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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
95/132

95 SUGO決勝1

昨日予選が終わった後、杏香と結菜は何処かへ出かけたようです。

 決勝前のフリー走行が終わって、今はピットウォークですけど……


 何故うちのピットに結菜(ゆいな)がいるの?


 その時、翔吾(しょうご)さんまでがうちのピットにいました。


「翔吾さん、他所のチームのピットウォークをうちのピットでしないでください」


 私はそう言い張りましたけど……


「まあ、良いじゃないですか! 来シーズンは同じチームなんだから」


 えっ、それをここで言うの?


「ちょっと翔吾さん、それはまだ内緒の話じゃ……」


「えっ、そうなの? うちのチームじゃ半分くらいのクルーが知ってますよ」


 teamSHOWGOはそうかも知れないけど、うちのチームはオーナーから口止めされているって言うのに……


「teamKAEDEでは、まだオーナーから口止めされています」


「あっ、そうなの…… だから昨日も小山内(おさない)さんは意味不明な顔をしてたのか」


「昨日杏香(きょうか)と一緒だったんですか?」


 私は驚いて翔吾さんの顔を見つめてしまいました。


「ええ、結菜に頼まれて仙台駅まで送りましたよ! その後も夜7時くらいに迎えに行きましたけど」


 あの二人は何故、仙台まで行ったのか……


「何か言ってましたか?」


「さあ、どうだったかな…… あっ、そう言えば」


「えっ、なんですか?」


「何を食べようかって、言っていたから仙台牛タンを勧めましたけど、あれ、美味しいんですよね!」


 翔吾さんって呑気だよね…… でも、そう言うことなら、やっぱり気分転換だよね! それにしても牛タンか…… あれって結構美味しいんだよね! 私も食べたくなったわ……


美郷(みさと)さん、何かあったんですか?」


「えっ、あっ、いえ、何も……」


 来シーズンからは同じチームかも知れないけど、今はまだ、ライバルチームなんだからね。


「美郷さん、そろそろ終わりなので私達はブースへ戻ります」


 チームアンバサダーの斎藤彩女(さいとうあやめ)さんです。


「ええ、ありがとう。あなた達も昼食を取ってね」


「はい」


 あの二人も今シーズンは、うちのチームと契約してるけど、来シーズンはどうなるのかな……


 斎藤さんは、本多(ほんだ)君ととても仲が良いからWECに一緒に行っちゃうんじゃないかな……


「美郷さん、お昼行きませんか?」


 えっ、私は杏香から誘われましたけど……


「美郷さんも一緒に行きましょう! 折角GMがご馳走してくれるみたいだから」


 本多君は嬉しそうに言っていますけど……


「えっ、今から仙台まで行ったら決勝に間に合わないんじゃ……」


 私はちょっと心配してしまいました。


「なに言っているんです! SUGOの近所に美味しいお店があるんですよ!」


 本多君も杏香もご機嫌だね……


「はい、はい、私も行きます!」


 私は半分呆れ顔ですけど、本当はとても嬉しいです。折角、SUGOまで来たんだから食べないとね、しかもGMの奢りなんて滅多にないですからね!


 食事も終わり、只今ミーティング中ですけど……


「本多君、ちゃんと起きてる?」


 彼は食事の後なのでちょっと眠そうです。食後のミーティングって、眠いもんね……


「あっ、ちゃんと起きてますよ」


 みんな笑ってますね……


「本多さん、美郷さんの説明が子守唄に聞こえてるんじゃないですか」


 また杏香は余計な事を……


「馬鹿野郎、そんな訳ないだろう!」


「そうよね、私じゃなくて彩女さんならそうなるかもね」


「いや、その…… 揶揄わないでくださいよ」


 ふふ、否定はしないのね、彩女さんとは仲が良いもんね! でもまあ、これだけ言えば目も覚めたかな。


 ミーティングも終わり、マシーンはグリッドに着きました。グリッドウォークですけど…… なんだかレース関係者が多いですね。一般のお客様は少なめです。


「杏香、今回はグリッドをはみ出さないように」


「わ、判ってるわよ、同じ過ちはしないから……」


「なら、良いんだけどね」


 この気候の良くなった秋空の中、気温は25℃、路面温度は33℃タイヤについては問題ないと思う。


 問題なのは、高低差とコースの幅だ。ここのレースで杏香があまり良いイメージが無いのはそう言う事でしょう。


 一周3621メートル、通常のサーキットよりちょっと短めのコースを51周します。


 今、フォーメーションラップが始まりました。これから一周した後、レースが始まります。


 前回は、ここでグリッドからマシーンがはみ出していた為ペナルティをもらって酷い結果でした。


 でも、今回は何度も釘を刺してるから大丈夫でしょう。


 マシーンがグリッドに戻って来ました。まもなくスタートです。


 レッドシグナルが点灯を始めました。緊張の一瞬です。私が緊張しても仕方がないけど……


 今、シグナルが5つ点灯しました。マシーンのエンジン音は最高潮です。


 今、ブラックアウト、タイヤが路面を擦り付けて各マシーンが一斉にスタートしました。


 ここから第一コーナーへ飛び込んで行きます。ここでブレーキング勝負になりますけど、あまり我慢をするとコースからはみ出してしまいます。コース幅が、他のサーキットに比べて狭いから……


 更に標高差もあるのでマシーンにも厳しいコースです。第1コーナーから第2コーナーを回ったところで順位は変わりません。みなさん一周目は様子見というところでしょうか……

レースがスタートしました。杏香はこのサーキット場ではF4の頃から一度も優勝がないようです。今回は優勝出来るのかな、予選ではかなり良い感じで走っていたと思うけど……

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