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日常

今の俺はごくごく普通の高校生・・・とは言えないようになってしまった。

西淨に出会い、重量操作『グラビドン』という能力を与えられ西淨を命がけで守らなければならなくなってしまった。

そして、能力を与えられてすぐに凪原大知という科学者が西淨を狙ってやってきた。

「これはどう考えても普通の高校生とは言えないよな・・・泣ける。」

西淨と遊間は寮にいた。

「遊間君、お風呂借りるね。」

「えっ、風呂!?」

「だめ・・・かな?汗かいちゃったから。借りようと思ったんだけど・・・・」

西淨は服をパタパタさせ服の中に空気を入れる仕草をした。

その仕草を見た遊間は西淨を見ていた視線を瞬時に変えた。

「い、いいです!好きに使ってください。」

「じゃぁ、使わせてもらうね。」

西淨は小走りになってお風呂場へ向かった。

シャアアというシャワーの水が出る音が聞こえるぐらいに静かだった

遊間は考えた。“能力開発”のことを。

(“能力開発”、そんな研究が進行されていたなんて・・・・)

「お風呂ありがとね遊間君。」

「え?うわっ!?」

前を見るとタオル1枚で体をおおった西淨がいた。

「ふ、服はどうしたんだよ。」

「うん、服は制服しかないからどうしよか遊間君に聞こうと思って・・・・」

「服がない?・・そっか、制服だけしか持ってないんだっけ。」

遊間はタンスの中を探り西淨に合う服を探し出した。

「ほら、これ。少し大きいかもしれないけど着ろよ。」

西淨はタオルで胸をかくしながらも遊間から渡されたタオルを受け取った。

西淨は後ろを向き遊間から渡された服に着替えた。

そして着替えている途中で何かを思い出したのだろう。

あっという声を出した。

「遊間君。言い忘れてたんけど。」

遊間は床に向けた視線を西淨に向けようとした。

しかし、西淨は着替えの途中なので西淨を見ることはできなかった。

「君の能力のことなんだけど、その能力は無限じゃないんだ。全ての能力には当然、力を使うための源がいるんだよ。」

「源。なんだソレ?」

「うん、それはね心だよ。」

「心・・・感情みたいなもんか?」

「まぁ、それに近いね。喜び、悲しみ、怒り、妬み。色々な感情によって力は増するんだよ。」

「そうなのか。」

「うん、まぁそれだけだよ。それじゃ、おやすみ。」

西淨は部屋に一個しかないベッドの中に入る

「え・・・そこは俺のベッドなんだけど。」

西淨は毛布の中から手を出して床を指さした。

つまり、床で寝ろということだろう。

それを理解した遊間はしぶしぶ床に毛布をひき寝た。

朝、遊間が起きると西淨はベッドにはいなかった。

遊間はいきなり西淨がいなくなったことに驚き辺りを見回した。

すると、台所の方からジューという何かを焼いている音が聞こえた。

なんだろうと台所へ向かうと西淨が台所で朝ご飯を作っていたのだ。

「あっ、遊間君やっと起きたね。朝ご飯今作ってるからね。」

「あ、ありがとう。」

いつもはパン一枚というなんと質素な朝ご飯を毎朝送っていた遊間なので朝ご飯を作ってくれるという行為は遊間にはとても喜ばしいことなのであった。

「はい、どうぞ。」

西淨が机に朝ご飯を置いた。

「いっ!?」

皿に載っている朝ご飯は人間界の食べ物ではないような変化をとげていた。

「え、えーと・・・これは朝ご飯ですか?」

「うん、そうだよ。外見はアレだけど食べるとおいしいよ?」

遊間はつばをごくりと飲み込み皿に載っている朝ご飯を一口食べた。

「う、うまい!うまいぞこれ。」

「ありがとう。それじゃぁ、あたしも食べてみるね。」

西淨も一口食べた。

口の中に入れた瞬間、みけんにしわをよせ「む。」と声をを出した。

「何かこしょうが足りないような気がする・・・・・・」

「いや、十分おいしいって。」

「いや、足りないよ。こしょう。」

西淨は台所にあるこしょうを手に取り、朝ご飯に大量のこしょうをぶちまけた。

「んと、これぐらいでいいかな?」

手に持っていたこしょうを机に置き一口食べた。

「んー!おししい。」

「そうか、それじゃぁ俺も・・・・・・・・・っ!?」

遊間が朝ご飯を口の中に入れた瞬間、口の中に激痛が走った。

