92 死闘予選Q1
第8戦スポーツランドSUGO予選Q1が始まります。特別ボーナスを賭けたレースが始まります。
第8戦スポーツランドSUGOの予選Q1A組がスタートしました。
本多君も特別ボーナスが掛かっているから最初から飛ばしています。
いつもこうだと良いのにね……
「本多さん1分5秒992です」
本多君が今、トップのタイムです。2位に松島が1分5秒998です。
今回中森は、杏香と同じB組なので、お互い気にするドライバーが一人ずつと別れているので気が楽かな……
そう思っていた時でした。
『ピッ』
ロバートパンドラー1分5秒989モニターのトップのところに表示されました。
「思わぬ伏兵が現れましたね」
タイムキーパーの小林さんです。
「まあ、この辺はいつも上位にいても可笑しくないからね」
私もちょっと強がって言いましたけど……
「そうですよね、今まで上位に食い込んで来なかったのが不思議なくらいですよ」
まあ、そうだよね…… オートポリスの合同練習の時は、常にトップだったのに本番では確か9位じゃなかったかな……
「えっ、なになに? 本多さんは何位?」
杏香がモニターを覗き込んで見ています。
「ちょっと杏香、準備は良いの?」
この後すぐに予選Q1B組が始まるのに……
「大丈夫、大丈夫ちゃんと準備は出来てるから…… あっ、本多さん2位だよね!」
杏香はそう言って燥いいでるけど、そこじゃ無いんだよね……
「小山内さん、ここ」
そう言って小林さんがモニターを指差します。
「あっ、パンちゃんがトップだ! 珍しい」
「ぱ、パンちゃん?」
「うん、パンドラーの事だけど、Team AOIのオーナーはそう呼んでいるんだって!」
また、根も歯もない事を言ってこの娘は……
「杏香、誰がそんな事を言っているの?」
「えっ、結菜だけど……」
結菜さん…… まあ、元チームメイトの彼女が言うのならそうなのかな……
「杏香、あまり他所で言わないようにね! クレームが来ても困るから」
「そうだね、あの人怒ると怖いもんね……」
そう話をした後、杏香はピットの方へ行きました。彼女も出撃準備かな。
Q1A組が終わりました。トップは珍しくパンドラーです。2位に本多君、3位に松島、4位に山田……が入っています。
まもなくB組のスタートです。杏香は今、SPアウトコーナーを通過したところです。
そして今、Q1B組がスタートしました。早速杏香はアタックしています。
「小山内さんは先手必勝のようですね」
「そうね、それで結果が出れば良いんだけど……」
小林さんの言葉に私が答えましたけど……
「結果は出してるじゃないですか!」
「そうかも知れないけど、スタンドプレイが多いのよ……」
「でも、前回のレースでもペナルティで15位まで落ちて私達は諦めていたけど、彼女は11位まで、入賞の一歩手前まで走ったじゃないですか」
「うん、そうだね……」
確かにそういうとこは認めるけど……
「小山内さん1分5秒645です」
いきなりトップクラスのタイムです。A組のパンドラーを上回っています。
「相変わらず飛ばすね」
本多君がパドックに来ています。
「あの娘は調子が良いのか悪のか解らないわ!」
「まあ、あいつも特別ボーナスが掛かっているから張り切っているんじゃねえ」
うーん、それなら良いんだけど……
「ところで、もう一人のお嬢ちゃんは?」
まあ、結菜の事だろうけど……
「1分6秒007か…… もう少し頑張らないと5位には届かないかな」
「えっ、6位まででしょう!」
私は本多君にそう言って訂正しましたけど……
「いや、5位までだろう、オーナーがそう言ってたじゃないか!」
「本多さん、美郷さんはQ2通過の事を言ってるのよ!」
小林さんが、またもや訂正しました。
「えっ、本多君はそうじゃなかったの?」
「いや、俺は特別ボーナスの事を……」
はあ、私も勘違いしてましたね…… 何だか、チームも空回りしてます。
『ピッ』
「1分5秒641! 中森だ」
「珍しいわね、Q1で中森がトップを狙うなんて」
「あいつも必死なんだろう」
まあ、そうなのかもね……
「小山内さん、1分5秒642です」
はあ…… 杏香もムキになってないかな。
ここでQ1B組も終了しました。1位通過が中森、2位に杏香3位に谷山、4位に小島…… 結菜は6位でなんとかQ2に進出しました。
この後、予選Q2が十分間のインターバルを挟んで始まります。
「さて、三人のドライバーの調子はどうかな」
オーナーです。この人が変な事を言うから大変です。
「うちのチームは上場だけど、木村君はギリギリだね」
「彼女は元々、5位以内は無理だと思っているみたいですよ」
大体結菜は、杏香を追う事で速く走れているから……
「木村君も小山内さんと同じように走れる筈なんだけどね……」
オーナーの魔法の言葉が本多君や杏香にはプラスになっているけど、結菜にはプレッシャーにしかなってないと思います。
「美郷さん、Q2スタートです」
スタート直後、杏香はすぐにアタックを始めました。本多君も杏香を追うようにアタックしています。
でも、結菜は……
取り敢えず本多君、杏香、結菜は無事Q2へ進む事が出来ましたけど、結菜はギリギリの6番手通過です。この面々は決勝で5位までに入る事は出来るでしょうか……




