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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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91 特別ボーナスの使い道

オーナーからの魔法の言葉を聞いて、断然やる気を出した杏香です。レース前はあんなに憂鬱だったのに……

 第8戦宮城県スポーツランドSUGOで初日のフリー走行が始まりました。


 他のドライバーは様子を見ながら走っている中、杏香(きょうか)はコーナーをガンガン攻めています。


「おいおい、最初からあんな走りをして、まだフリーなのに…… タイヤは大丈夫なのか?」


 山口(やまぐち)君が一番気にするところです。十月になって真夏に比べれば気温も落ち着いたとはいえまだ高いです。したがって路面温度だって多少は上がります。SFで使う柔らかめのソフトタイヤは、グリップ力は強いけど持ちは悪いのです。


「予選Q1、Q2でも使うんだぞ!」


 まったく彼女は奇抜的です。結果が出ているから皆んな何も言わないけど……


「杏香、そのくらいにしときなさい。コーナーでのグリップは問題ないんでしょう」


 私は無線で杏香に言いました。


『うん、何だか気持ち良く走れたから色々試したくて、でも結構良い感じだよ』


 そう無線で返事がありました。


「解ったから、もうその辺でやめときなさい山口君がタイヤを心配しているから」


『はーい』


 レースが始まる前は相性が悪いとか言ってたわりに、気持ち良く走れたなんて、余程オーナーの魔法の言葉が効いてるみたいね。


美郷(みさと)さん、ウイングの件を訊いてもらえるかな……」


 (げん)さんも娘の事が心配でたまらないようです。


「杏香、ウイングの調子は大丈夫?」


『うん、問題ないよ』


 それを訊いた源さんは安心したのかピットへ戻って行きました。


 本多(ほんだ)君も結菜も問題なさそうに走っています。今日も上手くいけば良いんだけど……


 そんな感じでフリー走行が終わりました。この後お昼前くらいからピットウォークですけど……


「美郷さん、柚月(ゆづき)さん達は今日はいないの?」


 いや、そんなはずはないけど……


「ブースにいなかった?」


「うん、どうしたのかな……」


 私と杏香がそう話している時でした。


「あの二人ならもうすぐ来ますよ」


 オーナーがパドックに来ていました。やっぱり神出鬼没だ。


「オーナー、何か知っているんですか?」


 私はオーナーに訊きました。


「うん、イベントでうちのPRをやってもらってるんだ」


 はあ、彼女達も色々大変だ。大会中にいろんなイベントがあってたみたいだけど……


 私も、一度呼ばれたけど、物凄く緊張して疲れたもんな…… 私はイベント向きではないですね。


「チームのPRですか……」


 杏香は興味があるのかな……


「チームだけじゃなくて、うちの会社のPRも含めてね」


 そうだよね、この人はチームオーナーだけじゃないから、楓コーポレーションの社長? いや重役? なんだっけ!


「あっ、お待たせしました」


 チームアンバサダーの斎藤(さいとう)さんと柚月さんが戻って来ました。


「ねえ、イベントってどんな事したの?」


 早速、杏香の事情聴取です。


「えっ、チームとスポンサーのPRをしただけだよ」


「ステージで?」


「そりゃそうよ! ステージに立たなきゃ目立たないでしょう」


「うわーっ、緊張しそう……」


「そうでもないよ、慣れだね」


 杏香も私と同じタイプの人間のようね。でも、アンバサダーの二人は目立たないとという気持ちが凄いと思います。


 でも、この二人が戻って来たのでピットウォークを始められます。もう、アンバサダー無しでは考えられません!


 ピットウォークが終われば休憩を挟んで14時から予選Q1、Q2が行われて今日は終わりですので、早く終われるかな。


「えっ、杏香車を買うの?」


 結菜がまたもやKAEDEのパドックに来ています。


「うん、このレースで5位以内に入れればオーナーから特別ボーナスが出るから」


「うん、その話は訊いたけど…… 5位以内なんでしょう」


 結菜には無理かもね!


「ねえ、何を買うの? どうせならトヨタのスポーツ車とか良いんじゃない!」


 流石はトヨタチームだけあって勧めてくるね!


「うん、でも私はホンダチームだからな……」


「そんなの関係ないでしょう」


 まあ、確かに個人で買う訳だし、オーナーも気を遣わなくて良いよと、私の時も言ってくれたけど、やっぱり気になります。


「おい、おい、そういうのはボーナスをゲットしてから言うもんだぜ!」


 本多君も話に加わって来ました。


「別に話をしてるだけだから良いの!」


 まあ、女子二人でガールズトークをしているんだから、本多君は仲間はずれというとこかな!


「えっ、杏香は車を買うの?」


 今度は、チームアンバサダーの柚月さんが話に加わって来ました。


「うん、このレースで5位以内に入ったらボーナスが出るの!」


「杏香だったら優勝出来るんじゃない! この間も優勝したんだし」


 まあ、第6戦ではそうだったけど、そう簡単にはね……


「優勝は偶々だよ! 中森さんや松島さんはなかなか手強いからね」


「まあ、俺もいるからな!」


 すかさずそう言う本多君です。彼もちょっと調子に乗ってるかな。普段はそんな事言わないのに……


「おい、そろそろ予選Q1が始まるから準備をして」


 山口君の一言で、おしゃべりは終了です。


 さあ、Q1A組本多君の予選が始まります。


 彼はどういう走りをするかな……


杏香は、特別ボーナスで車を購入したい事を結菜や柚月に話していたようだけど…… そんなに上手くいくかな?



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