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女神様はスピード狂  作者: 赤坂秀一
第四章 移籍
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89 反省会?

第7戦富士スピードウェイ後半戦は本多君が今季3勝目の優勝を決めました。しかし、杏香も結菜もペナルティがあった為、今回は入賞も逃してしまいノーポイントです。

 第7戦富士スピードウェイでのダブルヘッダー後半戦が終わりました。


 優勝は本多(ほんだ)君、今季3勝目で、ドライバーズランキングでもトップです。2位に中森(なかもり)、3位に松島(まつしま)、4位にパンドラー、5位に山田(やまだ)、6位に谷山(たにやま)、7位に小島(こじま)…… 杏香(きょうか)結菜(ゆいな)はペナルティの所為で11位と12位なので今回は0ポイントでした。


「いや、今回はお互い残念でしたね」


 そう言って翔吾(しょうご)さんが、KAEDEのパドックにやって来ました。


「ええ、でもうちは本多君が優勝しましたから」


 私が言った事は嫌味に聞こえたかな……


「はい、だから今日も祝勝会ですよね!」


 今日もって、まさか、また一緒に来るつもりなのかしら……


「そ、そうですね……」


 そう私が言った時……


「あっ、翔吾さんのチームも一緒に来ませんか!」


 はあ…… 宴会部長の山口(やまぐち)が誘ってるよ…… ひょっとして、来シーズンの移籍の件を知ってる……?


 まあ、そういうやりとりもあって、今日もまた、居酒屋ふく福へ行きます。


 今日はみんなお酒を飲むんだよね……


「あっ、あのすみません……」


 そう声を掛けて来たのは、月刊フォーミュラの神田(かんだ)さんです。


「本多さん、少しだけお願いします」


 本多君は優勝のインタビューです。久々だもんね!


 でも、本多君は神田さんに呼ばれた後、すぐに戻って来ました。


「あれ、もう終わったの?」


「はい、ほんの少しだけでした」


 あらまあ、今季3勝目なのにね……


小山内(おさない)、おまえも一言だってよ!」


「えっ、私!」


 杏香はペナルティで散々だったのにね……


「お疲れ様です」


 そう言って神田さんのところへ行った杏香です。


「小山内さん、ペナルティってなんだったの?」


 やっぱりみんな気になるのかな……


「えっと、スタートの時にグリッドからはみ出していたみたいです」


「はあ、ジャンプスタートか……」


「えっと、反則スタートらしいです」


「うん、そうとも言うね」


「……」


 まあ、スタート時の反則をそう言うらしいです。


「そうか、僕はシグナルが消える前にマシーンが動いたのかと思ったよ!」


「いえ、ブレーキは左足でしっかり踏んでますから……」


「それで、木村(きむら)さんはなんだったの?」


「さあ、訊いてないので解らないですけど」


「そうか……」


「でも、ふく福で本多さんの祝勝会をするから一緒にどうですか?」


「えっ、良いの?」


「前も来てたじゃないですか」


 などと杏香は勝手に神田さんを誘ったみたいです。


「うん、ありがとう…… でも、今日は早く帰って記事をまとめないといけないから」


「あっ、はい、じゃあ私はこれで」


 そういう事で、杏香も戻って来たので、私と一緒にふく福へ行きました。


「小山内さん! ペナルティって何をしたの?」


 ふく福へ着くなり、いきなり店の大将から訊かれました。杏香は圧倒されているかな。


「えっ、なに、どうしたの?」


 ただでさえ体格の良い大将が杏香の前に立ち塞がって来たので、彼女はおもわず仰け反ってしまいました。


「いや、だから…… 何かペナルティになる様な事を……」


「あっ、えっと…… スタートの時、グリッドからはみ出していただけですよ」


 ちょっとバツが悪そうに杏香はブツブツ言っています。


「えーっ、たったそれだけで!」


 大将はそう言うけど、ペナルティがあれで済んで良かったと私は思います。


「木村さんもペナルティだったよね!」


「えっと、私は…… それがよく解らなくて」


 結菜さんは、チームから何も訊いて無いのかな……


 その時、teamSHOWGOのチーフメカニック岩崎彼方(いわさきかなた)さんが言いました。team SHOWGOの人達もみんな揃って来ていたんですね。


「結菜も反則スタートだよ! ちょっと状況は違うけどね」


 彼女も反則スタート?


「だから、何故スタート直後に杏香を抜いたのが駄目なの?」


 結菜は、そこが納得出来ないようですけど……


「結菜、君はスタートしてスタートラインを越える前に小山内さんを追い越したんだよ!」


「だから、何故それが駄目なの? レースなのに……」


「スーパーフォーミュラでは、後方のグリッドからスタートするマシーンは特に、スタートラインを越えるまでは追い越しをしてはいけないんだよ」


 はあ、確かにそういうレギュレーションがありました。大体、杏香は二列目や三列目からのスタートが多いから、スタート直後に追い越してもスタートラインは越えているから今までは反則にはならなかったというとこでしょう。


「はあ…… そういうのをよく見てるよね」


「確かに、誰が見てるんだろう」


 結菜も杏香も溜息を吐きながらそう言います。


「それは、マーシャルだよ!」


 翔吾さんも私達の話を聞いていたようです。


「マーシャルって?」


「コース脇でイエローフラッグやブルーフラッグを持ってる人」


「ああ、その人達がチクっているんだ!」


 いや、チクルって……


「まあそうだな、マーシャルが競技長に、競技長はスチュワードと呼ばれるレース審査委員に通告、審議の結果、違反行為とみなされたらペナルティになる」


 レース中も結構監視されてるのね……


「まあ、今日は残念だったけど反省会という事で楽しんでください」


 店の大将はそう言うけど……


「大将、今日は優勝した俺の祝勝会なの!」


「あっ、そうだね」


 苦笑しながら本多君がそう言いました。彼は肩身が狭いね……


第7戦、二人のペナルティの内容が判りました。これを教訓に残り3戦、次回は第8戦スポーツランドSUGOです。

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