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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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99 チーム解散?

レース後の宴会会場で楓オーナーから来シーズンteamKAEDEの活動休止が告げられました。KAEDEのスタッフはそれを訊いてショックだったと思います。

 第8戦スポーツランドSUGOのレースが終わり、宴会(反省会)を居酒屋はたはたで、やるんですけど…… (かえで)オーナーから来シーズンteamKAEDEの活動休止が告げられました。


「オーナー、どういう事ですか?」


「チームは解散ということなんでしょうか?」


 チーフメカニックの山口(やまぐち)君やタイムキーパーの小林(こばやし)さんから訊かれてますけど……


「来シーズンteamKAEDEのスタッフはteamSHOWGOでレースをします」


「えっ、それってどういう事?」


 メカニックの水上(みなかみ)君や青木(あおき)君も不安そうです。


「えっ、でも小山内(おさない)さんは?」


 山口君は杏香(きょうか)の事を気にしてるかな……


「来シーズンからはteamSHOWGOで小山内さんと木村(きむら)さんの2人がドライバーとしてレースをします」


「えっ、私達もteamSHOWGOへ行けるの? 解散じゃないの?」


 小林さんも不安そうです。


「みんな待ってくれ!」


 深田(ふかだ)GMが横から口を挟んで来ました。


(せい)ちゃん、だから言ったじゃないか…… こういう事は慎重に説明しないと」


「GMも知っていたんですか?」


 山口君は、ちょっと攻撃的です。(げん)さんは頭を振ったあと俯いています。


「みんな訊いてくれ、山口も……」


 ちょっと収拾がつかなくなっているかな……


「来シーズン、teamKAEDEはteamSHOWGOと合併します! だから誰一人解雇はしない」


 今度はGMが言い張りました。うーん、オーナーは移籍って言ってなかったかな……


「おいおい(ひで)ちゃん…… そこはちょっと違うだろう」


「だから、スタッフもドライバーも、teamSHOWGOでレースをやるんだからそういう事だろう!」


 まあ、私が知る限りではそうですよね……


「えっ、合併? 解雇はないんだよな! なんだ、それならそうと、もっと解りやすく言ってくださいよ! 俺は職を失ったのかと思いましたよ」


 まあ、山口君達はチームが解散したのかと勘違いしますよね……


「それじゃ、誤解も解けたという事で乾杯しよう」


 オーナーは、思い通りに伝わらなかったからかどうかで、ちょっと機嫌が悪そうですが…… でも、あんたが悪いんだからね。


「それじゃ、まずは残り2戦を勝ってタイトル奪取しましょう、乾杯!」


「か、乾杯……」


 あーあっ、山口君が勝手に乾杯しちゃったよ…… 周りもなんとなく雰囲気が悪いです。


「はあ…… 楓オーナーは説明が悪い」


 深田GMは私達のところへ戻って来て愚痴っています。そんなGMの顔を見て私は訊きました。


「来シーズン、GMはどうするんですか?」


 確か、私が知るところではオーナーから手伝って欲しいと言われてましたよね……


「来シーズンはチームを離れてオーナーと一緒だよ」


「何をするんですか?」


「まだ、何も訊いてない」


 本当、何を考えているのか、あの狸は……


「ねえ、美郷(みさと)さんは知っていたんでしょう!」


 杏香からそう訊かれましたけど……


「ううん、知らないわよ!」


 と嘘をつきました。でも、こういう事に関しては杏香は鋭いんだよね……


「ねえ杏香、来シーズンは一緒だね!」


 結菜はなんだか呑気だね……


「ねえ、ところでどっちがファーストドライバーなの?」


 私は疑問に思って、つい口に出してしまいましたけど……


「私は、どっちでも良いよ!」


 そう言うのは杏香です。


「私はファーストなんて無理ですよ! まだ一回も優勝出来てないから……」


 この2人は欲がないのか、それとも責任を負うのが嫌なのか……


 そんな事を杏香と結菜と話している時、源さんが来ました。


「秀ちゃん、清ちゃんは何をやらかすつもりだ!」


「俺は何も知らんよ」


「おまえも一緒に行くんだろう!」


「なんで知ってるんだよ?」


翔吾(しょうご)君がGMは誰にしようかと言っていたからな」


「そうか、人事も決めないといかんという事か……」


 なんだか全てが変わってしまいそうで怖いです。私は今まで通りやれるでしょうか……


「なあ、源さんがやれば」


 深田GMも意外といい加減です。


「冗談言うな、俺は責任者というより現場派なんだよ! マシーンとかエンジンとかをいじって、油まみれになって仕事をするのが好きなんだよ」


 それはそれでちょっとどうなのかな…… ある程度経験のある人が良いと思うけど……


「俺なんかより、北島さんの方が良いと思うがな」


 源さんからとんでもない事を言われました。


「えっ、無理無理、私はそんな器じゃ無いですよ」


「でも、今でもディレクターの君がいないとチームがまとまらないじゃないか」


「でも、私は…… 判らない事だらけだから」


 もう、楓オーナーは何を考えているのかしら、人事とかも放ったらかしなんでしょうか?


「あっ、ひとつ言い忘れていました」


 オーナー、人事の事?


「来シーズンからteamSHOWGOになる訳だからエンジンやパワーユニットの供給はトヨタになります」


 そうだ、私達は人事の事ばかり考えていたけど、チーム自体がホンダからトヨタのチームになることに……


「美郷さん、ホンダからトヨタって何か変わるの?」


 杏香が戸惑っているようです。


「基本的には何も変わらないはずよ!」


 私はそう言ったけど…… 基本的にはワンメイクだし、エンジンの性能も馬力も変わらないはずです。


「うーん、そうか……」


「判らない事は翔吾さんや岩崎(いわさき)さんに訊いたら? 岩崎さんはトヨタのエンジニアだったみたいだから」


 私はそう言いました。こういうのは専門の人に訊いた方が良いから……


 今回の宴会は波乱含みの席になりました。山口君も小林さんも気持ちよく酔えなかったよね……

オーナーから活動休止を告げられ、不安だったスタッフも、なんとか状況を理解出来たようでした。今シーズンも、まだ2戦残っているのに…… でも、これって記者会見とかはしなくて良いのかな……

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