あまりにも辛すぎて口の中に入れられなかったのだ。

「げほっげほっ、」

遊間が激痛と闘っている間に、西淨は朝ご飯をたいらげてしまった。

「ふぅ~、おいしかったね。遊間君。」

遊間は苦笑いをしながら返事をした。

「え?あ、そうだね。おいしかったよ。」

「もうこんな時間だ。学校に行かなきゃ。」

西淨は昨日着ていた。制服に着替えた。

「でも、外に出たら西淨を狙う人が来るんじゃないのか?」

「うん、くるかもね。」

それじゃぁ、やめとけと言おうとしたが西淨の言葉がさえぎった。

「でも、遊間君が守ってくれるよね。」

西淨を満面の笑みを遊間に向けた。

「はぁ、泣ける。」

そして二人は登校する準備をして寮を出た。

遊間と西淨が一緒に登校していると真咲が現れ遊間の顔を殴った。

「何すんだ。てめぇ!」

真咲は目に涙を浮かべて言った。

「うるせぇ!俺より先に彼女を作りやがって。しかも彼女がめっちゃかわいい西淨さんだと!?」

「ま、待ってくれ。誤解なんだ。」

真咲は遊間の言葉に聞く耳をもたなかった。

「うるせぇ、うるせぇお前なんか知るかーーーー。」

真咲はいつもより2倍くらいの速さで走り去っていった。

「待てっておーーーーーーーい!・・・・・誤解を与えてしまった。」

「遊間君。どうしたの?真咲君すごい速さで走り去っていったけど。」

原因はお前だよ。と言いたかったが遊間には言えなかった。

「い、いやなんでもない。」

「そう、ならよかった。」

キーンコーンカーンコーンと予鈴のチャイムが鳴った。

「やべっ、もう予鈴が鳴っちまった。早くいこうぜ西淨。」

遊間は西淨の手をひっぱり走りだした。

「あっ。」

西淨は遊間に引っ張られている時、笑みをこぼした。

ガラッと教室のドアを開ける音を立てて教室に入った。

「やったな西淨!ぎりぎりセーフだ。」

西淨は顔を赤らめながら言った。

「うん・・・でも手を離してくれないかな?」

「え・あっ!ごめん。」

遊間はつかんでいた手をゆっくり離した。

「お、お前ぇ、どんだけ俺を怒らせれば気が済むんだよぉ!!」

遊間が声のした方向をみると真咲がいた。

真咲は勢いよく走り、遊間にドロップキックをかました。

遊間は背中を壁にうちつけた。

「もう知らねぇ!謝ろうと思ったがもう知らん。お前とは絶交だああああああ!!」

もう朝のホームルームが始まるというのに真咲は教室を飛び出して去っていった。

西淨は遊間に近寄り不安の表情を浮かべて言った。

「もしかして、私が遊間君の近くにいたせい?」

「気にすんな。どうせあと5分もしたら戻ってくる。」

そして、5分後。遊間が言ったとおり真咲は教室に戻ってきた。

遊間は真咲に「西淨と一緒にいたのは登校の途中で偶然あった。」と言うと真咲は態度を変えた。

「すまん。遊間!」

真咲は土下座して遊間に詫びた。

「あぁ、許したいんだけど・・・・一発殴ってもいいか?」

「え?」

「登校中のパンチといい、ドロップキックといい・・・・・・・許さん!!」

遊間は勢いよく真咲の顔を殴った。

そして、そのまま腹も蹴った。

「ガッ、ちょっ!え!?一発だけなんじゃ?」

「うるさい!一発だけじゃ俺の怒りはおさまらないんだよ!!」

遊間が真咲を一方的に殴っている途中に先生が教室に入ってきた。

「よーし、みんなホームルーっ!なにしてんだ!波動。真咲。」

先生の怒鳴り声によって遊間の攻撃は止まった。

二人はホームルームの後、職員室に呼び出されなぜ喧嘩の原因を聞かれた。

「わはははははは!お前らは本当にいつもいつもしょうもないことで喧嘩してくれるな。しかし、西淨をめぐって喧嘩とは・・・・ぶっ、わははははは。西淨もすみに置けないな。」

先生が大爆笑している時、授業が始まるチャイムが鳴った。

「おっ、もう授業が始まる時間か・・・よし、お前らもう教室に戻ってもいいぞ。」

先生は手でもう行っていいぞとそぶりをして遊間達を職員室から出した。

「失礼しました。」

二人はペコリと礼をして職員室を出た。

(俺はこんな平和な日常をもう毎日遅れないのか・・・)

遊間はハァとため息をつき教室へ戻った。



第3章完


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