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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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90 東北大会

今年のレースも大詰め第8戦東北大会スポーツランドSUGOです。残すところSUGOと鈴鹿の2レースです。ドライバーズポイントも気になるところです。

 祝勝会も終わり、次のレースは十月に行われます。


 次のレースは気温も路面温度も落ち着くでしょうから、あまりタイヤを気にしなくても良いかな。


 十月第二週の週末、第8戦スポーツランドSUGOのレースが始まります。杏香(きょうか)はF4の頃から走っているサーキットなので、問題ないと思っていたんですけど……


「私、ここのサーキット場は相性が悪いんだよね」


 杏香はそう言いますけど……


「相性ってどういう事?」


「うーん上手く言えないけど、ここで優勝した事もないし、入賞も9位か10位に一度だけ入ったかな……」


 なんだか不吉な事を言う杏香です。


「もう、レース前から変な事言わないでよ」


「だって、クラッシュしてマシーンを駄目にした事だってあるから」


 もう、レースを始める前から不吉な……


「杏香、それはF4の頃の話でしょう。今回はスーパーフォーミュラなんだから、優勝してそのジンクスを覆したら!」


「うーん、まあ、頑張ってみるよ」


 杏香のあんな顔は、あまり見たことないんだけど、でも他のサーキットと何が違うというの?


小山内(おさない)さん!」


 あっ、珍しくオーナーがパドックに来ていました。


「オーナーお疲れ様です……」


 杏香は元気なくオーナーに挨拶をしていますけど……


「小山内さん、君がやる気を出す魔法の言葉を教えてあげよう」


 魔法の言葉? そんなのがあるの……


「そんな魔法があるならお願いします」


 私も杏香も冗談半分で訊いてましたけど…… 次の瞬間、杏香は俄然やる気になりました。


 それは何故か……


「小山内さん、このレースで5位以内に入ったら特別ボーナスを出そう」


「えっ、良いんですか?」


 話半分で訊いていた本多(ほんだ)君も驚いています。


「あのオーナー、小山内だけですか?」


 本多君も便乗したいようです。


「よし、それじゃ5位だったら百万、4位なら二百万、3位は三百万、2位は四百万、優勝したら五百万を出そう。このボーナスは本多、小山内、木村(きむら)の三人に権利がある頑張ってくれ!」


 オーナーがそんな事を…… 結菜(ゆいな)はともかく、本多君と杏香なら5位以内に入って来ると思います。


 でも、本多君はもとより、杏香もやる気が出たみたいです。単純だな……


「おい、二人とも車検をするから」


 (げん)さんが呼んでいます。


「本多は682kg、杏香は679kgで設定しているから」


「俺が3kgも多いんですか?」


「本多は元々杏香に比べて体重が重いからな」


 平然と源さんは言います。


「本多さんはレース後の体重差が2〜2.5kg位あるからね」


 山口(やまぐち)君がそう言ってます。


「ヤバ! 本多さん、そんなに痩せるんですか?」


「おまえはどうなんだよ!」


 本多君、女子にそんな事を訊いたら駄目だよ! 私は思いましたけど……


「杏香は1kgも変わらんよ」


 源さんは平然と言います。


「小山内、おまえの身体はどうなってんだ! 普通あれだけ汗をかけば2kg位は変わるだろう。マラソン選手だってひとレースで3、4kg位やせるのに」


「本多、杏香は上手く水分補給をしている。おまえも少しは見習え」


 えっ、それって本多君はレース中は、あまり水分補給をしないのかな……


「本多さん、早く体重測ってってよ……」


 山口君に催促されていますね……


 マシーン重量とドライバーの測定も終わり、レース前の車検は終わりです。


「杏香、前回通りウイングの角度を調整してるからダウンホースが足りない時はフリーの時に言えよ」


「うん、ねえお父さん、特別ボーナス貰ったら何か美味しいもの食べに行かない」


 杏香としては親孝行のつもりかな……


「おまえ、車が欲しいって言ってなかったか?」


「あっ、車か……」


「順位次第では、良い車が買えるぞ!」


「うーん、そうだね」


「足りない時は少しくらいなら出してやるから」


「うん!」


「頑張れよ」


 やっぱり親子だね、源さんもちゃんと杏香の事見てるんだね。


「小山内!」


 本多君が呼んでます。


「負けませんよ!」


「別にそんな事は言ってないよ! ただ、ウイングの羽はまだ立てずに水平気味なんだな」


「うん、慣れたら上手くコントロール出来ますよ! 大体が高速コースだから」


「いや、俺には真似出来ないよ!」


 流石に、杏香の真似をするドライバーはいないかな……


 中森(なかもり)松島(まつしま)だって杏香のマシーンのウイングが可笑しいのは解っていると思う。


 しかし、レギュレーション違反になる訳ではないけど、あそこまでリスクは負いたくないというのが本音だろう。だから誰も真似はしない……


「小山内、先にコースに行くぞ」


 本多君はそう言ってコースへ出て行きます。


「杏香、無理するな!」


 源さんにそう言われて頷いた後、杏香もコースへ出て行きました。初日のフリー走行が始まります。


 スポーツランドSUGOは日本のサーキットの中では一番標高差が高く69.83mあるテクニカルコースです。


 それを決勝では51周します。今回のレースどうなるのか……


いよいよ東北大会スポーツランドSUGOが始まります。ここを入れて、あと3戦で今年も終わります。

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