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能力覚醒

「俺ならやるね。」

あはっと西淨は静かに笑い静かに言った。

「じゃぁ、契約成立だね。」

遊間の聞き返す声よりも早く辺り一面が一気に暗くなった。

「な、なんだ!?」

「遊間君、言ったよね?夢のためならなんでもするって。」

西淨の雰囲気があきらかに変わっていた。

遊間には意味がわからなかった。

(何だ、俺が見栄を張ったから神様が俺を見放したのか?あぁ!もぅ、わけわかんねぇ。)

「今から契約内容について説明するね。」

「け・・契約内容?」

「私はあなたに1つだけ能力を与えた。」

「そ、それはどんな能力なんだ?」

西淨は首を横に振りそれは教えられないと伝えた。

「続けるね。私を倒したら契約完了だよ。」

「た、倒すって殴るってことか?」

「うん、そうともとれるね。制限時間は1時間。」

「ちょ、ちょっと待った。」

遊間が手を前に出した。

そして怯えながら聞いた。

「も・・もし制限時間を超えたらどうなるの?」

「そりゃ・・・・死ぬでしょうね。」

西淨から放たれる冷たい目が遊間を襲った。

「ひっ。」

「それじゃぁスタート。」

スタートという言葉と同時にまどかは暗闇の中に消えた。

はぁ、とため息をつき泣けると口癖を言って遊間は走った。

「しかし、どうすりゃいいんだ?西淨さんのいる所なんてわからねぇから倒すことなんて不可能だ。」

「心配ご無用だよ。」

ひゅんと何かが飛んでくる音が聞こえた。

遊間は反射的に飛んでくる物をすかさず避けた。

カッ、カッ

「ハァ、ハァ、何が飛んできたんだ?」

地面を見るとサバイバルナイフが2本地面に突き刺さっていた。

「あはは、よく避けたね。でも今度はそうはいかないよ。」

西淨の声をした方を見ると数え切れないほどのサバイバルナイフが自分の方へ向かっていた。

だめだ。避けることが出来ない。とあきらめ目を閉じた時、ゴンッと何か重い物が落ちる音がした。

遊間が目をゆっくり開けるとナイフが全て地面にささっていた。

「ど、どういうことだ。」

「あはっ、遊間君は能力を発動したんだね。」

遊間は自分の手を見つめた。

「俺の能力?これが。」

(まさか俺の能力はナイフを操る能力?)

「自分の手を見つめてる暇はないよ。遊間君。」

西淨がまたもやナイフをいくつも投げてきた。

「はっ、能力が分かればこっちのもんだ。俺の能力はナイフを操る能力だ。」

遊間は右手をかざした。

ザクッ

「え?」

遊間のに右手2本サバイバルナイフが刺さった。

ザクッザクッ

サバイバルナイフは次々と遊間の体に刺さっていった。

「グハァ、俺の能力はナイフを操る能力じゃないのか?」

「あれ~、能力がわかったんじゃないのかな?何か今ザクッていう効果音がたくさん聞こえた気がするんだけど。」

遊間はあまりの痛さに返事をすることが出来なかった。

「返事が無いってことは死んじゃったかな。でも、念のためにもうちょっとナイフを投げとこ。」

(おいおい、嘘だろ?)

ヒュッという音が聞こえた。

しかし、ナイフを投げる音は聞こえても遊間の体は反応してはくれない。

ザクッザクッザクッ

「ガハァッ。」

「な~んだ。まだ、生きてたのか。でも、私が投げたナイフが全て当たっているということはもう遊間君の体は動けないということだね。」

(くそっ、俺の能力は何なんだ。考えろ、考えろ。西淨は最初なんて言った。夢を叶えれたら何でもする・・・・夢?夢―――そうか!)

「じゃぁ、これで最後だね遊間君。バイバイ。」

別れの言葉と共にサイバイバルナイフが遊間に向けて投げられた。

「最後?そいつはどうかな。」

「えっ――」

キュインという音と同時にサバイバルナイフが地面に突き刺さった。

「へっ、ようやくわかったぜ。俺の能力がな。俺の能力は『重力操作』(グラビドン)だ。」

「へぇー、よくわかったね。でも、いまさら能力がわかった所で遊間君は怪我を負いすぎて動けないも同然なんだよ?」

「上を見てもまだそんなこと言ってられるかな?」

西淨が上を見ると、西淨が投げたサバイバルナイフが上空を漂っていた。

「ナイフが浮いている!?・・・・・まさか!」

「そのまさかだぜ!重力解除。」

上空を漂っていたナイフはまるで雨の様に西淨に襲いかかった。

「きゃあああああああ。」

西淨は膝をガクンと地面つき、倒れた。

「はぁ、はぁ、契約・・完了だな。」


第1章完


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