・・。かなり、圧迫感を感じませんか?
境内の広さに対し、塔、金堂のサイズが大きすぎるように感じます。
五重の塔を見上げても、思い切り上を向く角度で無いと視野にはいりません。
ええと後ろに下がると、回廊のひさしで上の方が見えないんです。また塔と
金堂の距離が狭く感じられるんです。 何か深い理由があるんだろうか。
大講堂は、かなり塔や金堂と距離があるから、いいや。
塔を見上げて確認します。
あった、あった。鎌が、差してありますね。
雷の稲妻を刈るから、かまかな? 稲刈り・・。
で、お釈迦様の骨が、6粒納めてあるんですね。
はるばるインドから、シルクロードを・・・。いや、ここは信じておきま
しょう。
四方の壁に刻まれた壁画をちょっとだけ覗いて。
で、仏像拝観です。
まず金堂から行きましょう。
金銅釈迦三尊像、金銅薬師如来座像、金銅阿弥陀如来座像、わが国最古の
四天王像、木造吉祥天立像・毘沙門天立像、並びだくさんです。
でね、釈迦三尊像の鼻の下が長いんです。そして鼻の下の溝が広くて深い
んですよ。日本人や中国人、果てはインドの人のお顔じゃ無いですね。
なぜなぜ・・・。
この点も、以降のテーマにしておきます。調べていれば、どこかで理由に出会
えるかも知れません。
( それでも 『 乞う、ご教授 』 )
復元された壁画も、いいですよ。
ここでしたっけ、お坊さんの電気敷座布団?から発火して火事になっちゃっ
たというのは。
もう 55年ほど前になるらしいですね。
中学の歴史?の教師が 「 お坊さんの電気座布団から出火したんだ。 」
少し腹立たしいように、言っていたのを覚えています。きつい言い方だなっ
て思ったので、印象に残っているのです。アルカイックスマイルって言葉も
この時、覚えたはずです。
そうすると・・、中学の修学旅行で、法隆寺にも行ったのかも知れません。
中学校程度の歴史の授業にしては、細部に踏み込みすぎですね。
「しおり」と名付けられて配布された旅行資料の小冊子の事前学習をしたの
かも知れません。
アルカイックスマイル:古代の微笑 だそうです。
次は、大講堂。
ここにも、薬師三尊と四天王がおいでになりますが、むう、あんまり好き
じゃあ無いのです。
回廊の終わり、もう一度 塔を見上げます。
ああ、いいなあ。
回廊の隅、出口近くに、桜の木があって、時期に出会えると見事です。
カメラを構えた参拝客がなんとかして、金堂や五重塔を桜の背景にできないか
と苦労しています。
ふうっと息をはいて、池のそば、「柿食えば・・・」の句碑を右に見ながら
いったん休憩所へと歩み寄る・・・。
子分が、もう休みたがっているのです。
読んで頂いてありがとうございます。




