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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
96/132

96 SUGO決勝2

第8戦SUGO決勝がスタートしましたが、路面温度が33°Cと真夏に比べたら低いため、タイヤが温まるまでスローペースです。

 第8戦スポーツランドSUGOの決勝がスタートしました。順位は予選と変わらず本多(ほんだ)君が2番手、杏香(きょうか)が4番手です。


「うーん、スローペースだな……」


 (げん)さんもそう思ってたようです。


「これって今のうちに仕掛けてみたらどうでしょう」


 私がそう言いましたけど……


「いや、路面温度がちょっと低いからグリップが足りないのかも」


 山口(やまぐち)君の解説です。


「えっ、でもスーパーフォーミュラーのタイヤって40℃から20℃が最適じゃなかったの?」


「だから、真夏と比べたら路面温度がちょっと低いからタイヤの温度が上がるのに時間が掛かっていると思う」


 だからスローペースのスタートなのか……


「これって無理するとスピンするよね……」


「いや、それだけじゃない! タイヤがタレてマーブルが出る。そうなると交換という事になるんだがな」


 源さんは済まして言っているけど、それって駄目じゃん! でも、みんなが抑えている今のうちに前に出たいけど…… みんなこの気持ちを抑えているのね。


「あっ、小山内(おさない)さんがバックストレートで3位の松島(まつしま)にスリックストリームです」


 小林(こばやし)さんがモニターを見てそう言ってます。


「あいつ、松島をオーバーテイクするつもりか!」


 源さんも心配しています。


「杏香、まだ駄目よ!」


 私がそう言ったと同時に松島をオーバーテイクしました。


 あーっ、やっちゃった……


美郷(みさと)さん、どうかしたの?』


 もう、どうかしたのじゃないわよ…… まあ、私も山口君や源さんの話を聞くまでは杏香と同じ気持ちだったけど……


「杏香……」


 私がそう言い掛けた時、源さんにレシーバーを奪われました。


「杏香、次の周回まで待て、次から勝負だ!」


 源さんが、そう指示を出してしまいました。


『えっ、どういう事? 飛ばして良いの? 駄目なの?』


 杏香もちょっと困惑してるかな……


 私はレシーバーを源さんから取り返して言いました。


「杏香、次の周回から思いっきり行きなさい」


 私は、そう指示をしてしまいました。私も少し熱くなってたかな……


「美郷さん、俺も攻めて良いの?」


 本多君から無線が入ったのは丁度メインストレートです。


「本多君、グリップに問題なければ良いわよ」


「了解、行きます」


 他のマシーンは、まだスローペースだけど、本多君と杏香がペースを上げた事で、他のマシーンもペースを上げた模様です。


 はたしてこれが、良い結果になれば良いんだけど……


 本多君と杏香が先陣を切ったおかげで、トップに本多君、2番手に中森(なかもり)、3番手に杏香、4番手に松島です。


 しかし、中森も松島も黙ってはいません。


 中森は本多君の背後から物凄いスピードで追って来ます。


 松島は杏香にスリックストリームを仕掛けてヘアピンコーナーへ突入しますが、ここは杏香も堪えて松島をブロックしましたが、その先のS字コーナーで杏香は抜かれてしまいました。


「あっ、やっぱりそう上手くはいかないか……」


 しかし、杏香はその先のハイポイントコーナーでアウトから松島を攻めますが、ここは松島も堪えます。


 しかし、その先のレインボーコーナーで、松島をアウトから被せてインをつき抜き去りました。


「はあ、やるわね」


 小林さんはワクワク、山口君はハラハラ、源さんはヒヤヒヤと言った感じです。


「ここは抜きつ抜かれつだな……」


 源さんは呆れてる?


 杏香はバックストレートでオーバーテイクを使い松島との差を広げました。


 本多君は、トップを守りながらSPインコーナーからSPアウトコーナーを通過して行きました。まだ、本多君はトップを守ってます。


「本多君がこのまま行ってくれると良いんだけど……」


 レースはまだ序盤ですが、本多君と中森のトップ争いと杏香と松島の3位争いは熾烈です。


 モニターにもこの4台が、ずっと映し出されています。


「おっ、やってるな」


 そう言いながら呑気にオーナーとGMがパドックに来ました。


「本多がトップで小山内は3位か、頑張ってるな」


 オーナーの特別ボーナスが掛かっているからね……


「タイヤはいつ交換するの」


 オーナーから訊かれました。それを聞いて私もハッとしましたけど……


「あっ、えっと…… 20LAP前後を予定してます」


 私がそう話している時……


「松島が小山内さんにスリックストリームです」


 丁度メインストレートを通過して行きました。


「あっ、やられたな……」


 オーナーの言う通り、松島はオーバーテイクを使い1コーナー手前で杏香の前に出て、抑え込みながら抜いて行きました。


「うーん、松島も負けてないな」


 まあ、タイヤ交換前の前半戦だから、いまの順位をキープしていれば……


「あっ、バックストレートで抜かれたのは本多だよな……」


 やっぱり中森も本多君をずっと背後から狙っていたもんね。


「ところで結菜(ゆいな)は何位ですか?」


「えっ……」


 私の背後でそんな事を……


「しょ、翔吾(しょうご)さん!」


「やあ!」


「やあ、じゃないですよ」


 この人はまた、うちのパドックに来て……


「結菜は6番手か……」


 私もモニターで確認しましたけど、パンドラーと5番手争いをしています。ここは、元チームメイト同士の争いですね。


タイヤも温まり本多君と杏香が、レースを引っ張りますが、中森と松島が追って来ます。気温が丁度良いけど、タイヤの問題、高低差があるからマシーンもちょっときついかな……

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