結奈、卒業式の日
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(ついにこの時が来た……)
私は今小学校の体育館にいる。というか六年生、五年生全員に教師、六年生の保護者が体育館に集まっていた。つまり――
(ついに卒業式だあ……!)
胃痛持ちになって早二年。長かった……! コトと出会ってからこの日まであっという間でいてすごく長かったなあ……!
物思いに耽っていると長ったらしかった卒業式も残るは校長の話だけで、それも時間的にそろそろ終わるだろう。
私はチラチラっと周りを見る。何人かは号泣、大半が涙目または泣きそう、あとはパラパラと飽きてるまたは眠そうにしていた。
因みに私の内心は解放感に満ち溢れていた(やっと胃の痛みから解放されるから)けれど表情では泣きそうにしている。やっぱりこの中で晴れ晴れとした顔は不謹慎だと思って。
コトは席が離れているから分からないけど、私の予想では寝てるね。しかし俯いているから周りは泣いてると思っているとみた!
『――……一同起立』
(お、やっと終わったみたいだ。すっかりお尻痛くなっちゃったナー)
席を立ち、頭の中でこの後の予定を思い浮かべる。
(えーっと、これから卒業式定番の音楽に合わせて順番に体育館から出て行って、最後に校庭で下級生の子達に見送られながら解散、カナ?)
それじゃあ両親はこれから仕事場に行くらしいし終わったらさっさと帰るか、と計画を立てながら体育館からワサワサぞろぞろ退場した。列はそのまま体育館を出て少し歩いた先にあるホールで一時休憩。ぼーっと立っていたら前方からコトがやって来た。
「ユイーこの後一緒に帰ろー」
「良いけどお祖母さんは?」
てっきりコトはお祖母さんと帰るかと思ったんだけど……。
「朝出る前にユイと話しながら帰りたいって言ったら『じゃあ結菜ちゃんによろしくね』って。もう帰ってると思うよ」
「へえー……?」
何の話だろう……? まあ私にも話はあったから良いけどさ。
「じゃあまだお見送りがあるし一応校も「琴音さん!!」
校門近くに待ち合わせねー、と続けようとしたら一人の男子が顔を真っ赤にして話し掛けてきた。辺りが少しざわつく。
(こんな大勢の前でやるなあ勇者よ)
自分の言葉を遮られたのに怒るどころか感心してしまう。気分は勇者と娘の行く末を見守る国王様ポジションだ。
「…………何?」
対してコトは多分話の途中で声を掛けられて気分が急降下中。話を遮れるの嫌みたいなんだよねえ。
(勉強不足! 残念!)
「琴音さんてここの中学に行かないって本当なんですか!」
(へー、そんな噂あったんだ)
「ええ、まあ……」
何やら警戒しているご様子。はて? もともと帰る予定なんだからここの中学に通わないのは当たり前。別に隠すような話じゃないはず。
勇者はあからさまに肩を落として俯いているため、コトの様子に気付かないまま話す。
「そ、そうなんだ……。じゃああの女子校に行くって言うのも「ちょっと……!!」
コトが言葉を遮ったけど聞こえちゃいましたよ?
「はあ?」
思わず大きな声で言ってしまい、色んな人から視線を向けられたのが分かる。が、今は無視だ無視。
隣のコトを見ると“あちゃー”という感じに顔を手で覆っていた。コ、ト、ネ、さん?
「コト? 女子校って何?」
キョトンとした顔で訊くけど内心では、
(あなた実はアレですか? シキタリ云々じゃなくて身も心も女になりたいと? 今は完璧を目指している途中なのかな? いや、私に偏見は無いよ? コト美少女だし寧ろ女の子まっしぐらに進めばいいよっ)
と、絶賛テンパり中。
(いやいやいや、OK、まずは落ち着こうぜ私。表では私はコトが男って知らないんだから女の子であるコトが女子校に行ったって大丈夫なわけで。よし。クールになれ私!)
