夜は五月雨を垂らして歩く
掲載日:2012/06/17
優しい言葉なんか要らない。
遠い異国を想うだけ。
雨のさざなみ、渚の風が、
心のどこかで響くだけ。
夜の街頭なんか要らない。
月が草木を照らすだけ。
明日のことは誰も知らない。
夜が一人で叫ぶだけ。
雨に飾りなんか要らない。
かすれる声が漏れるだけ。
君の昨夜のまどろみ達も、
風にのって届くだけ。
梅雨にお日様なんか要らない。
暗い夜道を濡らすだけ。
余計な体温、余分な呼吸、
みんな沈めてくれるだけ。
ファルセットの気づかいも、
ウラジオストックの酒も、
みんな集めて流すだけ。
みんな夜に浸かるだけ。




