~自然科学部の日常~
※不定期更新&内容がグダグダになってしまっている部分が多々あります。申し訳ありません。
開け放された窓から入ってくる、初夏の湿った風に混ざって、なにか香ばしい匂いが鼻についた。
目的の場所に近づくにつれ、その匂いは強くなっていく。
そして、目的の場所「生物実験室」のドアを開けた自然科学部員、久米 風太は、眼前にある、実験用の黒い長机に視線を向けながら一言発した。
「今度はポップコーンですか、先輩・・・」
「そのとーり、大正解だよ、ふーたん!よくぞわかったね、流石あたしの後輩だよ!」
わざとらしい、大げさな口調で返事をした自然科学部部長、上総 美明を横目で見ながら、風太は手ごろな場所にあった椅子に腰かける。
「廊下に香ばしい匂いが、ダダ漏れですよ・・・。それにあんまり派手にやるととまた怒られちゃいますし・・・」
遡ること一カ月前、美明が「焼肉パーティ」と称する催しをここ、生物実験室で開催し、教室と廊下に設置されている、計11個の警報器を焼肉の煙によって盛大に鳴らし、教師陣に大目玉をくらった出来事は風太の記憶に新しい。
あの時は、生徒指導の教師に延々と怒られた挙句、校長先生の前で誓約書を書かされたりと散々だった。
「ほい、できたよーっ!」
風太の言葉などなかったかのように、美明がポップコーンを大皿にあける。
「わー美味しそうだなー、じゃあ早速頂こうかな・・・って言うとでも思いましたか先輩!忠告を無視しないでくださいよ!てか怒られたの先週ですよ、先週!実験室のガスバーナーこっそり持ち出してポップコーン作ってたなんてばれたら、今度こそ退学ですよ!」
「んー、キャラメル風味にしてみたんだけど、ちょっと甘すぎたかなー・・・?」
「人の話を聞いてくださいよ・・・。とにかく、先生に見つかる前に片付けないと!」
困っている風太を尻目に、美明はポップコーンをほおばり続ける。
「それはそうとしてふーたん!」
「簡単に話を受け流さないで!」
「今日は客人をお招きしているんだよ!」
「ああ、そうですか!だったら尚更、早く片付けないとね!」
ヤケ気味に返事をした風太チラッと横目で見た美明は、いきなり教室入口のドアに向かって声を投げかける。
「それでは、お入り下さーい!!」