「……ほ、本当に女子校に行くの? もー言ってくれればよかったのに。えっと、地元の?」
顔が引き攣ってないか気になるところ。多分大丈夫だけど。
「あのねユイ」
私の言葉に顔を覆っていた手を外しふーっと溜めた息を吐き出すとコトはニッコリ笑った。その笑顔に勇者を含め野次馬達が一斉に悶えた。うん、可憐で美しいのに可愛いですね。でもね。皆よく見てみなよ。
(コワッ!)
目ぇ笑ってないよ!? それに何その獲物を見るような目! え、ちょ、私何かやっちゃったのか!?
コトがゆっくり口を開いたところで担任がやって来た。
「そろそろ見送りやられに行くぞーガキンチョ共並べー」
……助かったと言いたいところだけど、アンタ何で小学校の先生になったの……? というか何でなれたの?
「あー……、取り敢えずまた後でね」
「……分かったわ。先に帰らないでよ」
釘刺された。ちっ、抜け目ない。
(あー話なんてどーでもいい。先に帰りたい)
とは言えちゃんと一緒に帰るけどさ。溜め息は必死で飲み込む。
担任の言葉でもぞもぞガヤガヤ列をし直すために自分を含め全員が動く。
(あーもーなんなんだよアイツはっ! 女子校ってなんなんだよおぉぉ! 最後まで胃が痛いぃぃ!)
表情には出さない私の叫びは当然誰にも届かなかった。
それから下級性に見送られる中コトが人に囲まれて身動きが取れなくなる、なんてことがあったけど概ね無事にコトと二人で帰途についている。因みに概ねってのは、コトはボタンがいくつかなくなりヨレヨレの服になり、私は服は無事だけど胃の被害が甚大ってことで。
私とコトの家は少し遠くにあるので、パラパラと周りにいた帰宅途中の小学生はいなくなっていた。
右にはコトがいて、いつかのように手を繋ぎながら歩いていた。
(あーそういえば、今までを振り返ってみると私達しょっちゅう手を繋いでたなあ……)
ほとんどが私から差し出してでだ。だってコトが暴走しても手を繋いで引っ張れば大人しく着いてくるからいつの間にか習慣化しちゃったんだよね、と一人内心で言い訳をしてみる。
しかし。
(……裏を返せば、習慣化するほど私はコトと一緒にいたってことだよね……)
それが、今日で、終わる。
出会って約二年。短いようで長く、長いようで短い。知り合ってから胃が痛くならない日はほぼ無かった。ずっと離れたいと願っていた。
なのに。それでも。
(……寂しい……な……)
そう思ってしまう自分がいて、コトのことが好きだったんだなと思った。もちろん親友として、だけど。
「ねえユイ。さっきの続きなんだけど」
感傷に浸りつつ、そろそろ“女子校”のことを訊こうかとタイミングを窺っていたら、コトが先に話し始めた。
「うん。女子校だよね? もちろん地元のだよね?」
(女子校にマジで行くのかな……。まあ私には関係ないか!)
いつものように表情と心の声を別にして答えた。答えることが出来た。――ここまでは。
歩くスピードは変えず顔だけ私に向けて、さも当たり前のように訊いてきた。
「それを説明する前にユイは私に何か言うことあるよね?」
「……え?」
ど、どれのこと……? 卒業おめでとう? 地元いつ帰るの? 地元ってどこ? ……ってそんなことじゃないよね。
頭に疑問符を浮かべていると、コトは少し考えるそぶりを見せた後ニヤリと笑った。
「……俺に、黙って、受験したこと、とかさ?」
っひゅ。
思わず息を呑み、同時に足まで停めてしまった。多分今私の背中は瞬間的に出てしまった汗で大変なことになっているだろう。
例の如く私の顔は僅かに目を開いているくらいだけど、心中はパニック状態再びだった。
(うわーーー!! やっちまった! これじゃわざと教えてなかったことがバレるじゃん!)
つーかさ!
「えっと、『俺』って? ど、どうしたのコト? コトは女の子なんだから『俺』って言うのは良くないよ?」
取り敢えずいつものように優しく諭すが、声は動揺していた。仕方ないとは思うけどね! つーか何のつもりだよ!
「そう言うなよ。知ってるんだろ? 俺が、男だってことをさ」
(えーーー! 直接言って来るだと!?)
「うえっ? お、おとこ……? コトはなにをいってるのかな?」
「ふはっ。ユイ嘘つくの下手すぎ! 全部平仮名で発音してるぜ?」
私としては普通に話したつもりだったのにコトの耳には拙い言葉に聞こえたらしい。普段のコトからは考えられない豪快に笑う。
いつもの美少女然とした笑い方よりこっちの方がコトらしくていいと思うけど、こんな外で誰が見てるとも限らない場所ではNGだ。止めさせねば。
「ちょ、コト!」
「はーはっはー、あーユイはホントに可愛いなあ」
「…………なっ!」
笑うのは止めてくれたけれど、その後の『可愛い』って単語に一拍経って理解した途端顔が一気に熱くなった。多分、いや絶対これ以上ないほど真っ赤になってるんだろう。コトがすっごいニヤニヤしてるから。コノヤロウ……!!
……かと思えばスッと真面目な顔になって話し始めた。
「……ユイがいつから俺のことに気が付いていたのかは分からないけれど、俺がそのことに気が付いたのは二、三か月くらい前かな」
まあ確信したのは今だけど、とコトは言う。
「二、三か月前……?」
「そう。俺が“風邪をひいて休んだ”時のことさ」
コトの強調された言葉に首を捻るがすぐに思い出した。
「………………あっ」
思わず出てしまった声に慌てて目を逸らしてしまった。まあそんなことしても無駄で、むしろトドメとなる反応だったわけだが。
「……やっぱりか。風邪じゃなくて声変わり(・・・・)のせいで休んだってこと知ってたんだな」
そう、実は去年の冬の初めくらいにコトは男の子から男の人になる次の段階へ密かに進んでいた。――気付いたのはちょっとした偶然から。
当時、コトが突然学校を休んだかと思えば二、三日経った後マスクをして登校して来た。しかし声はガラガラでクラスの皆は酷い風邪に罹ったのだと心配をしていた。それから一週間ほど経ってようやくマスクが外れ声が戻っていたから皆が(・・)すごく喜んでいたのを覚えてる。
「幸い本格的に声が変わるようなものでも、喉仏が出るようでもなかった。ガラガラだった声も戻ったしな。でも声が不安定で微妙に前より低くくはなった」
「…………」
「皆は気付いてなかったみたいだけど、ユイは違うよな? マスク取れた次の日にヘリウムガス持ってきて遊んでたし。あれって違和感無くすつもり持って来たんだろ?」
た、確かに若干低いなと思って、“声って変わるんだよ”って何となくでも思ってくれればと『吸ったら声が高くなって楽しい!』っていうヘリウムガスを持って来た。意味無いだろうなあと思いながら。
「……どうしてわかったの?」
「ん?」
「どうしてそれで私がコトのこと気付いてるってわかったの? 私表情に出さないでいつも通りだったと思うんだけど」
それとも私が気が付いてないだけでフォローがあからさまだったのだろうか? でも今になって?
「……これでも二年間ずっと一緒にいたからユイが考えてることはなんとなく読める。ずっとおかしいなとは思ってた。それにあの日気が抜けたんだろうな、呟いてたよ」
「な、何て?」
「『違和感あるけど大丈夫そうね』って」
「……言ってた?」
「小さくだけど」
うわああああ……。もうそれしか言えないよ。
「ははっ。ユイ今“うわあああ”って顔してる」
っく。本当に解ってるみたいだ。いつもより顔に出てる自覚はあるけどこうも言い当てるとは……!
「悔しそうな顔だなあ。…………ずっとフォローしててくれたんだろ? ありがとうな」
「……見てらんなかったんだもん。コト粗過ぎだよ」
気恥ずかしくなってプイッとそっぽを向く。
温かくて少し恥ずかしいような空気が二人の間を流れる。けれどそれも――
「で、本題に戻るけど。ユイは、どうして、俺に、黙って、女子校に受験したのかなあー?」
――瞬時に空気が凍った。
私はそっぽ向いたまま口を開くしかなかった。
「な、何でコトがそれを知ってるのさ」
「地主の孫を舐めんなよ」
なんと! お祖母さん経由でバレていたとは……!
「べ」
「べ?」
コトがにじり寄って来る気配がする。やばい、と思って私もじりじり後退していたら壁に追い詰められてしまった。不覚!
「ユーイー?」
くううう。仕方ない、早口で一気に語ってやるわ!
「別にわざと黙っていたわけじゃないのよ? ただコトは卒業したら両親のところに帰るって聞いてたし、言っても言わなくても変わらないだろうと思って。コトとはいつでもメール出来るし、たまに会えるだろうと思ってたし。だから受かったら話そうと思ってたらそのまま卒業式を迎えちゃったというか、ちゃんとこの帰りに言う予定だったの!」
「ふうん」
何その気のない返事! 訊いてきたのはコトなのに! 確かに一番の理由の“面倒臭そうだから”ってのは言ってないけどさ。
コトの手が私の顎に添えられ、ぐいっと無理矢理正面向かされたかと思ったら、じぃっと目の中を覗きこまれた。
「『面倒臭そう』」
「!?」
「って思ってるだろ?」
エスパーかっ!
「まあいいけどね。否定しないし」
「え?」
あっさり引いた、だと!?
「引いてない引いてない。寧ろユイがこそこそしてるからこっちとしても助かったって話だよ」
「……どういうこと?」
この時には私の頭に認めたくない話があった。
(コトが女子校に行く、私が女子校に行くこと知ってる、今男とバラす、そして助かったと。あーと、えー気のせい気のせ)
「そりゃあ俺がユイと同じ学校に行くからさ。ユイにバレないように受験するのは大変だったなあ」
(……い、じゃないと)
「何故男のコトが女子校に来るの?」
「さっきから訊いてばっかだな。当然だけど」
「質問に答えて」
あんなに美少女の笑う顔が好きだったのに今は少し忌々しく感じて来る。はっはっは。別れる感傷? コトに黙って受験で罪悪感? ナニソレ。おいしいの?ですよ。
「怒んなよ。女子校については俺でも予想外のことなんだぜ? てっきりユイは地元の共学に行くと思ってからさ慌てたよ」
「はあ? 何でそこに私が出て来るのよ」
今まで必死に心の中で止めていた心の中の“私”が顔を出す。つまり口が汚い。
「俺の家な、一族って言った方がいいか。代々異性を惹き付けるフェロモンがあるんだ」
「急に何?」
「落ち付けよ。取り敢えず俺の話を聴けって」
っち。聴かなきゃ話が進まなそう。ということで目で先を促した。
「……何故かは知らんが水無月家の子供は大体六歳から十歳までに多かれ少なかれそのフェロモンが発言する。誰でも、いきなりな」
なにそのファンタジー。としか言いようがない。
「うん。言いたいことは解る。でも本当だ。俺の場合は9歳、小四の時だな。こっちに来る前に発現したんだが、普通は異性だけなのに俺は異性どころか同性にまでフェロモンが効くんだよ……。歴代でも一、ニ争うほど力が強いらしい」
「へ、へえ……」
ああだから、という思いと話についていけない、という思いで頭がいっぱいだ。それに……。
「地元ではそれで思い出したくないようなことが色々あって、祖母さんに相談してこっちに来ることになった。色々都合が良いってことで」
少し遠い目をしてそう言うコト。……きっと色々あったんだね。まあ訊かないでおくよ。
「女の格好をしてるのは少しでもフェロモンを押さえるため。よく分からないけど多少マシにはなったな」
「あれで!?」
「あれでだ。まあそんな強力なフェロモンなんだが効かない人はいる。まずは両親とフェロモンを発現している奴ら、親類縁者つーのかな。後は余所見する暇ないくらいベタ惚れのカップルとかにも効きにくいな」
「ベタ惚れカップル……」
何か頭悪そうな響きだ。
「ああ、ユイの小父さん、小母さんにはあまり効いてないな。ホント仲良いな」
にっこりと尊敬な眼差しのコト。……ああ、うん。夫婦仲が良いのは嬉しいことなんだけど、その子供としては少し恥ずかしいな。
「あと効かないのは将来の伴侶だけかな」
「へー………………って、将来の伴侶?」
さらりと何でもない風に言うからそのままスルーしそうになったけど、は、伴侶って確かさあ……。
「そ。伴侶。簡単に言えば結婚相手。ロマンチックに言えば運命の相手」
コトの顔が! 良い笑顔過ぎて眩しい!! あ、ちょ、いつの間にか顔の横に手が! あれ、これって、コトに『壁ドン』されてる!? これが小学生のやることか!?
「ちょっとコト!?」
「まさか引っ越してすぐに運命の相手に巡り合うなんて俺ってば運が良いよマジで。見つかるまで結婚出来ないからホントに良かったわー。ま、敢えてしない奴もいるらしいけどな」
「は!?」
「ユイ、俺のフェロモン効いてないだろ? こんなに近いのに抱き着いて来ることすらしないし」
「はあ!? 何を言ってんの?」
明らかに話に付いていけてない私を全部スルーするコトにイラッとする。
あーもー意味が分からない。いや、言いたいことは解った。……いやいや、全くわかんねーよ!
「さっき何で男の俺が女子校に行くか訊いたよな?」
「は……?」
イラッとしてる私も構わず、また急に話を変えるコト。駄目だ。頭が全然働かなくなってきたしお手上げだよ。
「運命の相手であるユイと片時も離れたくないからだ。まあフェロモンが効かない奴が近くにいて欲しいって意味もあるけど」
「私が、運命の?」
相手だって? 嘘でしょ? て言うか、女子校に来る理由になってないけど?
「ああ。ユイが俺の運命の相手。俺はユイと離れたくないのに、ユイはそうでもないだろ? つーか、ユイさ俺と離れる気満々で受験したろ?」
「うっ」
思わず目を逸らしてしまう。ああ、コトにじと目で見られてるううう。
「……まだ成長してない身体ってこの時ばかりは感謝だぜ。家系的に高校までは小さいらしいし。気にせずユイを追い掛け回せる。女子校でも」
にこっと微笑んでくるが、何でだろう。背中がぞくぞくする。おかしいな。急に寒いよ? しかも言うに事欠いて『追い掛け回せる』って。
「――好きだよユイ。絶対逃がさないぜ?」
頬に軽くキスされる。
いつもの正常な私だったら少し前みたいにここで顔を真っ赤にしただろう。けれどイロイロなことが有り過ぎて今のがトドメになり私の頭は完全にショートして真っ白になった。
けれど一言だけ。全てを纏める私の心情を表す言葉は言おう。
「…………はああ?」
・武里結奈<ユイ>
小四の秋から胃痛持ちとなった少女。本当は口が悪いけれどいつの頃から『これは印象が悪い』と気付き心の中で毒を吐くようになった。表情も一緒に封印。特に何かがあって歪んだ結果そうなったわけではなく本人による処世術。
整体師の両親の仕事を傍で小さい頃から見ていたため、体の筋肉やツボなどがそれなりに分かる。コリや歪みも見て分かるからなかなかの観察眼だと思ってる。
将来の夢は両親と同じ整体師。中学から受験するのはその進路のため。あと母親が通ってたから。
本人は普通と思っているけれど可愛い顔立ちのため意外とモテる。が、如何せん恋愛面では鈍すぎるため気付かず全部スルー。あとさり気にコトがガードしてた。
・水無月琴音<コト>
小四の秋に突然転校してきた着物がよく似合う美少女。小柄で女の子としか言いようがないが、正真正銘の男の子。
家系的問題でフェロモンが発現。微量な香りを発しているようで嗅いだ人は引き寄せられるように好意を抱く。
このフェロモンにユイは効かない。まだまだ探せばユイのように効かない人間はいるはずだけど、本人は“運命の相手”をユイに決めた。ぶっちゃけ最初に会った時ユイに微笑まれて一目惚れに近い、がそれには気付いてない。
因みにフェロモンは子供が出来れば落ち着きます。
本名は「真」。お祖母さんがせっかくだから女の子の名前にしましょう!と“まこと”から“ことね”になった。両親からはたまにコトと呼ばれていたからユイに呼ばれ嬉しびっくりをした。
取り敢えずこんなものですかねえ?
何か取りこぼしがあるような気がしますが取り敢えず終わりです!
読了ありがとうございました!